2008年10月22日 (水)

【読書】おひとりさまの法律(法研、中澤まゆみ著)

上野千鶴子さんの「おひとりさまの老後」がベストセラーになり、私も読んだ。
参考になる良い本だった。(このブログに書評あり)

その本と同じ出版社から刊行された、関連本である。

結婚はかつて永久就職と言われたが、永久なんてない。離婚しないように努力することはできても、死別しないように努力することは難しい。かくして、唐突に「おひとりさま」になるリスクは常にある。 (65才以上女性の5人に1人は、「おひとりさま」)

葬儀、相続、離婚、認知症と成年後見制度、賃貸住宅トラブル、詐欺商法、医療、福祉、遺言の書き方。さまざまな場面での法律的な対処法が出てくる。難しい事柄をやさしく解説している。

もっとも興味を持ったのが、簡易裁判所における民事調停制度。
http://www.courts.go.jp/saiban/syurui/minzi/minzi_04_02_10.html

民事トラブルについて、法律的な評価にもとづいて当事者の歩み寄りを促し、当事者の合意によって解決を図る制度。何らかの民事紛争に巻き込まれたときのために、覚えておくとよい制度だと思った。

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2008年10月20日 (月)

【読書】四国遍路の近現代(森 正人、創元社)

徳島新聞のWebに紹介が載っていたので、遍路に関する本を一冊買って読んでみた。

著者は、関西学院大学で地理学を専攻する学者さんで、四国遍路を宗教的価値観に基づく「文化的現象」として研究の対象にしている。また、「古くからの文化は当たり前にあるのではなく、様々な人々の操作の中で守られている。文化は経済や政治と区分することができない」と著者はいう。

遍路の起源は平安時代に始まり、一般民衆へは江戸時代に普及した。遍路乞食(へんど、と呼ばれた)による治安の悪化を怖れ、すべての遍路の流入を規制した、土佐藩の実例もある。(当時、高知県内ではご朱印がもらえなかった)

明治時代には、急速な近代化に伴って全国に鉄道網を敷設され、鉄道が通しにくい地域は、道路にて補完された。これによって、四国遍路が交通機関によって廻ることができるようなった。新聞社は読者獲得競争の一環として遍路の記事を大きく報道し、遍路によって潤う交通機関なども、遍路を広告した。交通機関を使った遍路は、近代化の象徴とも捉えられていた。

ところが、満州事変に端を発する国家総動員体制が進み、宗教においても「国民総強化」の洗礼を受けた。すべての宗教は、全体主義への迎合を余儀なくされ、四国遍路も、国家にとって有害とみなされる存続するために、その装いを変えた。

非常時の困難な情勢をのりきるため「遍路精神が有効である」(=ぜいたくは敵)とされたり、戦勝祈願が遍路の目的に加えられたりした。精神主義に傾いた流れから、「正当な」遍路の普及が進められた。(白装束、歩き遍路の重視etc)

つまり、従来からの伝統と言われているものの歴史は意外に浅く、困難な時代を生き抜く、したたかさや戦術などを垣間見ることができるのである。

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2008年7月29日 (火)

人と一緒に、ピースで、ラブに暮らすのは難しい。

先日読んだ、「まだ結婚しないの?」に答える理論武装(光文社新書)のなかでの結びの一節である。

『人と一緒に、ピースで、ラブに暮らすというのは、本当に難しい。いままで、結婚という親密な関係形態ができたのは、皆がその難しさをクリアしていたからじゃなく、ピース・ラブ・対等なんかが重視されない水準でOKだったからだ』

一冊の本で言いたかったことが、結語のなかに凝縮されていると思った。

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2008年7月24日 (木)

【読書】「まだ結婚しないの?」に答える理論武装(伊田広行、光文社新書)

このところ、昼休みも惜しんで資格対策の日々だが、さすがに疲れてきて、この間の昼休みは、本屋に入った。すると、気になる本があって、時間もなくてよせばいいのに、ふらふらと衝動買いしてしまった。

著者の伊田さんは、相当に急進的なジェンダーフリー論者だ。カップル単位ではなく、シングル(個人)単位の生き方の重要性を提唱しておられ、個人単位の生き方を阻害する仕組み、たとえば、家庭、家族もち優遇の税制や社会保障、人々のなかにある偏見などを壊すべきという主張をされている。

そうなので、伝統的な保守派からは、相当厳しい批判もあるようだが、わたしは、この著者の本を一冊読んで大ファンになった。

結婚の問題は、実は、自分の生き方の問題、精神的な自立という人生の大問題とイコールなのである。結婚して生活を変えれば、無力感・倦怠感から脱出できるというのは、単なる逃避にすぎない。(これは、就職についても、同じこと)

女性は、頼りがいのある男性を求める傾向が強いが、「自立しないとマイナスを背負うことになるよ」と書いており、まったく同感だ。ただ、いまの若い女性の傾向は、厳しい就職の情勢に引きずられて、易きに流れているように思えるが。

結婚制度は、家制度を出発につくられた(世界的にも稀な)戸籍制度と密接に関連がある。男性が女性を養うことを前提としてつくられた制度は、女性の低賃金化の大きな要因になっている。(一方で、男性については、働きすぎという男性問題の大きな要因だ)

マスコミの刷り込みもあり、「結婚=幸せ」「恋愛=幸せ」という幻想は強烈だが、そのような誘導から自由になって、自分らしさは何かを問い続けなければならないと思う。

わが国には、介護保険制度ができて、一定程度、「介護の社会化」が実現した。したがって、施設介護を受ける準備と覚悟があれば、必ずしも家族がいなければダメとはならない。

「いまをちゃんと生きることが、豊かな老後をもたらす」との一節が心に残った。

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2008年5月28日 (水)

【読書】私塾のすすめ(ちくま新書、斉藤孝・梅田望夫)

最近、読書量が減っていることに気付いた。何ごともバランスは難しい。

表題の本を買ってきて、読み出したところ。

趣旨は、
 ●個人の確立のために、やる気のある人たちが集合した「私塾」が求められている
 ●ネットは、時間・空間の制約を超えられるので、現代的な「私塾」として機能できる
といったところだろう。

読了したら、書評を改めて上げる。

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2008年5月21日 (水)

【読書】悩みのコントロール術(東山紘久、岩波アクティブ新書)

来月に、四天王寺で、著者の講演を聞く機会があるので、改めて本を一冊読んでみた。

著者は、京都大学副学長で、臨床心理士。「プロカウンセラーの聞く技術」「プロカウンセラーの夢分析」などが、ベストセラーになった。

悩んでいる人は、悩みを取ってほしいと思って、カウンセラーを来訪する。だが、カウンセラーは、悩みを深めるのが仕事である。なぜなら、悩みを深めることをしないと、同じ悩みを繰り返すことになるからだという。

これは、自己破産によって借金を棒引きにされた債務者が、凝りもせず、借金を繰り返すことに似ているという。

悩みの多くは、自分の現実と理想の乖離から生じる。当人の知識不足が悩みの原因なら、知識を与えればよいが、知識を持っているがどうすることもできない場合は、助言がどのように立派なものであっても、無力である。

周りの人の助言が、あまり効果がなく、かえって当人を怒らせることがある。このようなときの助言の大部分は、当人が実行できないような助言である。悩んでいる人に、できないことを要求するのは、その人の無力さを指摘することになる。

たとえば、国語はよくできるが算数はできない子供に、「国語はよくできるから、算数をもっとがんばれ」というと、多くのこどもは、国語まで駄目になる。

著者は、思い込みを防ぐ方法についても、書いている。

思い込みを防ぐ一番有効な手段は、自分の意見や見方に相手が反論してきたときに、さらなる反論をしないことだという。むきになって反論したくなるときは、どちらかに思い込みが大きいときで、相手の思い込みが大きいときに反論しても、相手は聞く耳を持っていない。

助言の有効性は限定的だし、自他の見方の乖離をなくすのも難しいとなれば、いったいどうすればよいのだろうか。それは、相手の鏡になることだ。(鑑ではない)鏡になって接すれば、当人の思い込みはやがてなおっていくという。

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2008年5月 8日 (木)

【読書】「男女共同参画」が問いかけるもの ~現代社会とジェンダー・ポリティクス~ (伊藤公雄、インパクト出版)

以前から書店に出ていて気になっていたので、購入してみた。

1999年6月に、男女共同参画社会基本法が成立し、これによって、女性差別撤廃条約の批准条件としての国内法の意味も持っている。

少子・高齢社会は、男女で支えなければならない。少子化は、家庭にいる女性の割合が高い国ほど進んでおり、具体的には、日本、ドイツ、イタリアの3国である。(日独伊の「三国同盟」) ただ、日本以外は、急速に女性の社会参加を進めている。

男女がともに、社会参加・地域参加を為すためには、男女を問わず、労働時間を規制しなければならない。欧米では、短い労働時間で労働生産性を向上させ、「1日6時間労働にしよう」とする議論すらある。

ジェンダー(性別による社会的な枠づけ)の問題は、人々が常識として考えていたことの差別性である。男だ女だというジェンダーの縛りは、他の人権問題以上に、「常識」として体に染み付いてしまっている。

家庭における性別分業は、産業革命と密接な関係がある。男性が家庭から離れて工場やオフィスで仕事をするようになると、女性が家のことをするようになった。

工業社会も、はじめは、男も女も子供もみな働かせていたが、全員が働く社会は成り立たないことに気付き、子供を次世代の労働力として養成し、女性は、男性労働者を「タダでケアする」という企業側に有利な仕組みが形作られた。

もともと、日本では、江戸時代は女性の地位は高かった。しかし、明治維新に伴って、女性を無能力者とする民法が整備され、良妻賢母教育によって、「男らしさ」「女らしさ」が強調されることによって、欧米に追いつくために適応した性別分業が作られてきた。

そして、近代につくられたジェンダー格差は、今の時代に至るまで継承され続けている。

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2008年5月 3日 (土)

【読書】老いを照らす(瀬戸内寂聴、朝日新書)

瀬戸内寂聴さんの本が本屋に出ていたので、久しぶりに読んでみた。

時間はさかさまには流れない。だれでも老いる。でも、死なない秘訣というのがひとつあるらしい。

それは、死んでもいい、と思うことだという。今日したいことは、今日しなさい。いつ死んでも悔いのないように、充実した生を送っていると、死は遠ざかるのだそうだ。

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2008年5月 2日 (金)

【読書】超訳「資本論」(的場昭弘、祥伝社新書)

面白い本だった。

「資本論」は、マルクスが書いた古典的名著である。資本主義に対抗して、共産主義・社会主義が生まれた、「資本論」は、両主義の理論的支柱である。

原始の物々交換の世界では、資本主義はなかった。貨幣が発明され、貨幣が様々な商品との交換価値を持つに至って、資本主義が生まれる。

消費し、生活するためには、貨幣か必要だ。貨幣を手に入れるために、一握りの資本家を除いて、基本的には労働者になるしかない。労働者は、多くの労働を企業に提供し、労働に対する分け前として貨幣を手に入れる。手に入れた貨幣によって、人は生活する。

一方で、労働者を雇用する資本家は、提供された労働と、労賃の価値の差を蓄積していき、資本は中間搾取の過程を経て巨大化していく。

生産手段を持たず、労働を切り売りするしかない労働者にとって、労賃と労働条件は、労働者同士の競争のなかで、切り下げられ、労働者への分配が減る宿命にある。劣悪な労働条件に対する闘いとして革命が起こり、民主主義憲法が出来た。

政府は高所得者から高額の税金を徴収する累進課税を行って、社会保障に充当するとともに、労働者保護のための労働法制が整備されたことで、原始の資本主義は修正された。一方で、人間の善意のみを信じる、社会主義・共産主義は非効率で淘汰された。

しかしながら、拡大するグローバリズムは、資本主義の欠点を露わにしている。IT化と物流の国際化は、多国籍企業による労働ダンピングを生み、先進国の高所得労働者は、どんどん労働条件を切り下げられている。

資本主義のシステムは、何らかの外力介入しなければ、資本が巨大になりつづけるシステムだ。今は、国際化した経済になっているので、国単位を超えた、課税と社会保障による所得の再分配や、労働者保護のシステムが必要なのだと思う。

ただ、社会主義を是認しているのではない。人間は元来怠け者であるから、社会の発展のためには、個人が競争する仕組みは、必ず必要だ。資本主義の欠点を、社会的規制によって、いかに修正していくか考えなければならない。

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2008年4月29日 (火)

【読書】超訳「資本論」(的場昭弘、祥伝社新書)

このところ、古典をリニューアルした文庫や新書が人気だそうだ。

この本も、そのようなリニューアルのひとつだと思うが、本屋で気になったタイトルだったので、買ってみた。350ページほどあるので、けっこう分厚い。

ぼちぼち読んでみたいと思っている。

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2008年4月26日 (土)

【読書】ルポ 貧困大国アメリカ(堤 未果、岩波新書)

アメリカの貧しさを描いた本だ。読んでいて暗い気分になったが、シビアな現実だ。

まずは、「貧困が生み出す肥満」について書かれている。

ニューヨークでは、児童の4分の1が貧困児童であり、その3分の2が無料・割引給食を受けている。メニューはコスト削減のため、ファーストフードばかり。これが肥満の原因だ。子供だけでなく、生活保護を受給している大人にも同様の構造がある。

新自由主義は、ことごとくアメリカの中流階級を壊してしまった。情報通信技術を背景に発達した新たな産業革命は、ごく一部の高所得者を除いて、低賃金のサービス業以外の仕事を無くしてしまった。

アメリカでは、おちおち病気もできない。日本のような国民皆保険制度はない。民間の保険に入れない貧困家庭は、自費診療となる。高すぎる医療費のせいで、「日帰り出産」は当たり前。(日本の場合は、出産育児一時金として、35万円が支給されるそうだ)

医療費が高いので、国民の多くは薬とサプリメントに走る。高齢者医療制度など問題はあるだろうが、日本の社会保障はそれなりによくできていると思う。この本の中では、「日本の国民皆保険制度は、民主主義国家における理想の医療制度だ」と言っている。

さらに、権力は経済格差を利用する。貧困家庭の子供は、軍に「就職」する。アメリカは徴兵制を敷いていないが、経済格差を放置しておけば、経済的理由から、兵隊の供給には困らない。

軍人ではなく、民間の派遣としてイラクで戦力になっているという現実もある。民営化された戦争は、アメリカだけでなく、世界中の低賃金国の若者によって支えられている。

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2008年4月23日 (水)

【読書】「パラサイト・ミドルの衝撃サラリーマン― 45歳の憂鬱」 (三神万里子、NTT出版ライブラリ)

2001年の終わりごろから、「45才以上の中間管理職に情報を伝えても問題が解決しない」という現象が見られるようになった。日本企業の問題は、45才以上から何層にも連なる管理職と、人数が多すぎる役員陣にある。

優秀な人材であっても、中間管理職になると思考の枠組みに変化が生じ始める。市場感覚が麻痺し、好奇心が削がれ、職業人としての老化が始まる。

一方で、生涯にわたって自分の知識に対して投資し、常に時代に通用するレベルに更新しつづける、「知識重視社会」へのシフトが始まっている。著者は、組織にぶらさがる働き方を改め、「時間と情報の感度」を高める動き方が必要だ。

日本の企業制度は、45才から55才の中高年社員を、失業させずに会社に囲い込む効果を上げてきたが、労働生産性、自己実現の点では、問題を抱えているといえよう。

また、団塊世代が地域に還ってきたときには、別の問題が生じる。著者は、男尊女卑と年功意識の2つが染み付いたまま、NPOやボランティア活動の音頭を取る団塊世代によって、「日本のNPOならではのマネジメント方法が台無しになる」危機にあるという。

つまり、日本のNPOは、税制の制約で寄付金が集まりにくいので、参画者全員による雰囲気づくり、運営者が適材適所を見抜く力、実施するサービスのやりがいで人材に対する訴求力を維持してきたが、ヒエラルキー意識を持つ中高年が壊すことが懸念されている。

タテ社会で育ってきた人の意識改革は、非常に難しいのが実情だ。

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2008年4月22日 (火)

【読書】「パラサイト・ミドルの衝撃サラリーマン― 45歳の憂鬱」 (三神万里子、NTT出版ライブラリ)

新聞記事で見て気になって、買ってきた。まだ読んでいる最中。

趣旨は、日本企業は、45才以上の年齢層で管理職が重層的に存在しており、過剰な数の役員ともあいまって、「45才以上は、判断を避け、会社に寄生している」というもの。

ただ、中高年管理職をただ単に否定的に捉えているのではないようなので、どのような論理展開に進んでいくのか、最後まで読んでみたい。

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2008年4月19日 (土)

【読書】堂々たる政治(与謝野馨、新潮新書)

よい本だった。

本は人を現わし、文は人を現わす。与謝野氏の初めての著作となる本書は、氏の人となりを余すところなく伝えている。いま70才でなければ、充分総理大臣が務まると思う。

わたしは、著書によってかなりの部分人を評価するが、その後の結末について、けっこうの精度で予想できていると思っている。(ちなみに、小泉元首相については、総理になる10年前に本を読んで、高い評価をしていた)

これに対して、安倍元首相が就任前に著書を著したとき、一読して「何書いているか、まったく伝わらん」と思った。当時、世の中は安倍フィーバーに湧いていたが、著書を読んで以降、評価を著しく下げた。さらに、初めの組閣名簿を見て、評価は最低ランクに落ちた。

ところで、著書に関する本題に話題を戻すため、印象に残った一節を挙げてみた。

●人に相談すると平均的な答えしか返ってこない
 「私の先輩たちは、肝心なときに人に相談して判断を間違ってきた。私は肝心なとき、絶対に人に相談しない。自分で決める」(小泉元首相)

●国家は割り勘である
 みんなでちゃんと「割り勘」分を払わなければ、本当にこの国は支えられない。

「割り勘」の議論については、同感の部分が多い。4月以降、後期高齢者保険制度や揮発油税の暫定税率の議論がやかましいが、「いったい、だれが負担するのか」という視点が抜け落ちてしまっているような気がする。

後期高齢者保険制度については、老人1人あたり、年間80万円(!)の医療費が費やされており、保険による不足分は現役労働者の保険料や税金によって穴埋めされている事実を避けることはできないし、揮発油税についても、限られた公共空間に個人が巨大なハコを占有する対価として、諸外国なみの「一般税」「環境税」は、しかるべき負担である。

ある程度は減税したとしても、ある程度は負担したうえで、医療費や道路建設費などの支出の効率化を目指すべきだと考える。

また、与謝野氏は、福祉特定財源として、消費税10%への増税を唱えている。2015年において、消費税を10%に増税すると、増加する社会保障財源はまかなえる計算だという。

わたしは、その論には反対だ。中央集権に伴う巨大なムダ使いの構造を温存し、二重行政、三重行政の構造を温存したまま、大規模な増税に踏み切ることは、いけない。

瑣末なムダをあげつらうのは建設的ではないが、根本の行政システムの構造を簡素化されるべきだ。(たとえば、所得税をなくして消費税に一本化すると、所得税にかかわる税務職員は、すべて要らなくなる)

この本を読んで、私の考えとは若干異なる点もあるが、増税など耳の痛い点に踏み込み、率直に書いた点などについては、高く評価できると思った。

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2008年4月13日 (日)

【読書】「婚活」時代(山田昌弘・白河桃子、ディスカバー新書)

きょうの朝刊の書評欄を見ていて面白そうだったので、三宮の本屋でさっそく買ってきた。

「婚活」は、著者が、結婚活動の略語として造った。「就活」のアナロジーである。

本の出来は、書き手の資質によってほとんど決まってしまう。よい著者の本には、ハズレが少ない。山田さんの「パラサイトシングルの時代」や「希望格差社会」は名著だ。

山田さんの専門は家族社会学である。学者である以上、感覚論ではなく、社会現象を統計にもとづく分析によって、整理していくのであるが、平易な言葉で著書を著し、一般向けに啓蒙することも心がけておられるのが、わたしが氏のファンである理由だ。

就職が自由化されて、就職活動なるものが必要になったように、職場での斡旋や見合というシステムが崩れて、結婚が自由化されると、格差が拡がって、今や「結婚活動」なるものが必要になっている。

社会経済状況か変わっても、男女の意識は変化していない。女性は、男性に経済的な依存を求め、男性は、ワークライフバランスの「ワーク」だけやってりゃいいや、という意識。男は、「男の沽券」を容易には捨てられないという。男女共同参画は絵に描いた餅だ。

未婚女性の40%が年収600万以上の男性を望むが、実際には3.5%しかいない。30代男性の25%は、週60時間以上働いている。男性に経済力を求めると、裕福なパートナーと過ごす時間が、実際にはないという現実。相手にコミュニケーション能力を望むなら、年収が少なく時間のたっぷりある男性になるし、難しいところだ。

最後に、社会学者として山田氏は、「個として独立していても、支えのない人が多い社会は、とても弱い社会になるのではないか」と懸念している。日本では、家族に代わるコミュニティーがまだない。外国では、個人主義が確立しているが、日本では個人主義が脆弱なので、家族がなくなると、基礎的なコミュニティがガタガタになるおそれがある。

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成功へのケモノ道

頂上を極めるには、われらに多少とも好意を寄せてくれる「広大な中間地帯」を作ることだ。

そのために、約束したら実行する、できない相談は理由を挙げて「丁寧に断る」、損して得をとり、泥は自分がかぶって逃げないことだ。これを十年続ければ、われらの周りに人垣ができる。

大勢の人を集め、お心を頂戴するには、ケモノ道を辿って、平場に達するしかない。

田中角栄氏の言葉だそうだ。

【出典】「40才を過ぎたら、好きなことをやれ!」

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【読書】人を10分引き付ける話す力(齊藤孝、大和書房)

齊藤さんは、「声に出して読みたい日本語」がベストセラーとなっている教育学者だが、コミュニケーションの専門家でもある。どの本でも、キレ味の良い文章を読ませてくれるので、愛読している著者の一人だ。

人は十分も話を聞けば、相手についてたいていの判断はできるという。「意味の含有量」という単語をつくって、短い文章のなかに、どれだけ意味のあるコンテンツを込められるか、というところで勝負せよ、という。

良い話は、気付き・発見が多く、共感度の高い話だという。

体験や対話といったものも使うという点で手法は異なるが、今後のイベントでやりたいと考えている方向性と共通のものだと思った。

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下問を恥じず

論語に出てくる言葉。

地位が低い人、能力が劣る人、未熟な若い人にも恥ずかしがらずに、何でも質問したり、わからないことは謙虚に教えてもらったりすること。

しかし、実際にそれをやる人は少ない。

【出典】「40才を過ぎたら好きなことをやれ!」(三笠文庫)

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2008年4月12日 (土)

心の持ち方

人に接する時は、暖かい春の心
仕事をする時は、燃える夏の心
考える時は、澄んだ秋の心
自分に向かう時は、厳しい冬の心

(関西経済同友会幹事・鮫島輝明氏の言葉)

【出典】「40才を過ぎたら好きなことをやれ!」(三笠文庫)

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2008年4月11日 (金)

【読書】効率が10倍アップする 新・知的生産術(勝間 和代、ダイヤモンド社)

最近の新書「お金は銀行に預けるな」(光文社新書)で、名前を知っていた程度だったが、この方の本を初めて読んだ。なんとまあ、時間効率の高い人である。超人的だ。
 (詰め込みすぎて、疲れないのだろうか。)

経済評論家兼公認会計士。19才で公認会計士2次試験を突破、21才で長女を出産。外資系の公認会計士事務所、コンサルタント(マッキンゼー)を経て、経済評論家として独立。16年で、年収を10倍にした。

内閣府男女共同参画会議「仕事と生活の調和に関する専門調査会」専門委員であり、ワークライフバランス問題にも強い。「世界の最も注目すべき女性50人」にも選ばれている。

勝間さんは、「情報こそは、現代の通貨だ」という。資本主義の本質は、「賢くない人から賢い人にお金が移動する仕組み」だともいう。

現代は、情報洪水の時代だ。情報に埋もれないために、「4マス」と呼ばれる、新聞、雑誌、テレビ、ラジオからの情報摂取を少なくし、自分の体験からの学び、他者の体験からの学び、良書からのインプットに、時を傾けることを薦めている。

あわせて、知的生産を支える生活習慣についても、書かれている。

喫煙・飲酒など知的生産の6大危険因子の排除、すき間時間の有効活用、睡眠時間の確保、知的生産の集中力をつけるための「体力」(勝間さんの場合は、自転車での移動)、食生活を挙げている。

よく整理されていて読みやすい本だ。何がしか、明日の新たな行動に向けてのヒントを与えてくれる本だと思った。

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2008年4月10日 (木)

与謝野前官房長官「堂々たる政治」(新潮新書)

http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/080409/stt0804091808007-n1.htm

わたしは、与謝野前官房長官のファンである。人気におもねず、正論を堂々と主張するスタンスを好んでいる。

来週、新書で著書が出版されるようなので、出たら早速買ってみようと思う。

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2008年4月 9日 (水)

【読書】ウチのシステムはなぜ使えない~SEとユーザの失敗学~(岡嶋裕史、光文社新書)

興味ある題名の新書だったので、買ってみた。

著者は、SEから大学に転向した履歴のかたである。文章が読みやすく軽妙で、おもしろく読めた。

SEとはシステムエンジニアの略で、コンピューターシステムを作るときに、顧客の要望を聞き、プログラマーに対して指示する役割の方である。各社によって、SEの範疇には幅があるが、顧客側から見れば技術的知識のある営業マンであり、プログラマ的から見れば、作業を指示する管理職、といったところか。

仕事で、日常的にSEさんとお付き合いする機会がある。はじめのうちは、喋っている「言語」が違っていて苦労した。喧々諤々のなかで、お互いに対話ができるようになるまでには、かなりエネルギーを要したが、いまでは円満な関係を保っている。

IT産業の実態は、ITゼネコンだ。大会社になればなるほど、中枢部分では、営業と指示書書きに特化していて、実作業は下請丸投げである。

建設業では、建設業法によって元請には一定の管理責任と丸投げ禁止規定があるが、建設業に比べてはるかに若い産業であるIT産業では、注文だけ取って来て、100%他社任せというペーパーカンパニーのような例がゴマンとあるようだ。

顧客としては、SEが聴きとってプロジェクトが開始されているのだから、一部作業は他社に出していたとしても、作業の上流部分で顧客の発注意図を理解し、作業の最下流の部分で、きっちり検査する力量を望む。

しかしながら、実態のところは、実業務に即した検査をするのには、かなり限界がある。基本的に顧客業務に疎い、異種の専門職だからである。

異種の専門職だからゆえ、顧客側として要望したことが設計書になって上がってくると、トンデモない代物になっていることがある。始めは、これが堪えた。業務の基礎知識を欠くSEが、生半可に聴き取りをすると、顧客の言っている内容が消化できないどころか、誤った仕様を創ってしまう。

これは、プログラマとしての知識よりも、むしろ、相手の発言の真意を理解してドキュメント
に作り上げていく、ビジネスマン的な素養としてのコミュニケーション能力の欠如に問題があるのだが、実態は、「人によって、かなり素養に差がある」という気がしている。

顧客側の自衛手段として、トンデモない作業をされないよう、難解な専門語で書いてある設計書を、読めもしないのにチマチマとチェックする羽目になる。大きなシステムでは、一度開発に着手すると、手戻りが利きにくいので、プログラミングに着手する前のチェック作業には、手が抜けない。

業務を理解してもらえなくても、トンデモない設計書を書かれても、慢性的な人不足のこの業界、とにかく仕事をやっていただかなければならないので、円満にお付き合いしていかなければ致し方ないのであろう。

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2008年4月 6日 (日)

【読書】いじめるな!(香山リカ・辛淑玉、角川書店)

このところ、社労士の勉強と、地域活動で結構煮詰まっていたので、きょうは、気分転換に読書にいそしんだ。

いじめは、社会病理現象だ。社会の矛盾が、子供の弱者叩きに現れている。だから、現実を直視して改善していかない限り、同様の現象が、いつまでも起こり続ける。

いじめは、差別でもある。権力者は、差別を巧妙に利用してきた。江戸時代の士農工商の身分制度をはじめとして、民衆が蜂起しないように、民衆の力を分断して支配してきた。

日本の近代史を振り返ると一貫して、個人が何かを主張することが求められない社会だったのである。それゆえ、日本が欧米諸国に追いついたとき、求心力を失った個人は、「生きがい」を見失ってしまった。

同調圧力が強いこの社会ではあるが、変化の兆しはある。没個性的な個人をつくる教育は、すでに限界に来ている。

「多様性とか国際化とは、不愉快でも、嫌いな奴と何とか一緒に生きてゆくこと。顔も見たくない奴と一緒に生きてゆく空間を作ってゆくこと。調整力を持つことであり、その基本は、不愉快も嫌いも含めて、受け入れること」だという。

自由だとか個性とか言われるが、真に実現しようとすれば、大変なことなのだ。でも、進むしかない。

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2008年4月 3日 (木)

【読書】続ける力 仕事・勉強で成功する王道(伊藤 真、幻冬舎新書)

続ける限り、「負け」はない。

著者の伊藤さんは、司法試験の受験指導を27年にわたり行ってきた。変化を求める世の中だからこそ、続けることに価値があると考えてやられてきた。

将棋の羽生喜治さんは、才能は一瞬のきらめきではなく、同じ姿勢で、同じ情熱を傾けられることが才能だという。「継続できる情熱」が長い目で見ると伸びるのだという。

ゆっくり急げ。他人と比べても意味はない。人はみな固有の条件の中に生きている。

ゲーテは、「人間は、努力する限り迷うものだ」といったそうだ。本の中のその引用が、わたしには印象的だった。

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2008年4月 1日 (火)

フレックスタイムの元祖、武田信玄

これも同じく、出典は、「将の器、参謀の器」(PHP出版)

「朝出勤するときに、家庭内で何かもめごとがあって解決しない間に城に出てくれば、一日中その人間は仕事に身が入らない。そのことによって、もし出勤が遅れるのならば、昼からでもよい。城の仕事場に悩み事を持ち込まないように、まず個人的な悩みを解決することの方が先だ。」

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武田信玄の実証主義

以下の出典は、「将の器、参謀の器」(PHP出版)

部下が案を出すと、信玄は、頭の中で終わらせることは決してしなかった。必ず実行させた。

「実行してみなければ、その案がいい案か悪い案か判断できない」

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【読書】わかりやすく説明・説得する技術(小野一之・PHP文庫)

この本は、最新刊の文庫で、たいていの本屋の店頭で買うことができる。単なるハウツー本かと思いきや、口下手・説得下手だったという著者の苦労の跡が垣間見え、非常に参考になった。

心に残ったフレーズを、そのまま書き記す。

●相手が納得しない説得は、説明以下。
●価値観をぶつけあってこそ、新しいものも生まれる。
●傲慢さは、コミュニケーションにおける最大の障害。
●少々の欠点や考え方の違いには、目をつぶり、良いところを探す「心の広さ」を持て。。
●相手の言葉を途中で遮らない。
●人間の記憶力には差がある。大事なことは、繰り返せ。
●意見は、ぶつかるのが普通。それを調整していくのが説得だ。
●こちらから分かろうとしないと、相手は逃げてゆく。

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2008年3月19日 (水)

公務員クビ!論(中野雅至、朝日選書)

著者の中野さんは、あらゆる公務員を経験した、異色の人である。

奈良の大和郡山市役所に在籍中、国家公務員Ⅰ種試験に合格し、厚生労働省のキャリア官僚に転進。国の出先機関と霞ヶ関の両方で働く。また、国家公務員からの出向として県庁にも在籍したことがある。

ちなみに、今は、兵庫県立大学教授という、「教育公務員」でおられる。

著者は、公務員には「受難の相」が出ているという。累積する財政赤字や高齢化の進展を考えると、「成長産業」であるとは思えない。

また、どれだけ強大な権限をもっていても、公務員機構は、民主主義社会では正当性を持たない。巨大な公務員組織を有効に活かすのは、有権者に選ばれた、政治の力量だと思う。

というわけで、道路特定財源制度は、政治の力で一般財源化するべきだ。

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2008年3月18日 (火)

「かけがえのない彼」に育てる10のポイント

婦人公論のなかで、この記事も面白かった。作家の井形慶子さんの記事。

井形さんは、イギリス人男性と1年半ほど過ごしたことがあり、彼と生活をともにするなかで、「男と女の関係は、つくっていくものだ」と言った。また、感情を隠さず泣く彼に向かって、「男はめったなことで泣くものではない」と井形さんは言ったところ、「どんな感情も分かち合ってこそ、カップルじゃないか」と返されたという。

そのような経過があって、井形さんは、求める理想を備えた男性は、まずいないので、せいぜい8割クリアしていたら「御の字」と思うようになった。

彼との関係を放棄するか、しないか。放棄しないと決めたのであれば、二人の関係を育てていく努力をすることを、井形さんは薦める。

具体的には、話し合うこと、行動することが大事だという。旅行や買い物を一緒にすることで、自分が大事にしていることや価値観、それに基づいたお金の使い方などが、説明するより伝わりやすい。

自分の気持ちを伝え、楽しいことを一緒にやることが、2人の関係を育てていくうえで、大きな両輪になるという。

この記事は婦人雑誌なので、女性読者に向けての書き方であるが、男性にとっても、まったく同じことが当てはまるのであろう。

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2008年2月25日 (月)

【読書】ニッポン・サバイバル(姜尚中著、集英社新書)

著者は、1950年生まれの56才。「在日」の政治学者だ。「朝まで生テレビ」の出演者として見かけたことがある。

この国で、しなやかに、したたかに、そして「まとも」に生き残っていくためにはどうしたらいいのか、という点についての問題提起の本である。手立てとなるヒントとして、仕事や友人、恋愛やお金、国際政治のトピックなども取り上げた。著書を読むのは、はじめてだったが、面白く読めた。

いろいろ印象に残った言葉があるが、その中から、2つだけを挙げる。

ひとつは、自由と安全についてである。

自由を守るために安全を強化すること自体が、自由を否定するという自己矛盾に陥る。
さらには、自由を否定することは、社会の免疫力を無くすことでもある。本来、自由な社会というのは、絶えず社会の中に予測不可能なノイズが入ってくるものであり、それを内側に取り込むことによって、社会が強くしなやかになっていく。不安のない自由はない。

もうひとつは、仕事についてである。

かつて仕事は何か神聖なものだという思いがあったけれど、その感覚はもはや幻想にすぎない。人生とはもっとさまざまな側面を持っているし、もっと広がりもあるし、深みもある。仕事はその中のひとつの要素にすぎないと考えるべきだ。

非常に感じるところがあった著者だったので、他の著書も読んでみたいと思った。

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2008年2月21日 (木)

【読書】東京マラソン(遠藤雅彦、ベースボール・マガジン社新書)

昨日も書いたが、東京マラソンの運営者が書いた本を読んだ。著者は東京都の幹部職員で、第1回東京マラソンの組織委員会事務局次長として、マラソン大会の成功に尽力した。

東京マラソンのきっかけの一つは、かの有名な小出監督の一言だったという。石原都知事と会ったおり、「マラソン大会を開いて、銀座通りを走らせてほしい」と言ったそうだ。その一言から、多くのランナーや陸上関係者にとって長年の夢だった、東京での大規模な市民マラソンが動き出した。

ワールドマラソンメジャーズと呼ばれる、世界の著名なマラソン大会は、世界記録を産み出す高速なコースである。例を挙げれば、野口みずきや高橋尚子が自己記録を出したベルリンマラソンがある。同時に、数万人の市民が、プロ選手が走る同じコースを、のんびりと走る。

都市型マラソンは、競技性と娯楽性を兼ね備えた大会なのであるが、いまだかつて、日本には、このような大会は存在しなかった。

東京マラソンでは、制限時間が7時間に設定された。石原都知事がニューヨークマラソンに視察に行ったときに、現地で一人のランナーが「東京マラソンの制限時間は、7時間にして下さい」とお願いした。ランナーの直訴が、知事の決断を後押ししたと著者はいう。

交通規制を長くすると、都心の交通に大きな影響を与えるが、大会運営上は、97%以上の完走率は、リタイヤ者をゴールに輸送する数が減る効果を与えた。さらには、東京だからこそ可能な「技」として、リタイヤ者を公共交通機関で輸送するという手段も用いられた。た。

選手として走ってみて思うことは、数万人の市民が走るということは、スタート地点とゴール地点では、並みの収容力では対応できないという事実だ。

東京マラソンのスタート地点には、スタート前に大量の人が集中する。日本一の駅である新宿駅に近い都庁がスタート地点であるからこそ、混乱なく対応できた。また、走り終えた後のゴール地点にも、人が滞留するので、巨大なスペースが必要になるので、東京ビッグサイトの広さの土地が必要になる。

現状の物理的条件では、これ以上人数を増やすことは難しいようであるが、さらに参加人数を増やすことも検討されていて、石原都知事は「ゆくゆくは、5万人のマラソンにしたい」と言っている。諸外国のマラソンで取り入れられている、時間をずらしたり、場所を複数にするなどの方法も、あり得るだ。2回の成功によって、来年は、ますます人気が上がるだろうから、もし可能であれば、参加人数が増えればうれしい。

東京マラソンは、東京が持つ都市の力を見せ付けた。都市インフラ、住民のスポーツへの理解、ボランティアを含めた運営能力の高さ、などの総合力が問われた。ロンドンマラソンを成功させたイギリスが、オリンピックの招致に成功したように、東京は、2016年のオリンピック招致を目指している。大規模スポーツイベントの成功は、オリンピック招致活動にプラスの影響を与えるだろう。

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2008年2月20日 (水)

東京マラソンの舞台裏

いま新書で、「東京マラソン」という名前の本が出ている。

第1回の東京マラソンを事務局の舞台裏で支えた都職員の著作だ。きょうは、感想を書く時間がないが、よく考えられて運営しているなあ、と思った。

読んでいると、週末の感激が再びよみがえってきた。

明日以降、時間を見つけて感想をUPしたいと思っている。

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2008年2月16日 (土)

【読書】嫉妬する人、される人(谷沢栄一、幻冬舎文庫)

「人間性をとことん煮詰め煎じつめたら、最後にどす黒い嫉妬の塊が残る」
「人間は息をひきとるまで生涯をかけて、私を認めてくれ、私を認めてくれと、声なき声で叫び続ける、可憐な生き物なのだと思われる」

この本の一節である。

しかしながら、筆者は同時に、こうとも言う。「文明は嫉妬によって作られる」
人間が持っているもっとも暗い衝動、感情があるからこそ、文明は発達するのだという。

もっとも基本的な衝動は強力なものだから、それが良い方向に昇華されれば、人類の進歩のためのエネルギーになるであろうし、特定の恨む個人に向けられたら、相手を社会的に抹殺するだけのパワーを持つことになる。

人に恨まれないような生活を心がけなければ。本当に恨みはこわい、と改めて感じた。

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2008年2月13日 (水)

【読書】それでもぼくは走り続ける(永井 恒、静岡出版社)

注文していた本が手に入ったので、さっそく読んでみた。

永井さんは、自分自身を「走る鈍行列車」だという。「鈍行列車でも、休まず走り続ければ、いつしか思いもよらぬ遠くへたどり着くことができる。だから、自分の可能性を信じる」と書かれている。

また、生きていくことは、順調に年を重ねることではなく、様々な挫折を乗り越える力なので、「雑草のような強い心を持ったランナーでありたい」と書かれている。

この2つの部分を読んで、感動を受けた。

「ろうあ者」には、走るにあたって、不便がある。「ろうあ者」は声を発して会話しない。だから、肺活量が大きくならず、平均して中学3年でも小学4年ほどの肺活量しかない。また、大会でも、スタートのピストルが聞こえなかったり、スタート時間の変更やコースの誤りに気づかないことなどがある。

このようなハンデのある永井さんだが、大会で走るときには、ほぼ必ず救急車の準備を依頼する。それほどに、追い込んだ走りをする人なのだ。その結果が、フルマラソン2時間30分代の大記録として結実している。わたしには、とうてい真似できない。

さらには、永井さんは、世界55か国をひとりで旅している。好奇心旺盛で、エネルギッシュな人でもある。

小児がんを宣告された息子さんに勇気を与えるために、再び走り始め、10年かけて、全都道府県での大会参加を成し遂げられた、永井さん。まだ52才の若さである。今後も更なる活躍を期待したい。

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2008年2月10日 (日)

【読書】定年後の8万時間に挑む(加藤 仁、文春新書)

おもしろい本だった。一読の価値がある。

著者は、ノンフィクション作家として25年以上にわたり定年退職者3000人を取材した経歴を持つ。定年後の余裕時間は8万時間。現役で働いている時間と同じなのだそうだ。

職場を去る日は、必ず訪れる。しかしながら、サラリーマン時代の発想を引きずって過ごしている人が多いのではないか、もっと大胆な時間の使いかたを考えよう、という問題提起である。

一朝一夕で、会社勤めと違う生活になじめるものではない。自立型ライフスタイルをモノにするためには、動きながら試行錯誤する過程と、その準備期間が必要だという。この本には、様々な「試行錯誤」の事例が出ており、非常に良い示唆を受けた。

いくつか、印象に残った事例を2つほど示す。

【1】東京都杉並区にある、NPO法人「知の市庭」(ちのいちば)

http://www.chinoichiba.net/

コミュニティの創生を果たすために、生涯学習としてお互いが研鑽する必要があると考えられたので、生涯学習を支援するツールとして、パソコンとネットワークを活用した。

「知のリサイクル」、すなわち、生涯学習の場で消滅してしまっていた講演内容を、テープ起こしして、ネットで発信するなどの活動をしている。

「卒業研究」のテーマとして考えているアプローチに、比較的近いので、関心を持った。

【2】人生の始末を専門家のネットワークで解決する

http://jinsei-iroiro.jp/

高齢社会を見すえると、「人生の始末」にまつわるトータルアドバイザーが求められていると考えられたので、税理士、司法書士、行政書士、フィナンシャルプランナーなどの専門家をネットワークして、相談窓口に届く「人生の始末」に対処しようとするもの。

もう少し若い人を対象にして、中年期・熟年期における「危機の始末」ができる、専門家ネットワークが出来れば面白いのではないか、と感じた。

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2008年1月13日 (日)

プリンセス雅子の真実

「プリンセス雅子の真実」の原書を読んでおり、今で全体200ページの3分の1ほどを読み終わった。「自由からの逃走」に比べたら、文法がシンプルで読みやすくて助かる。

著者は、オーストラリア人のジャーナリスト。日本語への翻訳にあたって、宮内庁から圧力がかかり、出版元の講談社が対応せざるを得なかったという、いわくつきの本である。

男女同権の現代社会にあって、外国人からみた皇室は、中世の皇帝制度を色濃く残した奇妙なものに見えるようだ。

原書では、中世の残滓たる制度も含めて、淡々と書かれているが、これがおそらく保守派には受け容れられないものなのだろうなあ、と思った。

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アマゾンから中古本届く

アマゾンに発注していた中古本「天才の通信簿」が来た。洋書のペーパーバックと違って、ポストに入る大きさなので、きょうの不在時に配達されていた。

本の程度は良い。今後も使えそうだ。絶版になった本が中古で手に入るなんて、ありがたい時代だ。

あしたは1日休みなので、読書にいそしもう。

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2008年1月 5日 (土)

天才の通信簿

先日、会食をしていると、エジソンの子供時代の話が出た。

エジソンは、天才だったゆえ、規律の厳しい学校教育の枠にはまらず、今でいう登校拒否に陥った。しかし、母親が優れた人で、エジソンの興味の芽を摘まずに伸ばす方向を考えたので、最後には、才能を開花させることができた。

その話を聞いて、「天才の通信簿」という本を思い出した。

かなり前に、「いのちの電話」の運営に関与されているかたが書いた某書を読んだとき、エジソンの幼児期の話題が出ていた。その話題の出典が、「天才の通信簿」という本だったことを思い出した。

ネットで検索してみると、過去には文庫本があったが、ずいぶん前のことで絶版になっている。ありがたいことに、今は中古本をネットで入手できる。ここでもアマゾンのお世話になり、中古の文庫本を発注してみた。

エジソン以外にも、他の天才の幼児期のエピソードも読めるのかな。到着を楽しみにしておこう。

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2008年1月 3日 (木)

【読書】父親の力 母親の力 ~「イエ」を出て「家」に帰る~(河合隼雄、講談社α新書)

河合氏は、日本にユング派心理療法を確立した、臨床心理の世界での大御所。文化庁長官もつとめられた。(先ごろ、亡くなられた)

日本の家族は、個人主義の浸透によって、伝統的家族観が自壊するなかで、次のモデルが見出せずにいる。この本は、河合氏なりの問題意識で、どのようにすれば、家族が復元できるのか、という視点で書かれた。

副題の「イエ」は、伝統的家族観、「家」は、これから造る家族観を示している。

男性が、会社に忠誠を尽くさなくなって、今度は家族のことを真に大事に考えるようになったのか。自分が外でうまくいかないから、家族に向かっているのではないか、という厳しい見立てだ。

一方で、女性にとってみれば、伝統的家族観のなかで、苦労という苦労はみんな女性に押し付けらてきたのではないか。その反動で、女性の自立意識があまりにも強くなったのではないか、という見立てだ。

西洋では、個人主義の伝統が連綿とある。西洋の一夫一婦制は、個人が孤立してバラバラになることに対するセーフティネットとして、「夫と妻は一生添い遂げる」という束縛を、文化として築いてきたともいえる。

一方で、日本では、近代民法を導入する前は、「イエ」が、個人が孤立してバラバラになることに対するセーフティネットとしての役割を果たし、一夫多妻、離婚に寛容な文化など、比較的自由な結婚制度を採っていた。伝統的家族制度が瓦解してしまったら、無になりかねない。といって、昔の制度に戻ることは、ありえない。矛盾の中にいる。

河合氏は、どうすればよいと考えているのか。

個人が孤立しないような「精神的安定」の安全弁として、ファンタジーが必要だといっている。それは、家族かもしれないし、宗教かもしれない。つまり、個人の精神的安定を支える、個人の上位概念としてのファンタジーだ。

何だかんだいっても、家族論の本は、

「近代合理主義、個人主義では、精神的安定は得られないので、家族らしきものは必要だが、何が必要かはよくわからないよ」

というところに落ち着いているような気がする。だれも、答えは分からないのだ。

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2008年1月 2日 (水)

【読書】レバレッジ人脈術(本田直之、ダイヤモンド社)

正月早々、面白い本を読んだ。

「人脈に勝るパーソナルキャピタルはない」のだそうだ。現在人脈は、仕事の流れのなかで出来るが、未来人脈は、「個人ブランド」をベースに、意識して作っていかないと、作ることができない、ともいう。

そうだなあ~と感じ入った。

まずは、「個人ブランド」を作ること。そのためには、魅力的なプロフィールを書いてみることが重要だという。

また、人脈の形成は、時間をかけて、ギブ&テイクというケチな了見でなく、相手に「何が貢献できるか」という視点で、アプローチしてみることが重要だという。

私が非常に興味を惹かれた点は、「レバレッジ・ネットワーク」の重要性だ。

つまり、ミッションを絞り込んだ「会」を立ち上げる。定期的に、同じマインド・方向性の仲間が集まって意見交換したり、ときには厳選された新しいメンバーを入れる。そうすることで、化学反応のように、いろいろなプロジェクトが生まれ、お互いが刺激しあうようなネットワークが形成されるという。

なかなか面白そうだなあ、と思った。

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2007年12月31日 (月)

【読書】学歴社会の法則~教育を経済学から見直す~(荒井 一博、光文社新書)

大晦日のきょうも、変わりなく平凡な一日である。

この本は、副題が面白そうだったので、買ってみた。

著者は経済学者で、学歴社会には法則があるという。たとえば、大学に入学させるための教育を「投資」に見立てて、収益率を測定してみる。すると、非常にハイリターンな商品なのである。直接の便益で、年率6%。医学部に至っては、年率17%!世の親たちが、子弟をこぞって進学させようとするのは、経済合理性があるのである。

問題は、投資には資金と意思が必要なことであり、高収入で(教育に意欲の高い傾向が強い)高学歴の家庭から、高学歴者が再生産されることにある。奨学金制度の強化など、世代を超えた格差の再生産にならない配慮が求められるところだ。

次に、著者は興味深い考察を行っている。「いじめ」を経済学で解決する、とある。

いじめは、クラスなどで作られる非公式なグループが主導するので、
 1 グループに参加する便益を小さくすること
 2 グループに参加する費用を高くすること
 3 グループを破壊すること
が重要だと説く。

そのためには、学校側は、個々の生徒の活動だけでなく、生徒のグループを十分に監視することが重要である。上記の3点を実現する方法として著者が提案しているのは、
 1 校長や教師が、いじめが悪であること。とくに、集団によって特定の個人をいじめる
   ことは、人間として最も卑劣な行為であることを、論理的に徹底的に教える
    (コストはかからないが、非常に絶大な効果が期待できる)
     ⇒参加便益の最小化、心理的費用の最大化
 2 グループの解体
    (リーダーに対する懲罰、メンバーに対する個別の引き抜きetc)

要は、インフォーマルグループに属することに対し、学校側が心理的にプレッシャーを与えつづけて解体に追い込むことが必要なのだろう、と私は読んだ。

「差別はいけません」「いじめはいけません」とプレッシャーを感じないやりかたで、唱え続けているだけでは、問題は改善しないのだ。 

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【読書】「話し方」の品格~「品のいい人」になれる10か条~(福田 健、アステ新書)

著者によると、品格のある話し方とは、「相手を思いやる」「他人の痛みがわかる」「相手の視点にたって考える」などが、話し方を通して実現できる人なのだそうだ。要求水準が、高いなあ。

本のなかで、気になった部分を抜書きしてみる。

●人には、人を思い通りに動かしたいという支配欲がある。人のうえに立つと、支配欲が強くなるために、自分のいうとおりになる存在として、相手を見てしまう。

●説明の仕方にも、品がある。説明の難しさを認識したうえで、饒舌を避けること。

●ほどよさが説明の品位を保つ。

●謙遜も度が過ぎると品が落ちる。度が過ぎると、「謙遜は最大の自惚れ」

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2007年12月30日 (日)

【読書】団塊漂流(海江田万里、角川oneテーマ21文庫)

民主党衆議院議員である氏の著作を読んだ。国会議員になる前から、評論家として経済には詳しい。

この本で改めて、民主党の年金改革案を読んだ。
「なかなかよい」のではないかと思って注目している。

基礎年金の国庫負担率を3分の1から2分の1に引き上げる財源がないということで、消費税引き上げなどが検討されているのだが、民主党案は、低所得者の基礎年金は「全額国庫負担」とし、高所得者の基礎年金は「なしにする」というものだ。

(なお、年収600万程度~1200万程度の中堅所得者は、所得に比例して国庫負担を低減する)

この案は、低所得者に対する「セーフティネット」として機能するのが、大きな特徴だ。自民党は、民主党案を、実現可能性がないと批判したが、制度設計次第で、実現可能な案なのではないか、と思った。

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【読書】非属の才能(山田 玲司、光文社新書)

本屋でたくさん積んであって、タイトルが気になって買ってしまった。
年末に良い本が読めた。

著者は、漫画家であり、取材のために数百人に会って話しを聞いたことがあるという。「世界で最も多くの人に話しを聞いている漫画家」なのだそうだ。

●「空気が読めない奴」と言われたことがあるあなた
●まわりから浮いているあなた
●「こんな世の中おかしい」と感じているあなた
●本当は行列なんかに並びたくないと思っているあなた
●のけ者になったことのあるあなた

は、「非属の才能」があるのだそうだ。(わたしは、けっこう当てはまるなあ~)

日本社会に色濃くある「同調の圧力」に屈しなかった、「みんなと同じ」という価値観に染まらなかった人間は、才能の持ち主なのだそうだ。(才能を誇っていいのかな~)

学校は、同調圧力の最たるものなので、「非属の才能」は、まず学校嫌いに現れるという。「協調と同調は異なる」という著者のコメントに、まったく賛同する。

戦後生まれの親たちは、群れることで幸せを実感できる幸運な時代を生きてきた。「いかに良い群れに属するか」という親世代の価値観に対抗して、次の世代が呪縛から脱出するには、いったい、どうすればよいのだろう。

簡単な道ではないが、仮に孤立したとしても、個人個人が「個人主義」を発揮していくしかないのだろうな、と思う。

集団主義に毒された現状においては、かなり大変なことだが。

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2007年12月29日 (土)

【読書】人間関係が一瞬で変わる自己表現100(原 孝著、PHP文庫)

原さんの著書が面白かったので、PHP文庫でもう一冊買ってみた。

原さんの論旨は、感情によるリーダーシップの大切さである。

えてして、人は論理によって他人を屈服させようとするが、相手が納得して動かない限り、効果的なアウトプットは得られない。これは、会社だけでなく、非営利活動で協働する場合についても同じようにいえることだ。

わたしは、リーダーシップとは、いかに巧く論点を整理することかと思ってきたが(それも重要な点だが)、真に重要なのは、論理に感情と自己開示を乗せて、結果的に、相手が納得して動いてもらうことだと氏はいう。

かなり考えさせられた。思っているようには、なかなかいかないとは思うが、「気付き」が得られただけでも、一歩前進かな。

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2007年12月22日 (土)

【読書】その言い方では人は付いてこない(原 孝、PHP文庫)

よい本だった。論理的主張が重視される風潮のなか、真に重要なのは論理を生かす感情表現であることを、この本は教えてくれた。

社会貢献活動やボーダレス企業では、論理だけでは、多様な文化的背景を持つ人々を束ねられなくなってきた。感情表現を磨かずして、リーダーシップは発揮できない。
人間の行動力は、心がこもったとき最大になる。

感情表現を磨くために、ウマが合わない人をあえて選んで、自分を鍛えるべきであり、論理で動かない他者に対して、さらなる論理を動員して、屋上屋を架そうとする。

概略、以上のような内容だった。

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【読書】過労自殺(川人 博著)

※本文は、3月5日に書いたものの再掲である。

わが国の労働時間は、対外的には年1900時間前後ということになっている。これは、労働産業省の統計が、企業に対する調査であるため、「サービス残業」が数値に表れないためである。

もうひとつの統計として、総務庁が行う統計調査がある。これは、勤労者個人に対する調査であり、年2300時間前後である。つまり、400時間はサービス残業と考えてよいと書いてある。

諸外国からの「アンフェア・レイバー」との批判をかわすため、ダブルスタンダードを維持していると批判されても、致し方がないのではないか。

過労自殺は、わが国に特徴的である。外国では、労働を強化したら、「勤労者がサボってしまう」ので、自殺するところまでに至らない。日本においては、労働は美徳と言われてきた。しかしながら、働きすぎは美徳ではない。

著者は、過労自殺にかかわる弁護人として、数多くの現場を踏んできた。過労死事件の多くでは、会社側は「個人が悪く、会社は悪くない」といい、本人にも遺族にも冷淡な態度を取る。下手に同情すれば、雇用者責任を認めさせられ、「会社が負ける」と認識しているからだ。

わが国は、もう十分に金持ちだ。かつてのイギリスのように、資産の利子だけで食えるようになっているのではないか。このような先進国で、過労が常態化していることは、恥ずべき事態だと思う。

労働時間には、社会的規制が不可欠だと著者は説く。終身雇用制度によって滅私奉公を強いることによる競争原理を是正しない限り、ワークライフバランスなど、絵に描いた餅だ。

この時代に、ホワイトカラーエグゼンプションなど、逆行することをやろうとしている。本当にどうかしていると思う。もっとゆとりのある社会が必要だ。

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2007年12月21日 (金)

【読書】今年読んだなかで、わたしの行動と考えに影響を与えた7冊

今年も、あと10日。重点目標として読書を掲げたので、けっこう本を読んだ。
レビューしているものに限って数えても、約60冊の本を読んだことになる。
また、今年は、読んだ本は出来る限りレビューを作成して、ブログに残した。

1年の総まとめとして、まずは、今年読んだ本のなかで、自分の行動と考えに
影響を及ぼした7冊の題名を挙げてみた。さらに年末に時間があったら、7冊のエッセンスを記事にまとめてみたい。

<今年読んだなかで、わたしの行動と考えに影響を与えた7冊>

 ☆自由からの逃走(エーリッヒ・フロム、東京創元社) 07/10/27
 ☆人は「感情」から老化する-前頭葉の若さを保つ習慣術(和田秀樹、祥伝社新書) 07/06/10
 ☆シングル単位の社会論(伊田広行、世界思想社) 07/02/25
 ☆シングル単位の恋愛・家族論 (伊田広行、世界思想社) 07/03/11
 ☆内藤忍の資産設計塾(自由国民社) 07/07/22
 ☆環境保護運動はどこが間違っているのか(槌田 敦、宝島社新書) 07/06/26
 ☆過労自殺(川人 博著) 07/03/05

<今年の読書レビュー一覧>

◇社会学
 ●はじめての裁判傍聴(井上薫、幻冬舎新書) 07/11/08
 ●超少子化-危機に立つ日本社会(鈴木りえこ、集英社新書) 07/07/16
 ☆環境保護運動はどこが間違っているのか(槌田 敦、宝島社新書) 07/06/26
 ●持続可能な福祉社会-「もうひとつの日本」の構想-(広井良典、ちくま新書) 07/05/23
 ●幸福論 <共生>の不可能と不可避について(宮台真司・鈴木弘輝・堀内進之介、日本放送出版協会) 07/04/11
 ●情緒的自立の社会学(畠中宗一著、世界思想社) 07/03/26
 ●世界がわかる宗教社会学入門(橋爪大三郎、ちくま文庫) 07/03/23
 ☆シングル単位の社会論(伊田広行、世界思想社) 07/02/25

◇格差社会論/ロストジェネレーション
 ●勝手に絶望する若者たち(荒井千暁、幻冬舎文庫) 07/11/03
 ●下流社会第2章~なぜ、男は女に負けたのか~(三浦 展、光文社新書) 07/10/06
 ●ルポ最底辺-不安定就労と野宿(生田武志、ちくま新書) 07/09/02
 ●格差社会の世渡り-努力が報いられる人、報いられない人-(中野雅至、ソフトバンク新書) 07/06/20  
 ●若者を喰い物にしつづける社会(立木 信、洋泉社新書) 07/06/11
 ●働きすぎる若者たち-「自分探し」の果てに- (阿部真大、NHK出版) 07/05/20
 ●下流志向 -学ばない子どもたち、働かない若者たち-(内田 樹、講談社) 07/04/06
 ●格差社会スパイラル(大和書房、山田 昌弘、伊藤 守) 07/04/04
 ●難民世代 団塊ジュニア下流化白書(NHK出版、三浦 展) 07/04/04
 ●新平等社会-希望格差を超えて-(山田昌弘、文藝春秋) 07/03/22
 ●希望格差社会-負け組の絶望感が日本を引き裂く-(山田昌弘、筑摩書房) 07/03/21

◇ジェンダー論/家族論
 ●女たちのスウェーデン~仕事も子供もが可能な国に40年~(レグランド塚口淑子、ノルディック出版) 07/11/02
 ●男はつらいらしい(奥田祥子、新潮新書) 07/10/21
 ●家族と住まない家―血縁からくらし縁へ―(春秋社) 07/03/16
 ●家族のリストラクチャリング(山田昌弘、新曜社) 07/03/12
 ☆シングル単位の恋愛・家族論 (伊田広行、世界思想社) 07/03/11

◇コミュニケーション/メンタルヘルス/心理
 ●人間関係のしきたり(川北義則、PHP新書) 07/12/12
 ●100%人に好かれる「聞く力」(齋藤 孝、大和書房) 07/08/26
 ●和田裕美の人に好かれる話し方 -愛されキャラで人生が変わる!-(大和書房、和田裕美著) 07/04/16
 ●ツキを呼ぶ 聞く技術 ”聞具”(ぶんぐ)でチャンスをつかめ(中島 孝志、ビジネス社) 07/04/14
 ●やめたくてもやめられない-依存症の時代-(片田珠美、洋泉社文庫) 07/12/12
 ●労働ダンピング(中野麻美、岩波新書) 07/12/06
 ●疑惑と行動 マルクスとフロイトとわたくし(エーリッヒフロム、東京創元社)  07/10/31
 ☆自由からの逃走(エーリッヒ・フロム、東京創元社) 07/10/27
 ●人の心はどこまでわかるか(河合隼男、講談社文庫) 07/09/27
 ●働きすぎの時代(森岡孝二、岩波新書) 07/06/04
 ●やまない雨はない(倉嶋 厚著、文春文庫) 07/03/09
 ☆過労自殺(川人 博著) 07/03/05

◇ライフスタイル/NPO/地域活動/自己啓発法
 ●「超」リタイヤ術(野口悠紀雄、新潮文庫) 07/11/25
 ●40歳から「脳」と「心」を活性化する(和田秀樹、講談社α文庫) 07/11/24
 ●「老いじたく」成年後見制度と遺言(中山 二基子、文春新書) 07/11/16
 ●おひとりさまの老後(上野千鶴子、法研) 07/09/02
 ●六十歳で夢を叶えよう-仕事、趣味、家族、お金-(角川書店、河村幹夫) 07/07/16
 ●「人間嫌い」のルール(中島 義道、PHP新書) 07/07/14
 ●自分に酔う人、酔わない人(勢古浩爾、PHP新書) 07/06/25
 ☆人は「感情」から老化する-前頭葉の若さを保つ習慣術(和田秀樹、祥伝社新書) 07/06/10
 ●50歳からのいい人生の生き方(松原惇子、海竜社) 07/05/18
 ●日本人の死に時―そんなに長生きしたいですか (久坂部 羊、幻冬舎新書) 07/04/28
 ●NPOという生き方(島田恒、PHP新書) 07/11/03
 ●大人のための勉強法(和田秀樹、PHP新書) 07/12/14

◇政治経済/法律
 ●腐食の王国(江上 剛、小学館文庫) 07/10/31
 ●エスピオナージ(麻生 幾、幻冬社) 07/10/19
 ●資本開国論(野口悠紀男、ダイヤモンド社) 07/10/13
 ●挑戦 巨大外資(高杉 良、小学館) 07/09/30
 ●兵士に訊け(杉山 隆男、小学館文庫) 07/09/25
 ●働かずに毎年1000万円稼げる 私のFX超活用術(野村雅道、講談社新書) 07/08/19
 ☆内藤忍の資産設計塾(自由国民社) 07/07/22
 ●金融腐食列島【完結編:第1巻】消失(高杉良、ダイヤモンド社) 07/07/02
 ●とてつもない日本(麻生太郎、新潮新書) 07/06/22
 ●ゼロからわかる民法(川田昇、平凡社新書) 07/05/30
 ●インテリジェンス 武器なき戦争 (手嶋龍一・佐藤優、幻冬舎新書) 07/04/30
 ●小泉官邸秘録(飯島 勲、日本経済新聞社) 07/04/26
 ●投資信託にだまされるな! 本当に正しい投信の使い方(竹川 美奈子、ダイヤモンド社) 07/04/25
 ●構造改革の真実 竹中平蔵大臣日誌(竹中平蔵、日本経済新聞社) 07/04/24

◇ノンジャンル
 ●ネオ家事入門(朝日新聞社) 07/03/08
 ●走って、食べて、ヘルシーライフ!(谷川真理、PHP新書) 07/07/28

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2007年12月14日 (金)

【読書】大人のための勉強法(和田秀樹、PHP新書)

和田秀樹さんの本は、「人は感情から老化する」を読んで以来、注目している。今年3冊目を読んだことになる。

著者は、勉強について、これまでのライフサイクルモデルが通用しなくなったことを強調する。

つまり、過去においては、大学に入学するまでに懸命に勉強すれば、定年までの良い収入と、潤沢な年金生活が保障されたが、長寿社会になり、日本型年功序列型賃金制度も崩壊したなかで、「勉強は一生必要」だという。

また、他の著書にも同じ趣旨のことが書いてあるが、勉強は老化防止の有効な手段であるということも強調されている。

今回、改めて認識したのは、「復習の重要性」だ。復習の妙味は、かけた時間に対して得られるものが多いというコストパフォーマンスにある、とのことだ。復習は、けっこう楽しくないのだが、今後勉強するときは、復習することも心がけたいと思う。

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2007年12月12日 (水)

【読書】人間関係のしきたり(川北義則、PHP新書)

人間関係は難しい。

著者は、人間関係をできるだけ円滑にしようと、「相手に合わせる」ことはやめたほうがよいという。このくだりが序文に書いてあって、気になって購入してみた。「好かれようと思ってはならない」、「つきあいを絶つのも重要」、とも説いている。そうだよなあ、と思う。

40才のこの歳になって、「人と合わせすぎない」ことの重要性がわかってきたような気がする。「自分は自分、他人は他人」であることを、受け入れることができるようになってきた、ともいえる。このところ、人間関係がラクになってきて嬉しい。

もっとも、人はいろいろ、徹底的に嫌われているという人もいるにはいるのだが、生理的なものもあるので「仕方がないかな」とも思っている。

以前は、人に合わせようとして必死に喋っていたような気がする。最近は、沈黙が苦ではなくなった。

その他に、本のなかで、印象に残ったひとこと集
 ●良い人間関係を維持するには、「初対面のういういしさ」で付き合うこと
 ●陰口は、後で当人の前で言える内容にしておけ
 ●友人は無理に作る必要なし
 ●誰でも人から言われて変わるのはイヤだ。
   ⇒相手を変えようと思うなら、逆に「期待する人間像」を語れ。

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【読書】やめたくてもやめられない-依存症の時代-(片田珠美、洋泉社文庫)

著者の片田や氏は、精神科医であるとともに、神戸の私立大学で教鞭をとるとともに、精神科治療における安易な薬物療法に警鐘を鳴らしておられる。

競争社会に立ち向かうために、薬物を使用するようになる人々が増えている。とくに、成果主義が最も浸透しているプロスポーツの世界で、薬物乱用が多い。

以前、神戸市立中央体育館の主催行事として、五輪やサッカーW杯などのスポーツビジネスに関するセミナーを受講したとき、講師の先生が、興味深い話を披露してくれた。

「ドーピングがバレずに五輪に優勝できるが、その後に死に至る薬があれば、飲むか?」というアンケートをプロスポーツ選手に取ると、かなり高い比率のスポーツ選手が「飲む」と答える。それほどに、トップ大会での優勝は魅惑的なのだ。

エーリッヒフロムは、「自由からの逃走」のなかで、「自由の重圧に耐えられない人は、権威への服従を選び、自由を喜んで放棄する」といった類いの文章を書いている。

近代合理主義の結末として、我々は、自らの責任で人生を選び取ることができる「自由」を、かなり獲得した。でも、それは重圧だ。とくに、今は副作用の小さいドラッグが多数流通している。自由の重圧、個人主義の重圧から逃れんがために、薬物依存に走る傾向は止まらない。ちなみに、アルコール依存も、立派な薬物依存だ。

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2007年12月 6日 (木)

【読書】労働ダンピング(中野麻美、岩波新書)

本書の著者は、労働組合から派生した「日本労働弁護団」の要職を務める弁護士である。労働界における論客といったところか。

労働法は、資本主義社会の欠点を補完するための社会的規制である。つまり、強大な資本に対抗するために、個々の勤労者が団結して対抗するとともに、労働条件の最低基準として、「1日8時間労働」としての労働基準法などの法制がある。

労働基準法では、労働者供給事業は原則禁止されていて、ごく限定された専門分野のみで許可されてきたが、規制緩和によって、原則自由化された。ここに、非正規勤労者が経済競争によって正社員を駆逐し、全体の労働条件がダンピングされる構造が生まれた。

企業側が、転勤も残業もいとわずハードに働く者のみを高給を与える正社員として選別することは、間接的な男女差別でもある。育児や家事や介護にかかわる女性は、正社員のグループに居続けられないからだ。

日本は近い将来、深刻な労働力不足に陥る、と著者はいう。解決のためには、「同一価値労働、同一賃金原則」によって、パートや派遣など異職種であっても同一賃金を支払うシステムに変えなければならない、という。

労働は美徳だと思うが、過労は美徳ではない。サービス残業、過労死や自殺の多発は、先進国の体をなしていない。

民主党は、労働組合の組織内候補が多いとして批判されることが多いが、仮に、民主党への政権交代が実現すれば、企業よりの労働法制はかなり変わるのではないだろうか、とも思った。

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2007年11月25日 (日)

【読書】「超」リタイヤ術(野口悠紀雄、新潮文庫)

歴史の開闢以来、日本人の多くは、男も女も働くだけで一生を終えてしまっていた。だから、退職後の人生を持たない人が多かった。

江戸時代後半は、成熟社会であった。隠居は社会の厄介者ではなく、「道楽」に打ち込み、地域社会のなかでも重要な役割を果たした。一方で、武士は隠居生活を楽しめなかった。社会の停滞したことにより武士は実質的に失業してしまい、仕事に生きがいを見出せなくなったことが大きな要因だ。

いまは、江戸時代後半に似て、高度成長社会から停滞社会に入った。大組織の中で働く人々が、いまだに集団主義的価値観から抜け出せず、江戸時代の農民や町人のような自由で自主的な価値観を持っていないことが問題だ、と著者はいっている。

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2007年11月24日 (土)

【読書】40歳から「脳」と「心」を活性化する(和田秀樹、講談社α文庫)

和田さんの本は、「人は感情から老化する」が面白く有意義だったので、もう一冊買った。この本も、とてもよい。

前著では、人の活動の原動力の源は感情にあり、歳をとればとるほど、感情を刺激しつづける生活をすることが、老化を防ぎ、中高年が活力ある生活を送るために必要だ、という趣旨のことを述べている。本著は、前著とはまた違った切り口で、感情の劣化を防ぐための方法論を述べている。

感情の老化を防ぐための刺激の候補として、不確実性と、向上心を刺激する活動を挙げている。たとえば、勝負ごと、賭けごと、恋愛など。また、楽しめる勉強、やれば向上できる勉強というのも、老化防止に寄与するそうだ。

また、中高年になると感情の制御が難しくなるので、欠点を補うために、専門家や親友などの仲間に頼ることが大切で、仲間を増やすために、「出会い」と「打数」を増やすことを勧めている。

最近の自分自身を振り返ると、時間の使い方を多重化し、名刺配りの数値目標により、「出会い」と「打数」を増やすことに心がけてきた。ここまでは、大筋では老化防止に役立っているのだろうと思う。しかしながら、身体体験よりかは勉強に偏っているので、来年は、もっと直接的に感情を刺激するような、エキサイティングな体験をどんどんしていきたいと思っている。

感情というのは、実際に老化が進んでしまってからでは、多少刺激したところで、沸き立たなくなってしまうものなのだそうだ。著者いわく、40代は、なにが自分の感情をよく刺激してくれるかを探し、試す時期だという。

せいぜい感情を刺激するような生活をしたい。でも、感情が暴走して意固地な「老害」にならぬよう、周辺にいる頑固者の生態を他山の石として、そうならぬよう気をつけたいと思った。

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2007年11月16日 (金)

【読書】「老いじたく」成年後見制度と遺言(中山 二基子、文春新書)

「老いじたく」の文字に興味を覚えて、購入してみた。
著者は、成年後見制度の普及に取り組む弁護士である。

高齢者の悪質商法での被害が後を絶たない。老いて判断能力が低下しても、民法上の契約主体として完全な決定権を与えられている以上、契約は「本人の自己責任」である。詐欺的な契約であっても、合法の範囲であれば、契約の取消しは容易なことではない。

成年後見制度は、認知症など社会的弱者の権利を擁護するために2000年に新設された制度で、老いて判断能力が欠如したときに、第三者である後見人が後見事務(財産管理や生活・療養看護)を行うものだ。さきほどの悪質商法について言えば、後見人が契約を取消せる。

「老いじたく」として、元気なときに、成年後見制度の一類型である「任意後見制度」によって、後見契約を締結して後見人を定めておくことで、いざ判断能力が欠如したときに、速やかに後見契約が発効できるように、準備することを勧めている。

後見契約の主体としては、個人、法人どちらでも可能だが、社会福祉協議会(社協)が主体となる後見制度に興味を覚えた。地元の社協が運営する制度では、約60才になれば任意後見制度への加入が可能となり、加入後は、1か月1000円の支出で、月1回、社協の職員が自宅を訪れるシステムである。(これは、認知症になり契約を発効すべき状態か、チェックするため)

認知症の高齢者は160万人いると言われ、65才以上の6%、85才以上の4人に1人が認知症である。近い将来、判断能力が欠如する高齢者が大量に出現して、社会問題になることは想像に難くない。個人個人が自衛するとともに、社会的な対策も必要なのではないかと思った。

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2007年11月 8日 (木)

【読書】はじめての裁判傍聴(井上薫、幻冬舎新書)

以前にも書いたことがあるが、今年の春、刑事裁判を傍聴した。県が主催するセミナーの一環として、集団で地方裁判所に行ったことがある。そうなので、きょうの昼休みに本屋で見かけた、この本に手が伸びた。

著者は、もと裁判官で、昨年退官。本の著者紹介では、「司法行政の裁判干渉に抵抗し、裁判官の独立を守り抜いたことで知られる」とある。人事権をテコにした、最高裁の上位 下達システムが批判されるなか、スジを通した人なのだろうと推察する。

本書では、傍聴初心者に適した裁判として、 覚せい剤所持と道路交通法違反(酒気帯び、無免許運転)を挙げている。その理由は、事実関係が単純で、1日ですべてを傍聴できる可能性が高いからだという。

さらにステップアップしたい向きは、全体の1割に満たない「否認事件」を勧めている。ほんとうのドラマは、証人尋問/反対尋問の中にあるというのが、理由だそうだ。

ちなみに、わたしが傍聴した刑事事件は殺人事件で、弁護人は一貫して、事実関係は認めるものの、心身こう弱による減刑を狙っていた。証人尋問/反対尋問も見られ、かなり白熱した。傍聴後は、みな興奮ぎみだった。

あと、裁判所には法廷以外にも立ち寄りスポットがあるそうだ。安価な食堂、一般書店にない品揃えの本屋が、気になった。機会があれば、見学してみることにしよう。

文章が平易で読みやすく、いい本だったと思う。

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2007年11月 3日 (土)

【読書】NPOという生き方(島田恒、PHP新書)

「NPOが何か」ということを概観できる本である。

個人的には、これまで聞いてきた話が多かったので、さほど新しい情報は得られなかったが、本としては、比較的よく纏まっているのではないかと思った。

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【読書】勝手に絶望する若者たち(荒井千暁、幻冬舎文庫)

評論家的で、何を主張したいのか伝わってこない。読後感が残らない本だった。

本の趣旨は、年長者からみて理解しづらい若者の労働観を明らかにすることと、現代の職場が働きやすい環境かどうかを考察することにあるらしい。

たしかに、上記の2点について、考察が述べてある。若者には、独りよがりにならずに周辺との相関関係の中で居場所を見つけよ、管理監督者には、もっと考えることができるような職場環境を作れとある。しかしながら、そんなことは、本を読まなくても判る。この本は、明らかにハズレだ。

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Amazonから本が届いた

Amazonからの注文が届いた。

意外だったのは、ポスト投函ではなくて、宅配便で届いたことだ。ペーパーバックは分厚いので、メール便に仕立てることができなかったのだろう。それにしても、1500円分を購入すれば、送料無料で居ながらにして本が届くのは、すばらしいと思った。

所要期間は、2日間。かなりスピーディーだ。ネットでオーダーをすると、翌日の夕方には、千葉県内にある配送センターから発送され、次の日の朝には、こちらに届いていた。

きょうは1日時間があるので、届いたEscape From Freedomに挑戦してみることにしよう。

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2007年11月 2日 (金)

【読書】女たちのスウェーデン~仕事も子供もが可能な国に40年~(レグランド塚口淑子、ノルディック出版)

著者は、28才のときにスウェーデンに移住し、以来40年間スウェーデンで過ごした経歴の方だ。

スウェーデンでは、経済成長に伴う労働力不足に伴い、ジェンダーフリー化が推し進められた。これまで私事とされてきた育児・教育・介護を、今では公共サービスが担っている。その結果、男女おのおのが、経済的自立と時間的余裕を獲得することができた。

税や年金の制度は、約30年前に「世帯単位から個人単位」に移行し、結婚に伴う優遇は無くなり、結婚そのものが絶対的価値を持たない社会に変わった。わが国では、夫婦別姓制度に対して保守層から反対があるが、スウェーデンでは、双方の苗字でない「第三の性」を選択することすらできる。家制度の残滓が残る日本では考えられない開明さである。

スウェーデンの変化は、単なる女性優遇政策ではない。勤労者が経済的自立と時間的余裕を確保するために、個人の平等と権利が尊重されている。年次有給休暇は5週間。原則として残業はない。「同一労働・同一賃金」が徹底しているので、年功序列型賃金に名を借りた男性優遇の賃金体系はない。年休で休んでも「代理」が手当てされるという手厚さだ。

著者は述べる。「近代社会が目指してきたものは、個人の解放であり、福祉社会はそれを実現させてきた。人間が絶えず求めてきた究極の生き方ではなかろうか」と述べている。

わが国は経済的には先進国なのに、勤労者は残業ばかりで、ゆとりが生まれない。過労自殺も多発している。勤労者が、豊かさの果実を得られるシステムに変わらなければならないのではないか。

「労働は美徳」もほどほどにならければならないと思う。

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2007年10月31日 (水)

【読書】腐食の王国(江上 剛、小学館文庫)

鹿児島で、夕方の飛行機に乗るまで暇をもてあましたので、天文館の書店で、暇つぶしに買った本。江上剛の経済小説を久しぶりに読んだ。

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【読書】疑惑と行動 マルクスとフロイトとわたくし(エーリッヒフロム、東京創元社)

「自由からの逃走」に引き続き、同じ著者の著作にもう一冊挑戦した。しかしながら、この本は、わたしにとっては難しかった。パラパラと読んで、途中で断念。

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2007年10月27日 (土)

「おひとりさまの老後」大ヒットの理由

http://diamond.jp/series/brandnew/4/

ダイヤモンド・オンラインの記事。「おひとりさまの老後」(上野千鶴子)に対する書評。

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本の虫が動き出す

元来、本好きである。また、本好きが高じて、書くのも好きで、毎日のように、駄文をせっせと「日記」にしている。本は、読み出すと、あれもこれもと読みたくなる。出張で時間があったので、フロムの「自由からの逃走」を読んだことを書いたが、さらにもう2冊買ってきた。

1冊は、同じくエーリッヒ・フロムの「疑惑と行動」である。

フロムは、マルクスとフロイトの両名に大きな影響を受けている。ご承知のとおり、マルクスは資本主義を社会学からアプローチした社会学者であり、フロイトは、人間の潜在意識を明らかにした心理学者である。

フロムは両名の思想を統合して飛躍させた。研究の成果が結実したのが「自由からの逃走」などの一連の著作である。「疑惑と行動」は、なぜ両名の思想に深い関心を抱くに至ったのか、という思想的な自伝として描かれている。

もう1冊は、「女たちのスウェーデン」(ノルディック出版)である。

先日、伊田広行氏の講演を聞いた。氏の主張は、伝統的家族は性差別構造に基づくので壊れざるを得ない、との立場だと理解したが、このような急進的な男女共同参画は、保守派から、「伝統的家族制度・結婚制度を崩壊させるものだ」との強い批判がある。

一方で、戸籍制度がある国自体が、日本・韓国など世界でも稀少であるという事実もある。他の国では、かなり緩やかな家族制度・結婚制度でも、社会が支障なく成り立っていると想像される。

著者は、スウェーデンに長く住む日本人で、「仕事も子どもも可能な社会」を体験しているとのことで、興味を感じて購入してみた次第だ。

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【読書】自由からの逃走(エーリッヒ・フロム、東京創元社)

思うところあってフロムの名著を読んだ。得るところが多かった。

エーリッヒ・フロムは、1900年ドイツ生まれのユダヤ人。精神分析的手法を社会現象に適用する新フロイト主義の立場に立つ、社会心理学者。ナチに追われてアメリカに帰化する。「自由からの逃走」は、1941年の著作。

人類は、民主主義によって精神的自由と平等を得て、資本主義によって経済的自由を得たと思われている。しかしながら、自由は、拠って立つものが無くなることであり、不安や孤独と紙一重である。人は、自由の重さに耐えかね、権威に服従することによって、安定感を得たいと思うが、それは、自由から逃げ出すことだ。

ドイツでは、第一次大戦後の経済恐慌などの社会不安から、強者に依存する社会現象が起こった。これが、ナチである。一方で、わが国では、議会があるにも関わらず軍部の独走を抑止することができなかった。

個人が個人で立つことは、不安がある。人のこころの中に不安がある以上、民主主義的な社会制度であっても、独裁者が生まれる素地は残っている。不安を取り除くには、他者に服従・依存することではなく、不安に打ち克って、個人が個人であることを追及するしかない。

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2007年10月26日 (金)

鹿児島で本屋めぐり

鹿児島では、繁華街の天文館という場所に泊まった。時間があったので、周辺で本屋めぐりをした。

鹿児島には、神戸に本店のあるジュンク堂書店の鹿児島店がある。そこをぶらぶらとした。規模は、比べるべくもない小規模。小さなフロアが6つほどあり、梅田の旭屋書店本店のような風情で、1フロアを半分くらいにしたような感じ。神戸のジュンク堂本店での専門書の品揃えを普段から見ているだけに、明らかに見劣りがする。

もう一店、空港バスを下車したバス停のところにある、ブックジャングルという書店に行った。「南九州最大級の書店」なのだそうだが、いかんせん面積が狭い。こちらは1フロアで使いやすいが、大阪・神戸近辺の、ショッピングセンターの中にある書店とさほど広さが変わらない。

大型書店があることは、神戸にいれば空気のようなものだが、地方都市ではそうではないことを実感した。普段恵まれているんだなあ、と思った。

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2007年10月21日 (日)

【読書】男はつらいらしい(奥田祥子、新潮新書)

タイトルが目を惹いて、購入してみた。

著者は、わたしと同じ40歳の独身女性で、雑誌記事を書くジャーナリストである。男性の晩婚化、中年危機、家族関係などを主に書いているようだ。

この本には、いくつかのテーマがあり、ひとつに「結婚できない男たち」がある。

かつて、女性が結婚相手に求める条件は「三高」と言われたが、いまは、「3C」とか「3低」とか言うらしい。

ちなみに、「3C」とは、Comfortable(快適な暮らしができるだけの充分な収入)、Communicative(理解しあえる。すなわち所得・階層が似通っている)、Cooperative(家事に積極的協力)で、「3低」とは、低姿勢、低依存(家事を妻に頼らない)、低リスク(リストラなどに巻き込まれない)だという。

女性の経済的自立によって、かつての「3高」に比べて、結婚のハードルは、はるかに高くなった。さらに、ニューエコノミーの台頭によって、男性がほぼ独占していた正社員の職域が、女性に拡がっているのだから、そこから弾きだされた、非正規労働者の男性の結婚難は続く。

わたしは、結婚を絶対視していないので、晩婚化はただ単に現象としてしか捉えていないが、著者は、結婚に対して真面目に取り組まない男性は、人間関係全般について、傷つくのを恐れる傾向があるのではないかと評している。

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2007年10月19日 (金)

【読書】エスピオナージ(麻生 幾、幻冬社)

ひさしぶりにミステリーを読んだ。

麻生氏は、代表作の「宣戦布告」を読んで以来のファンで、いっとき、氏の著作を読み漁った。ひさしぶりに、本屋めぐりをして、気になって買ってみた。

今回は、ロシアのスパイを地道な尾行で負い続ける警視庁公安部の物語である。相手は、尾行点検に長けたプロ。

スパイ摘発の現場では、日本人の情報提供者と接触し、確実な証拠を得るまでに、きわめて長期の、水面下での膨大な裏づけ捜査をしていることが、この著作から伝わってきた。

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2007年10月13日 (土)

【読書】資本開国論(野口悠紀男、ダイヤモンド社)

内容があり、丁寧に読んだので時間がかかった。

この本は、日本の将来のために、外資の導入を強く訴えている。

このところの景気回復は、低金利政策により、家計から企業に200兆円もの巨額移転が為されたことによる。政府によって、格差是正策や成長促進策が打ち出されているが、対象療法的であり、効果について疑問視している。

つまり、グローバリゼーションの進展によって、富の源泉は製造業からサービス業部門に移っており、民間における人と資金を効率配分するためには、製造業と農業を保護する政策をやめ、外資の大胆な導入による「資本開国」が必須だと訴えている。

また、公共部門における金の問題については、財政改革について厳しく批判している。とくに年金問題は極めて深刻で、現状において清算を行うと仮定して試算すると、なんと800兆円もの欠損が生じるという。

巨額欠損に対する対策は、早期の給付削減以外の方法はなく、現行制度の修正によって制度を維持した場合には、重い社会保障負担によって、企業と個人の活力を著しく低下させることになるだろうと言っている。

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2007年10月 8日 (月)

「資本開国論」(野口悠紀雄)を購入

内容が多そうなので購入に躊躇していたが、連休に時間があると思って買った。
レビューは、読了後に別途。

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2007年10月 6日 (土)

【読書】下流社会第2章~なぜ、男は女に負けたのか~(三浦 展、光文社新書)

前作の「下流社会」が面白かったので、続編も購入した。

男性が下流化している。これは、情報化・グローバル化が急速に進展したことが大きい。
企業が大量の非正規労働者を求めるようになると同時に、男女の雇用機会均等が進み、男性正社員が女性に置き換わる現象が、急激に起きている。

わたしたちの一世代前は、高度成長期の波にのって、男性は、学歴社会のエスカレーターに乗れば、正社員として採用されることで生活階層が上昇し、女性は、経済的安定が保証された正社員と「永久就職」をすることで、生活階層が上昇した。

経済優先の代償として、男性は残業をいとわず働き、専業主婦は「内助の功」として、家事・介護・教育にいそしむ、性別分業の体制が構築されてきた。

しかしながら、現在は必ずしも経済優先の時代ではない。ニートから見れば、過重労働に苦しむ正社員は、魅力的に映らない。最低限の生活水準を維持できるのであれば、「正社員になりたくない」というのも、個人の選択なのであろう。

最近思う。人にとって、お金よりも重要なのは、余暇時間の使い方なのかもしれない。働くことは、生きるための手段にすぎないのだから。

非正規労働者の問題を椅子取りゲームに例えた人がいた。高度成長期は、10人の人に対して、椅子が9つある。そうなので、残りの1人に対して「努力が足りない」という批判が投げられる。しかし、現代は、椅子が5つしかないのだ。

社会が椅子を用意しないでおいて、椅子に座れないものを「努力が足りない」と言えるのだろうか。

個別企業としては、経済合理性にもとづいて人件費を下げるのは当然の行動なので、ニートが産み出す将来の社会的不安に対しては、社会保障として確実に対策を取らなければならないと思う。

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2007年9月30日 (日)

【読書】挑戦 巨大外資(高杉 良、小学館)

わたしは、高杉さんの本が好きだ。どの本も手抜きがなく、構成が立派で、経済ビジネスの現場を擬似体験させてくれる。

今回の舞台は、外資系企業である。主人公は、外資系企業の日本支社に、財務の最高責任者として30年近くも在籍した。外資にしては珍しい長期勤務のキャリアである。

外資系企業であっても、日本企業と同様のドロドロした側面があることが、本書ではよくわかる。日本支社に天下りしてくるアメリカ人トップの挙動、本社のボードでの経営決定、支社及び本社での妬み、足の引っ張り合い・・

今回も、楽しく読ませてもらった。読んで損はしない本である。

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2007年9月27日 (木)

【読書】人の心はどこまでわかるか(河合隼男、講談社文庫)

著者は、高名な臨床心理学者であり、日本にユング派心理療法を確立した経歴を持つ。

この本は、様々な臨床現場の心理士からの質問に答えたものを取りまとめたもので、やさしい文章で一般の人にも読みやすいものになっている。カウンセラーは、クライアントとの対話のなかで言葉を大事にする職業なので、書かれた本は、言葉がシャープで無駄がない。

この本も、まるで、実際に話しを聞いているように、シンプルな文章で書かれている。でも、奥は深い。

「人間の心は二律背反に満ちている」と著者は言う。カウンセラーは、二律背反に立ちすくんだクライアントに対峙する職業であり、からんだ問題を温め、あきらめずに立ち向かうことで、解決策が見えてくるという。

先日参加したセミナーで、ある先生が、「自己主張は生涯学習」と言われていたことを思い出した。他人は思うに任せない存在だが、少しずつ進歩していって、「自らを曲げず、相手も否定しない」ようなコミュニケーションに、少しでも近づけるようになればいいな、と改めて思った。

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2007年9月25日 (火)

【読書】兵士に訊け(杉山 隆男、小学館文庫)

本を読んだままになっているので、久しぶりに読後感想を書く。

本書は、自衛隊を構成する兵士を取材してまとめた、ルポルタージュである。好感を持ったところは、できるだけ、イデオロギーを反して、淡々と記述している点だ。

自衛隊は、巨大なサラリーマン組織で、「自衛隊は紙で動く」と揶揄されるように、官僚主義に毒された組織でもある。このような実態を現場で取材したので、兵士たるサラリーマンの悲しさのようなものが、よく描かれていると思った。

ちなみに、著者が、取材した現場は、航空自衛隊の航空基地、海上自衛隊の護衛艦、奥尻島のレーダーサイト、カンボジアPKOなどであった。

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2007年9月 2日 (日)

【読書】ルポ最底辺-不安定就労と野宿(生田武志、ちくま新書)

著者である生田氏は、大学在学中に、大阪・西成(釜が崎)の支援ボランティアに関わり、その延長で、大学卒業後20年間、釜が崎の日雇い労働で生計を立ててきた経歴を持つ。

日雇い労働は、日本経済の調整弁である。建設業での労働者派遣は法律では認められていないが、全国で釜が崎だけは特例として、手配師による労働者あっせんが認められている。

著者は、不安定就労の問題を、「いす取りゲーム」にたとえる。景気が良くなればいすは増え、不景気になればいすは減る。必ず一定数は、いすに座れない。世間は、いすに座れない人を「努力が足りない」という。

実は、このような不安定就労の構図は、建設業の日雇い労働者だけの問題ではなく、ここ10年ほどで急増した派遣労働も同じことだ。建設業の場合は、日雇い労働者が、釜が崎という一地区に集結していたが、派遣労働である日雇い労働者は、携帯電話で仕事を受け、各自で現場に直行する。野宿の場所は、釜が崎のような簡易宿泊所ではなくネットカフェである。

新たな野宿の形は、世間から見えにくくなっている。

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【読書】おひとりさまの老後(上野千鶴子、法研)

女性のシングルが独りで老後を迎える心構えを書き下ろした本である。

上野さんは、女性学研究のパイオニアとして著名な方だ。大学を退官する歳になり、上野さん自身が「おひとりさま」になる時期を迎えて、同じ状況になる(将来なる)女性たちに向けて書いた本であろう。

一般に男性は、仕事だけしていればよいと思っている。また、自らが家族を養っているのであるから、妻が生活の面倒を見てくれるものと思っている。女性の立場から見た介護問題、男性が死んだ後の離別シングルの状況などには、思いが至らないのではないか。

女性は、社会の安全弁として、夫、もしくは親の介護を担い、夫が死んだのちは、独りで生活しなければならない。現実にシビアである。(もっとも、このような負担を避けるために、非婚シングルを選択する女性も増えている)

「おひとりさまの老後」をエンジョイするためには、どこにどう住み、だれと付き合い、カネを準備し、どのような介護を受けるか、といったことが大きなテーマだ。

だれと付き合うか。年老いて最後に残るのは、友人のネットワークだという。ネットワークは維持するための手間がいる。わたしは、趣味の知人は増えたが、友人のメンテナンスは、余りやっていないなあ、と反省した。今後の課題にしておく。

また、住まいと介護は、非常にむずかしいテーマだ。しかしながら、この本の紙数では、あまり表現されていなかった。おそらく、そのテーマだけで本一冊分になるだろう。住まいと介護については、たまたま別の本を見つけてきたので、そちらを読みながら考えたい。

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2007年8月26日 (日)

【読書】100%人に好かれる「聞く力」(齋藤 孝、大和書房)

きょうは、久しぶりのオフ日だったので、昼から、本屋めぐりと読書にいそしんだ。この本は、新聞広告で見て買ってみたかった一冊だ。

齋藤さんは、「声に出して読みたい日本語」がベストセラーで、わたしは、この間まで、国語学者だと勘違いしていた。実際は、教育とコミュニケーションを専門とする学者である。

このところ、聞くことの重要性を痛感させられる出来事に、集中的に出逢っていることもあって、この本を選んだ次第である。

この本で、もっとも印象に残った部分は、「相手のコンプレックスを見極めること」の一点である。人には、触れられたくない弱点がある。必ずある。人が、その弱点に触れることは、地雷を爆発させることだ。人間関係というのは、つくづく怖い。

さらには、「相手のクセに合わせること」とある。これは、かなり高度な技量を要する。わたしのレベルでは、まだ難しいかもしれない。

まあ、教養書として、買って悪くない本だと思った。それでも、「プロカウンセラーの聞く技術」には遠く及ばないな。

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2007年8月19日 (日)

【読書】働かずに毎年1000万円稼げる 私のFX超活用術(野村雅道、講談社新書)

本のタイトルを見ると、「何と軽薄なんだ」と感じられるかもしれないが、内容は、けっこうマトモである。本書は、長期運用による資産形成を目的とした、FX(外国為替証拠金取引)の活用法について述べている。

外貨による資産運用としては、銀行の外貨預金が有名だが、外貨預金には大きな欠点がある。それは、交換手数料が非常に高額なことだ。たとえば、某銀行では、円からドルへの交換に1円、ドルから円への交換に1円を要求されるので、往復で2%のロスである。このような高額の手数料を課されると、運用利益は、すっ飛んでしまう。

しかも、外貨定期預金の場合は、中途換金の場合は、高額の違約料を取られるオマケ付きなので、為替相場が急変しても、臨機の対応が取れないという欠点もある。FXは、定期預金ではなく、短期資金取引なので、「いつでも解約可能」である。しかも、外貨預金に存在する銀行の「中抜き」がないため、高金利である。

外貨資金の運用には、為替変動リスクがあるが、そのリスクは「換金時の1回だけ」なので、高金利通貨を選んで運用し、長期間換金(円転換)しないようにすれば、高金利の効果が為替変動リスクを上回る。「もち続けることで、リスクを減少させる(また、常に解約できる)」ことを可能にしているが、FXの良い商品性だと思った。

さらには、FXは信用取引(レバレッジ)である。つまり、小額の保証金で、数倍の取引を実現できる。信用取引には、功罪両方ある。利益も損失も、倍率にしたがって倍化されるという点である。

この点については、「もち続ける」前提であれば、金利は、倍率にしたがって累積して倍化されるので、長期保有すればするほど、円高リスクは減少する。為替損失は、円転換の時期を見極めることで、最小化することができる。ただし、常に、為替差損の額は倍率にしたがって評価され、為替差損額が保証金でカバーできる限度を超えると、取引中止として強制的に損切りさせられる。(ストップロス)よって、高倍率のレバレッジを行うと、ストップロスの危険性が高まるので、注意を要する。

ストップロスにかからない程度のレバレッジに留め、長期継続的に金利を稼ぐ運用法を、この本では勧めている。

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2007年7月28日 (土)

【読書】走って、食べて、ヘルシーライフ!(谷川真理、PHP新書)

きのうのイベントで、参加者全員に、谷川さんの本をいただけたので、読んでみた。

本の前半は、谷川さんが走り出したきっかけ。後半は、初心者向けのランニング技術的な内容になっている。

谷川さんは、24才の春、同僚と、会社近くの皇居にお花見に行き、そこでランナーを見かけ、高校時代にやっていた陸上競技を再開しようと、決める。翌日からすぐに皇居を走り出し、4年後には東京国際女子マラソンで優勝。

休みの日には、サーフィンに通い、OL仲間との買い物と付き合いに高じていた、ごく普通のOL。毎日の生活に物足りなさを感じていた、普通のOL。その大きな変化は、まさに、シンデレラストーリーだと思った。

いまの世の中、努力が実るとは限らない。世知辛い。でも、ランニングは、かなりの部分、努力が実る。谷川さんは、そんなランニングが好きだという。

(実は存じ上げなかったのだが)谷川さんは、今でも現役。招待選手として、年間30回は呼ばれ、そのすべてに、手抜きせず走るという。

谷川さんには、これからもかっこいいお姉さんであり続けてほしいと思った。

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2007年7月22日 (日)

【読書】内藤忍の資産設計塾(自由国民社)

資産設計に関する本を読んだ。3冊シリーズになっており全てよんだ。非常に良くまとまっている良書である。この本では、株式の銘柄選択ではなく、資産設計(ポートフォリオ)に計画の80%を費やすべきだと説く。まったく同感である。

内藤氏は、金融資産のリスクを統計的手法をもって示す。たとえば、国内株式でいえば、1970年から2004年までの34年間の実績によると、標準偏差は23.4%なので、95.4%の確率で、下落幅は46.8%以下となる。いいかえれば、2割の損失でとどめようとすれば、国内株式の組み入れ比率を30%に抑えればよい。(46.8×0.3⇒20%)

リターンを重視すると、リスクも増加するが、「どこまで損を取れるか」「将来の必要資金から、どこまでのリターンを求めるか」によって、資産設計を定めることが重要であると説く。まったく同感である。

この本を読んで独創的だと思ったことが、リレー投資の考え方である。

たとえば、国内株式においては、インデックス投信が、運用コストが低くてそれなりのリターンが得られるが、類似商品としてETFがある。投資金額が増大すると、投信よりもETFのほうが管理コストが低いので、まとまった金額になれば預けかえるとよいとのお奨めだ。非常に良いアイデアだと思った。

同じことが、外貨MMFとFX(外貨証拠金取引)についても言える。つまり、FXは、為替手数料が非常に安いので、管理コストの面で極めて有利だが、まとまった金額が必要だ。そうなので、小額のときは、投信積立てなどの手段で外貨MMFを蓄積し、一定の時期でFXにスイッチする方法を薦めている。

リレー投資の考えは非常に参考になったので、資産設計に取り入れてみたい。

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2007年7月16日 (月)

【読書】超少子化-危機に立つ日本社会(鈴木りえこ、集英社新書)

少子化に、素直にアプローチした本である。読みやすく、本質を衝いていた。

諸外国に例をみない少子化問題の解決は、児童手当の値上げや、保育所の入所促進、育休の取得促進などの、個別対策だけでは対症療法的になる。旧来の家族制度の矛盾を一手に背負う女性は、いまや、結婚拒否、出産拒否という「ストライキ」「革命」を起こしている。

伝統的家族制度を、成員の平等を重視する家族制度に変革し、2000万円とも言われる子育て費用の相当部分を公費で負担するようにすること。職業生活においては、男の働きすぎの是正、女の高学歴専業主婦の労働力としての活用を進めるため、男性の意識改革と社会制度の変革が必要である。

著者と対談した伊藤公雄大阪大学教授は、「200年間の産業社会の終わりとともに、男性中心社会が終わる」という激烈なことを言っている。まさにいいえて妙。

伊藤氏も含め、2人とも論客である。2人の著書は、今後さらに読んでみたいと思った。

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【読書】六十歳で夢を叶えよう-仕事、趣味、家族、お金-(角川書店、河村幹夫)

複線人生の勧めである。

夢を実現させるには、時間がかかる。複線人生を歩もうとしたときに、夢の設計図を描く作業には、時間がかかる。だから、早く準備することを勧めている。その方法のひとつとして、著者が教える側に立った経験から、50才までに社会人大学院に行くことを勧めている。

著者は、男性の平均年齢が80才ということをマラソンに例える。1年を1kmとすると、以前は人生50年だったから、学校卒業から30kmを完走すれば、死を迎えることができた。しかしながら、人生は80年時代。学校卒業後にフルマラソンを走って、さらに、別のハーフマラソンを走るのが今の人生だ。おのずと、走り方が変わってくる。

著者は、50才代にNPOも設立している。社会起業家は、複線人生としての選択のひとつであり、余力があるうちに考えておくとよい、という勧めである。

「そうかもしれないなあ」と思った。NPOを維持するだけなら、年間7万円ほどの経費で足りるので、法人を維持するだけなら、数人の同士を集めれば、さほど難しいことはない。器を先に作ってしまって、走りながら事業内容を考えていく、というのも悪くないな、と思った。

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2007年7月14日 (土)

【読書】「人間嫌い」のルール(中島 義道、PHP新書)

著者は、重度の「人間嫌い」を自称する。

いまは60才になられるが、10年前の50才から「人生を降りる」行動を開始した。

著者は、「人間嫌い」のルールとして、次の点を挙げる。
 ●なるべくひとりでいる訓練をする
 ●したくないことはなるべくしない
 ●したいことは徹底的にする
 ●自分の信念にどこまでも忠実に生きる
 ●自分の感受性を大切にする
 ●心にもないことは語らない
 ●いかに人が困窮していても(頼まれなければ)何もしない
 ●「非人間嫌い」との接触事故を起こさない
 ●自分を正しいと思ってはならない
 ●いつでも死ぬ準備をしている

わたしに当てはめてみると、今の時点で、相当部分があてはまる。
わたしって「人間嫌い」だったのか。

もっとも、この本をよく読むと、個人が個人として、他人に押し付けず押し付けられずに生きることを、「人間嫌い」という単語で示していることがわかる。だから、自己実現のために社交的であっても「人間嫌い」であって、いっこうに矛盾しない。ただ、義理のためのコミュニケーションは、しないだけだ。

このかたの場合は、家族、職域、世間といった人間集団からの、意に染まぬ拘束は徹底的に排除しておられて、妻とはほとんど会話もなく、子どもも何しているか分からない、といった状態なんだそう。そこまで徹底できれば、超越していると言えるんだろうな。

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2007年7月 2日 (月)

【読書】金融腐食列島【完結編:第1巻】消失(高杉良、ダイヤモンド社)

あまりビジネス小説を読まないが、高杉氏の作品は、ずっと読んでいる。
構成が緻密で、いつも、どきどきわくわくさせてくれるからだ。

新刊が出たと新聞で見たので、さっそく今回も買い、一気に読んだ。

ストーリーはどこでも書かれていると思うので、ここでは書かない。
期待どおり、よい作品だった。

続編は10月に刊行される予定だそうだ。

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2007年6月26日 (火)

【読書】環境保護運動はどこが間違っているのか(槌田 敦、宝島社新書)

エコロジー運動を斬る本である。

まずは、リサイクルの批判。牛乳パックは、ゴミ焼却場で燃やすのがもっとも合理的だという。

その理由は、牛乳パックは、内部にコーティングが施されており、バージンパルプを取り出すのに労力がかかって、経済的に見合わず、資源(漂白のための化学物質、石油)を浪費するので、かえって非効率だという。もっとも合理的で効率的な方法は、燃やして熱を回収する(サーマルリサイクル)方法だと主張する。

自然物質には、廃棄物が資源に戻る循環がある。しかしながら、人工の化学製品をリサイクルしても、廃棄物が資源に戻ることはなく中途半端なサイクルを廻しているだけになっている。リサイクル可能であることが、かえって消費を促進してしまう側面もある。

もうひとつの指摘は、ボランティアの有害性である。古紙回収や資源回収を、自治体というボランティア組織が取り組むことになった結果、生業としている廃品回収業者を駆逐することになってしまった。

これは、わたしが以前にも書いたが、「ボランティアは、労働市場にとってはアンフェア・トレード」であるという点だ。(誤解のないように追記するが、ボランティアの善意を否定するものではない。)

資本主義社会における雇用は、労働を対価をもって提供することによって、守られている。ボランティアは、その原則を壊す危険性がある。だから、ボランティアが社会課題を解決するために無償労働を提供するときは、既存のマーケットを壊さない配慮や倫理性、慎重さが求められると思う。(例をあげると、寒冷地の「雪かきボランティア」は、冬場に仕事の少ない建設業者の副業として十分に成立する性格のものだが、ボランティアが介入することによって、ニュービジネスとしての可能性を奪っている)

この本は、エコロジカルなものの常識を疑う、という新たな視点を提供してくれた。

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2007年6月25日 (月)

【読書】自分に酔う人、酔わない人(勢古浩爾、PHP新書)

現代社会、自分に酔わなければ生きていけない、というのが著者の主張である。

人間には、自我がある。自我は、自己愛や自尊心を含むもので、フロイトは、これを「快感原則」と呼んだ。人は常にいい気分になりたい。このような本能的自我は、「酔い」に似ている。

くわえて、現代の日本では、資本主義的自我が過重される。資産、地位、権力、知名度といった社会的属性。さらには、人権、自由主義、個性主義などのプラスが加わり、自己の唯一性を他者に過剰に見せようとする。他人からの承認を得んがために、自我が膨張してゆく。

身分制度がなくなり、男女差別がなくなり、1億総中流となった社会は、人がオンリーワンであることを際限なく追求する世の中である。ある程度の「酔い」は、ものごとのモチベーションアップに必要なのだろうが、見苦しい「悪酔い」はしないようにしたいものだ。

自己分析してみると、わたしは「飲んで酔っ払っているが、顔色に出さないたち」だなあ、と思う。つまり、生活スタイルとして自分らしさを追及しているが、見せる相手は選んでいる。
たとえば、世間のしがらみを重視する人の場合、わたしの生活スタイルはかなり違和感があると思われるので、相手の物語、すなわち「酔い」を敢えて醒ますような無粋なことは、しないが得策だと思っている。

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2007年6月22日 (金)

【読書】とてつもない日本(麻生太郎、新潮新書)

昼休み本屋をうろついていたら、この本が平積みになっていたので、思わず手に取った。文章に引き込まれ、買った次第。

何度も書くが、安倍総理が初組閣したときに大臣の顔ぶれを見て、「安倍内閣は短命」というようにブログに書いた。松岡、柳沢の両大臣を任命したのは「どうかしている」と直感的に思ったからだ。そのとき以来、わたしは麻生氏が早期に総理に登板することを望んでいる。

文は人なり、という。この本を読んで、氏の蓄積の深さが身にしみ、ますますのファンになった。

あとは、実物の本を手に取っていただきたいと思う。感じるところがあるはずだ。

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2007年6月20日 (水)

【読書】格差社会の世渡り-努力が報いられる人、報いられない人-(中野雅至、ソフトバンク新書)

著者は、奈良県大和郡山市役所に入り、在職中に国家1種試験に合格し、労働省に入る。現在は退職し、兵庫県立大学教授。

日本人はみんな努力家で、ビルメンテナンスに従事する老人ですら、仕事の段取りを創意工夫する。このような特質は日本人の長所である。子供は、みな努力して大学に行き、学歴を身に付ける。しかしながら、学歴の効用は以前に比べて暴落し、高学歴が将来的安定を保証しなくなっている。

勝ち組の根拠はPR力である、と著者はいう。ポストバブル期においては、人と人とのつながりが希薄になったので、「見た目」以外では、商品・会社の実質を判断できない人が増えているからだという。鋭い指摘だと感じた。時代は、どれだけ努力を重ねても報いられることのない社会に移行しているのだ。

そのような現実を踏まえたうえでの処世術は、いかにあるべきか。

筆者は、「企業を徹底的に利用する」「企業を安易に辞めない」ことを提言する。さらに、世の中が入口主義から出口主義に転換してきているなかでは、社会の入口での受験勉強が成功を保証しないので、継続的な努力が求められるという。努力を継続可能とするために、好きなことを見つけろ、というのがもうひとつの提言だ。

この本は、創意工夫のない努力が報いられないことを強く示唆しており、独創的な切り口で、楽しく読むことができた。

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2007年6月11日 (月)

【読書】若者を喰い物にしつづける社会(立木 信、洋泉社新書)

なかなか面白い本だった。

わが国では、福祉の対象は高齢者に偏っており、その結果、苦境に立つ若者世代に対する支援が圧倒的に不足している。この本では、年長者世代に対する厚遇の是正を提起している。

年長者世代を厚遇するシステムの一部として、著者は住宅を挙げている。「持ち家信仰」によって住宅を手に入れたサラリーマンは、借金の返済のため、自らの生き方を拘束する。このことが、現状に対する保守傾向を招き、結果的に、新参者である若者世代を抑圧する社会構造を温存してしまう。<まったく同感である>

さらには、男女雇用機会均等法などの共同参画政策も槍玉にあげている。筆者の論旨は、共同参画政策が女性の労働者性を強化し、福祉の社会化を推し進める。その結果、次世代を育成する家族の機能が崩壊し、社会保障に関与する公共部門を肥大化させるという批判のようだ。

<わたしは、そうは思わない。男女がともに働き、ともに家族責任を負担する流れは止められず、これに連動する福祉の社会化も止められない。保守の論者は、家族の崩壊を器具するが、いまは変わらざるをえない時代なのだろうと思う。また、福祉の社会化が即、公共部門の肥大化に繋がるものではなく、介護保険制度などを活用して、民間事業者が参入して健全な競争原理が発揮できる方法はあると思う>

福祉は、社会的公正を確保するための手段として、既得権益にとらわれずに行われるべきものであり、若者福祉、若者政策の強化には賛同する。

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2007年6月10日 (日)

【読書】人は「感情」から老化する-前頭葉の若さを保つ習慣術(和田秀樹、祥伝社新書)

著者は、人間の本質的な老化の始まりは、感情の老化であるという。老化を防ぐために、感情を刺激する生活を続けることが重要で、そうしなければ、寿命が延びた現代において長い後半生が辛くなる、という。

最近、わたしは、グループワークに出席する。そこでは、感じたままをありのままに話すことを求められる機会が多い。しかしながら、そのことに苦手意識を持っている。自分自身では、論理的に話す癖は、長い職業人生で培われた性格傾向だと思っていたのだが、著者に言わせると老化のはじまりだという。愕然とした。

とりわけ、わたしの属する40代は、「中年の危機」として職業人生で先が見えてくる世代と言われる。生活の核である仕事に熱意を失うと、人生全般に対する意欲が低下する例が多く、心から取り組める仕事の方法、趣味を探す生活態度が重要だとの忠告もあった。まったく、おっしゃるとおり。

ほかには、次のようなことも書かれていた。

○自らの可能性を限定せずに趣味などを新しく開拓すること。
○将来的なマネープランを考えたうえで、自らに刺激を与えるカネの投資をすること。
○完全な自立はできない。頼るべきときには頼る「成熟した依存」を目指すこと。

などなど。

ちなみに、この本には感情年齢テストがあり、わたしの感情年齢は47歳だった。歳相応と予想していたので、少しショックを受けた。これからは、感情年齢を歳相応に下げるべく、自らに刺激を与えることを心がけてやってみたいと思う。

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2007年5月30日 (水)

【読書】ゼロからわかる民法(川田昇、平凡社新書)

民法の本を読んだ。予備知識がなくても、やさしくて読みやすかった。

民法は、契約にもとづく、個人と個人との関係(権利と義務)に関するルールブックである。日本の民法は、明治時代の初期に、ヨーロッパとくにドイツの民法を基に作られた。
当時の時代背景として、自立的に判断できる「近代市民」の存在を前提に作られている。

われわれは、毎日、毎日、契約をして生きている。自動販売機でジュースを買うこと。これですら、民法でいうところの契約。コンビニでものを買うこと。これですら、民法でいうところの契約だという。

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2007年5月25日 (金)

【Web】言論NPO:知事インタビュー

言論NPOは、政策評価を継続的に行っているNPOである。

識者へのインタビュー記事が非常に良い。市販の雑誌に遜色ないか、それ以上のレベルである。編集者の資質の高さがうかがえる。わたしは、高く評価する。

最近までは、発足100日を経過した安倍政権に対する政策評価のインタビューを、何人かの識者に対して行い、インタビュー記事を出していた。今は、知事に対するリレーインタビューをやっている。

Yahoo!政治で読める知事インタビューは、増田岩手県知事と、京都府知事のもので、非常に良い内容のものだ。このシリーズも、安倍政権に対する評価に負けず劣らず興味深く、今後に期待が持てる。

今後とも、継続的にウォッチしていきたい媒体である。

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2007年5月23日 (水)

【読書】持続可能な福祉社会-「もうひとつの日本」の構想-(広井良典、ちくま新書)

著者は、旧厚生省勤務を経て、社会保障論などを主に論じる研究者である。2003年より、千葉大学教授。

現状の社会保障システムは、経済の「右肩上がり」を前提に、経済成長の果実を社会や家族を経由して間接的に配分することを主眼にしてきた。なかでも、戦後の日本においては、社会保障ではない政策が、社会保障の役割を果たしているものがあった。たとえば、地方部への公共事業は、失業対策としての社会保障の役割を担ってきた。

このような、社会保障に類似する政策があったので、社会保障に対する直接的な税の投入は、先進諸国の中でも最低レベルであり、わが国の社会保障は、相互扶助による保険が主な財源となってきた。しかしながら、様々な分野の構造改革の結果、社会保障に類似した政策がなくなってくると、国全体での所得の再配分機能が弱体化し、格差を拡大再生産する方向に誘導する結果を生むおそれが出ている。

また、著者は、社会保障の対象を高齢者だけでなく広く捉えている。

社会保障とは、ライフサイクルの中で、個人ではリスクヘッジすることが難しい危険負担について、社会で対応しようとする性格のものだ。高齢化社会でなかった時代には、ライフサイクル中でのリスクは、退職後の時期に集中していたので、高齢者福祉を最大の社会保障とすることに合理性があった。しかしながら、職場の成果主義、家庭環境による格差の再生産などは、若年層におけるリスクを増やす結果となっており、若年者に対する社会保障投資、すなわち教育、職業訓練などを公金で行う必然性がある、ということが著者の主張である。

さらに、著者はコミュニティについても述べている。

わが国におけるコミュニティは、高度成長期以前の家族関係が、都市化に伴い会社という擬似家族に組みかえられたものであったが、団塊世代が大量に地域に還ってくることによって、コミュニティは機能しなくなる。このような大きな時代の流れに対して、代わりの答えはまだない。

わたしの中では、この本だけでは十分に消化できない内容の多さであったが、この著者に興味を持ったので、引き続き他の著書も読んでみたいと思えた。

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2007年5月20日 (日)

【読書】働きすぎる若者たち-「自分探し」の果てに- (阿部真大、NHK出版)

著者は、社会学者であり、フィールドワークとして、バイク便ライダーを扱った「搾取される若者たち」でデビューした。本書は2冊目の著書となる。

著者は、介護で燃え尽きる若者を取り上げている。厚生労働省は、集団ケアを是正する利用者本位のケアとして、ユニットケアを推奨している。「利用者の顔の見える」ユニットケアは、ケアワーカーに高度な「やりがい」「達成感」を与えた一方で、際限ない労働への誘惑にもなった。

人間には承認欲求があるので、仕事だけで承認欲求を満たしたいと思えば、ワーカホリックになってしまいがちである。高度成長期の「働き蜂」の構造である。

さらに厄介なことに、介護現場は、フルタイムワーカー以外に、低賃金でも生活に支障を来たさないボランティアワーカーやパート主婦が混合している。これは、労働力を安売りし続ける方向へと作用し、フルタイムワーカーは経済的に困窮する。「やりがいはあるが、貧しいので、続けられない」のである。

高度成長期は、働いて消費生活を向上させるので精一杯、「自分探し」などという余裕はなかった。今は、豊かさが達成され、働くことの絶対的意義が低下している。そうなので、「自分探し」に走る。成熟経済における、一種のぜいたくだと思う。

そういいつつも、私も「自分探し」をしているので、人のことは言えない。ただ、あるときに気づきを得て、仕事だけで「自分探し」をすることは、しないようにしているつもりだ。

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2007年5月18日 (金)

【読書】50歳からのいい人生の生き方(松原惇子、海竜社)

昨日書いたとおり、久しぶりに松原惇子さんの本を読んだ。

松原さんの代表作は、「クロワッサン症候群」(1988年)である。当時、わたしはその本を読んだので、本屋で著者名を見たときに懐かしさを覚えて購入した次第。当時は40歳、今はちょうど60歳。団塊女性の一群に位置する。編集者の履歴があるので、文がシンプルで読みやすいのも、好感を持っていた。

「クロワッサン症候群」は、「跳んでいる女」「キャリアウーマン」のライフスタイルをリードした、当時の人気雑誌「クロワッサン」に大きく影響された女性を取り上げたもの。シングルとしての生き方を選んだものの、当の本人にインタビューしてみると、ハッピーでない人が多い、といったような内容だったと思う。

松原さん自身は、シングルを通して還暦に至った。性は異なるが、人生モデルとして面白い人である。そうなので、前著から20年経って、改めて興味を持って読んだ。

老いを意識するまでは、人は、右肩上がりの人生を信じ、「持つ」ことを追い求める。仕事、家庭、財産などなど。しかしながら、50代になって、老いが観念ではなくて現実の認識になったとき、違う生き方に気づく。この本は、松原流スローライフの薦めである。

残りの人生を考えたときに、忙しく仕事するだけでよいのか、量の人間関係を整理して質を追及すればいいのではないか、最後は「ひとり」になるのだから準備をしたほうがよいのではないか、などなど。

結婚して家族がいる人は、「ひとりの人生」はイメージしづらいと思うが、松原さんは、ずっと一人で生きてきた。いろいろな思索をしながら、前に進んでいる人なんだなあ、と思った。

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2007年5月17日 (木)

読書

このところ読みたい本がなかったので、本を買っていなかったのだが、久しぶりに本を買った。

積ん読を避けるため、たいていは1冊ずつしか買わないのだが、きょうは2冊一度に買った。この週末は、半日時間があるので、読書にいそしむことにしたい。

【購入書リスト】
 ●50歳からのいい人生の生き方(松原淳子、海竜社)
 ●働きすぎる若者たち-「自分探し」の果てに-(阿部真太、NHK出版)

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2007年5月14日 (月)

現代の貧困-ワーキングプア/ホームレス/生活保護-(ちくま新書、岩田正美)

ちくま新書による最新刊。新書用の書き下ろしである。

このところの「格差社会論」は、「格差」が個人の自己責任に帰せられるべきではないことを明らかにしていると思う。わが国の社会保障は、国家が直接提供するのではなく、家族及び企業に代理させて提供する仕組みになっているので、所属する集団によって運不運が出る。

成長過程においては、恵まれた家族に育ったものは、豊かな経済環境のもとで、よい教育が受けられ、よい就職が確保できる。さらには、結婚では、女性が生活水準を向上させることを求めるために、豊かな男女が婚姻し、低所得の男女は単身のまま高齢化してしまう。このように、格差が世代を超えて再生産されてしまう構造がある。

また、日本の社会保障は、保険に偏り、所得階層間の再分配機能に劣る。したがって、社会保障の掛け金を払える会社員は、将来の年金給付・失業給付などにおいて優遇され、現在の生活レベル維持に汲々とする非正規労働者は、社会保障の掛け金を支出することができず、リスク対策ができない。この点でも、格差が固定化する構造が形作られている。

著者は、格差によって貧困が生じるという論点で論じている。貧困は、社会の統合性を失う重大な事態である。このことが、著者の危機感である。

この国には、社会保険でも生活保護でも救われない「谷間」に落ちた人が多数いる。貧困を社会問題として政治のテーブルに乗せ、保険方式によらない税金の投下による所得階層間の再分配機能の強化、貧困レベルに落ちた個人に対する直接給付と教育投資を行うことが求められている。

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2007年5月 1日 (火)

【読書】【英語】1日1分! 英字新聞プレミアム -音声ダウンロードで英語力アップ!ー(石田 健、祥伝社文庫)

英語は、4月から、アルクのTOEICマラソンをこなしている。しかし、あまりにも技巧に偏りすぎており、総合力の向上という面で、いささか不安を覚えている。

「長い目で考えて、短文の暗唱を再開するべきかな」、と思っていたところに、本屋で面白そうな本を見つけたので買ってみた。

この本は、英字新聞の短い記事(3~4行の長さ)を120本集めてある。暗唱する例文として、ほどよい長さだ。さらには、副題にあるとおり、ネットから音声ファイルをダウンロードすることで、ネイティブスピーカーによる朗読も付いてくる。これで800円ほど。

いいアイデアだと思った。他のCD付き本が1500円程度するのと比較して、この本は安い。CDを添付しないので、コストダウンができ、しかも「文庫版」にダウンサイジングできているのである。発想した人は偉い。

この本の活用法としては、オーディオプレイヤーと組み合わせれば、携帯性が抜群である。昨日書いた、「すき間時間の効率化」に有効に働くであろう。

(余談であるが、立読みだけでデータをダウンロードされないように、データファイルにアクセス可能なパスワードについては、「袋とじ」にしてある。)

暗唱を始めたばかりなので、内容自体の評価はできないが、ビジネスモデルとして面白い。この企画が継続して、よい暗唱の素材をどんどん出版してもらえれば、ありがたい。

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2007年4月30日 (月)

「過去と他人は変えられない」

とある本の一節で読んだ言葉である。

つい他人を操作して自分の望み通りにしたいと思いがちなので、言動の戒めとしている。
ちなみに、これには対語がある。「未来と自分自身は変えられる」のだそうだ。

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【読書】インテリジェンス 武器なき戦争 (手嶋龍一・佐藤優、幻冬舎新書)

インテリジェンスは、インフォメーションとは異なる。インフォメーションを収集することは、もちろん重要である。それと同時に、それが精査され、適切に政治指導層に伝えることも重要である。インテリジェンスは、国家の舵を取る政治指導層にとって判断材料となる価値をもった情報である。

わが国は、外交的には米国依存の体質でやってこれたが、これからも過去の延長で済むかどうかは分からない。自主外交の根底にあるべきものは、軍事力ではなくインテリジェンスであり、それを精査するインテリジェンス・オフィサーである。

著書では、インテリジェンスの重要性を外交に関連して書いているが、インテリジェンスの問題は外交に限らない。内政にあっても、玉石混淆の情報にフィルターをかけ、政治指導層に伝達する体制を有することが、総理大臣によるトップマネジメントを有効たらしむる条件である。

小泉政権では、内政の重要課題については竹中大臣がその機能を果たしていたし、政務にかかるインテリジェンス・オフィサーとしては飯島秘書官が機能していた。これに対し、現在の安倍政権ではどうか?情報を統括して整理する中枢管理機能が低下しているのではないかと思う。

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2007年4月28日 (土)

【読書】日本人の死に時―そんなに長生きしたいですか (久坂部 羊、幻冬舎新書)

「長生きはリスクである」とある講座でフィナンシャルプランナーが言っていた言葉である。

延命技術が進歩して、生き永らえさせることができるようになった。寿命を超えるほど、人を生かせることができるようになった。でも、それはバラ色の老後を意味するのではない。

人の身体機能は必ず退化し、不可逆である。長寿社会になればなるほど、人生の最期は、身体が思うに任せず生き永らえる期間、要介護期間が長期化する。しかしながら、長期化する介護を、社会は負担できない。

仮に寿命が80年であるとしても、後半の何年かは、活動が低下する。したがって、それまでにやりたいことをやるようにしたい。著者は、「人生を60年と思い、それ以降は余生と思え」というようなことを書いている。

わたしの感じとしては、相当厳しいと思った。わたしのイメージは、寿命80年で、うち後半1~2年くらいは活動が低下する、というように捉えていたからだ。まあ、80年の寿命は平均値であるから、案外早く身動きが取れなくなることもありうる。

60才くらいまでに思うことをやるような生活で丁度よいのかもしれない。そうすれば、あと20年か・・・

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2007年4月26日 (木)

【読書】小泉官邸秘録(飯島 勲、日本経済新聞社)

竹中平蔵氏の著書に刺激されて、関連する本を読んだ。本書は、小泉政権を、大臣とは違い政務の立場から見て書かれた本である。

この本は、飯島氏の備忘録に由来するものである。小泉総理の強烈な言葉が、飯島氏のメモとして固定され、本として記された。極限の状況において発せられた言葉は、言い知れぬ迫力を放っている。マスコミのフィルターを通らない「小泉語録」といえる。

飯島氏は、5年半の小泉政権の様々な場面を回顧しているが、今の時点で振り返ってみると、宰相・小泉純一郎は様々な問題を手がけ、解決してきたのだな、とわかる。

とりわけ、1年半前の郵政民営化政局について、飯島氏は克明に記録を残している。「郵政民営化のためには、殺されてもいい」「国民に聞いてみたい」のフレーズはあまりにも有名だ。

小泉総理は、「有言実行、ブレない」人なのだな、と改めて思った。

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2007年4月25日 (水)

【読書】投資信託にだまされるな! 本当に正しい投信の使い方(竹川 美奈子、ダイヤモンド社)

ダイヤモンド社の新刊を買ってきた。

投信が人気である。銀行や郵便局での投信販売が解禁になり、低金利に物足りなさを感じている預金者が投信にシフトしているらしい。先日、銀行に行って、「この程度の営業で投信を売っているのか」という疑念を感じ、本を一冊買ってみた。

投信の問題点が明確に書いてある。投信の最大の問題点は、手数料率の高さである。「世界分散投資だから大丈夫」「プロの運用だから大丈夫」「積立て式で時間分散しているから大丈夫」 これらのセールストークは、高率の手数料率によって、相当部分が相殺されてしまう。金融機関に手数料を持っていかれるばかりなのである。

もうひとつの留意点は、税金である。グローバルソブリンに代表される、毎月分配型投信は、分配によって資産が目減りしてパフォーマンスに影響するとともに、分配時点で課税される。中長期運用を目指すなら、途中の配当頻度は少ないほうがよい。
 (その点で、手数料率が低ければ、変額年金は面白いシステムなのだが。)

以上のことから、著者は、ポートフォリオを世界株式、日本株式、世界債券、日本債券に振り分けたうえで、手数料率の低い(1%以下)のインデックスファンドもしくは、(インデックスファンドに類似した)ETFによる、分散投資を奨めている。

この本は投信選びのポイントについて、やさしく書いてあり、非常に参考になった。

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2007年4月24日 (火)

【読書】構造改革の真実 竹中平蔵大臣日誌(竹中平蔵、日本経済新聞社)

週末に、竹中平蔵さんの講演を聞いたので、氏の著した本を読んだ。よい本だった。

竹中さんは、橋本行革によって新たに誕生した経済財政諮問会議を司る、経済財政担当大臣を務める。その後、小泉総理が金融危機の対処にあたらせるため金融大臣兼務となる。さらには、郵政民営化の実現にあたらせるため郵政民営化担当大臣となる。小泉政権の最後1年は経済財政担当大臣を外れ、総務大臣となる。小泉政権の5年余りの全期間を通じて大臣の任務を勤めたことになる。

この間、経済財政運営、金融危機対応、郵政民営化といった3つの大きな政策に携わるとともに、郵政解散選挙のときには、参議院議員に立候補して国会議員に転向する。竹中さんは、小泉政権が抱える内政のメインテーマに対し、メインプレイヤーとして関与しつづけ、激務の日々を過ごされた。

この著書では、政策決定プロセスにおける様々なプレイヤーとの攻防戦が描かれる。主には、官庁、議員、業界(銀行)である。

民主主義国である以上、利害関係者との政策調整は避けられないところだが、プレイヤーの圧力によって政策の基本線が曲げられないようにするために、氏が抱えるブレーン集団による徹底した下討議、「よそ者」である(諮問会議の)民間議員を活用した経済財政諮問会議の運営、適時適切な小泉総理のトップダウンなど、相当に戦略的に考え、行動していることが、本の中でよく表現されていた。

竹中さんは、改革の推進力は、総理の情熱(パッション)であるという。同時に、基本方針が良くても、後の制度設計の過程で官僚によって骨抜きにされぬよう、「戦略は細部に宿る」ことも強調している。「ウォームハート、クールヘッド」の人である。

先日の講演と今回の著書を読んで、竹中さんの「情」の部分というのは、意外な側面であった。怜悧な知能が前面に出るような印象を受けていたからだ。

文は人を表現するという。わたしは、ますます竹中さんのファンになった。著書の著者略歴を見ると、1951年生まれである。今まだ56歳である。まだまだ若い。更なる活躍をされることを強く期待する。

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2007年4月16日 (月)

【読書】和田裕美の人に好かれる話し方 -愛されキャラで人生が変わる!-(大和書房、和田裕美著)

著者の和田裕美さんは、日本ブリタニカの営業職として、世界No.2の売り上げを誇った、スーパーウーマンである。

話すには、基礎が必要である。話す前には、聞くことが重要であるし、さらにその前に、話してもらえる関係が大事である。そのことを著者は、「やさしい空気にする」と表現している。

わたしは、最近、様々な人と会う。りっぱに自己PRをすることが推奨される現代ではあるが、話す前に、まず聞くことができる関係を構築したいものだ。

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2007年4月14日 (土)

【読書】ツキを呼ぶ 聞く技術 ”聞具”(ぶんぐ)でチャンスをつかめ(中島 孝志、ビジネス社)

著者は、実業家であり、経済評論家である。150冊以上の本を出している。聞くことは「奥深い」と、最近とみに思うのだが、この本は、やさしい言葉で、聞く極意を読みやすく教えてくれた。

聞くことの目的を、この本では、5つに整理している。①疑問の解決、②確認、③アイデアの抽出、④動機づけ、⑤合いの手。

また、聞くためには、訊かなければならない。聞くことは、訊くこととあいまって、共同作業である。共同作業であるからには、共同作業を可能ならしむる訊き方でなければならない。この本では、①1つずつ、②論理的に、③具体的に、④客観的に、⑤相手にわかるシナリオに沿って、訊くことが必要であると言っている。

その他にも、ノウハウが満載である。値段ぶんの価値はある本だと思った。

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2007年4月12日 (木)

【読書】ツキを呼ぶ 聞く技術 ”聞具”(ぶんぐ)でチャンスをつかめ(中島 孝志、ビジネス社)

本屋で目について、買ってきた。

タイトルに引かれ、内容も面白そうである。

今、読み出したところ。

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2007年4月11日 (水)

【読書】幸福論 <共生>の不可能と不可避について(宮台真司・鈴木弘輝・堀内進之介、日本放送出版協会)

難解な本で、わたしには、ついていくのが難しかった。
だが、わたしなりに消化した内容を書いてみる。

本書の目的は、「幸福」を与える社会システムがどうあるべきか、という論である。

著者は、3名とも社会学の学者である。社会学では、人間集団を、社会的機能を提供する組織と見る。「幸福」という社会的機能は、学校、会社、家庭といった機能集団によって提供される、という社会システム論としての捉え方である。

工業化社会においては、お父さんが会社で働き、お母さんが家庭を守り、子どもは勉強してよい産業人になればよかった。その枠組みの中で、学校、会社、家庭といった機能集団が幸福を提供してくれた。

しかしながら、今は、工業化社会が崩壊した。労働の二極分化が生じ、大量の単純労働者が発生した。そこから、会社における安定雇用の崩壊が始まっている。そうなると、お父さんもお母さんも、それなりに働かなければならなくなり、ジェンダー家族であったところの家庭の崩壊が始まっている。近代である工業化社会の次に来る時代に求められる人材は、「お勉強だけができる」人材ではない。学歴が安定した将来を約束しなくなり、そこから、教育の崩壊が始まっている。

既存の機能組織が充てにできなくなり、個人の自立が要請される時代が来て、個人は不安定化している。でも、世の中の大部分の人たち、特に世代が上の人ほど、既存の機能組織が精神的安定感を提供してくれる、という幻想を強く抱いている。

では、どうするのか。

2つ答えがある。ひとつは、機能組織を叩きこわして、個人の自立性向を強めざるを得ない方向に誘導する、ハードランディングである。もうひとつは、「緩衝材」として、既存の機能組織を変形させながら残すことで「幻想」を保持し、社会的に有効なものとして機能させるソフトランディングである。

しかしながら、個人の自立性向が強まって社会が不安定化するのも困るし、既存の機能組織を現実に適応させる妙案が見えているわけでもない。実態としては、脱工業化社会に対応できる有効な社会システムは、まだ無いということであろう。走りながら答えを考えている、現在進行形なんだろうと思う。

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2007年4月 6日 (金)

【読書】下流志向 -学ばない子どもたち、働かない若者たち-(内田 樹、講談社)

内田樹氏は、神戸女学院大学教授で、フランス現代思想などを専門とする人文科学者である。

この本のテーマは、学ばない子ども、働かない若者である。エーリッヒフロムの名著に「自由からの逃走」があるが、それをもじったフレーズである。

教育を受けられること、労働できることは、世界的にみて非常に恵まれている。しかしながら、教育や労働を当然に与えられた権利とし、忌避する現象が起きている。

そもそも、勉強や労働は短期的な成果が出にくい性質のものであるが、性急な成果が期待できないがゆえに、自己実現の障害になるものとみなし、恵まれた権利を捨てる。

低い階層のものほど、確信にもとづいて、あえて権利を捨てる。その結果、格差が拡大再生産される。

今の世の中は、「自己決定・自己責任」原則である。自らの選択として無業者を選んだニートは、親が高齢化し、家の財産がなくなったとき、社会的なコスト要因となる。著者は、その対策として、「自己決定・公的責任」にせよ、と言っているようだ。失敗したら、すみやかに救済してやれ、という論のようだ。

社会的不経済を最小限にするために。

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2007年4月 4日 (水)

【読書】格差社会スパイラル(大和書房、山田 昌弘、伊藤 守)

「希望格差社会」の山田昌弘と、コーチングの第一人者の伊藤守が、新たな格差問題に挑む!とある。2007年3月刊行なので、最新刊である。

コミュニケーション格差が、機会損失を生じさせ、経済格差などに繋がる、ということのようだ。ただ、異質の2つの論を混在させただけ、という印象は否めなかった。買ってまで読む本としては、あまりお奨めしない。2人とも良質の著作を著しているようなので、別々に買うほうがよいようだ。

(伊藤氏の著作は、読んだことがないので、また機会を改めて読んでみたい)

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【読書】難民世代 団塊ジュニア下流化白書(NHK出版、三浦 展)

三浦氏は、一昨年に「下流社会」を上梓して、有名になった。
消費社会研究家、マーケティングアナリストを標榜する。一橋大学社会学科卒。

読後感としては、社会学者よりも文体が易しく、それでいて、データの裏づけも用意してあるので、「単なる評論家の文章」とは、一線を画している。

氏は、団塊ジュニア世代を、4つの難民のキーワードで整理する。

ひとつは、郊外難民。親である団塊世代が郊外に保有した一戸建・マンションで産まれ育った世代なので、故郷がない。ひとつは、受験難民。ただでさえ数が多いうえに、女性が高等教育を目指した世代なので、勉強しても進学難に苦しむ。ひとつは、就職難民。卒業がバブル崩壊の時期と重なり、就職難に苦しむ。最後のひとつは、結婚難民。就職難によって、安定収入のある男性が減ってしまい、結果的に晩婚化する。

なかでも、結婚難民の項がユニークであった。

正社員の減少が出会いを減らす、という論はユニークだ。不況に伴う非正規労働の増加によって、正社員が減少する。世の中は、恋愛結婚至上主義がはびこっており、身近に出会いを求める。正社員の減少と晩婚化に因果関係がある、というものだ。

また、男性が結婚にメリットを感じなくなった、という論もユニークだ。ある女性作家との対談の引用として、「女性のほうはまだ結婚したがっているのに、男性はもう結婚したがっていない。その男性の変化に女性がついていけない」とある。三浦氏は、その発言を裏付けるべく、独身男性にアンケート調査をしている。

この本は、山田論文とは切り口が違うが、言いたいことは似通っている。格差の現実が、ライフステージを経て世代間に伝播し、再生産されるという点である。このまま有効な対策を講じないでおくと、格差が拡大再生産されて、新たな貴族、新たな階級が生まれ、日本のよきダイナミズムが失われてしまう危機に瀕していると思う。

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2007年3月26日 (月)

【読書】ひとりで学べる!初級シスアド合格テキスト(藤崎和子、実務教育出版)

来月に、初級シスアド試験を受けるので、テキストを一読した。
文章も図表もわかりやすくて、頭にすんなり入った。

情報処理試験については、大学入学直後に旧2種を取ったが、
1種は、何度チャレンジしても落ち続け。ステップアップを果たせずに今日まで来た。

そこで、今年の目標としては、情報処理で一歩進みたいと思っている。
春は初級シスアド、秋は上級シスアドを押さえたい。そのうえで、来年は、
1種の後継資格である、ソフトウェア開発技術者に挑戦する計画である。

30年来、わたしは情報処理が好きだったので、40歳を迎えて、
情報処理分野における、自分自身のキャリアの棚卸しの意味も込められている。

先月の試験のように、テキストの斜め読み程度では、また落ちること必定である。
残りあと3週間あるので、試験までに、ノートづくりと、過去問の研究をしておきたい。

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【読書】情緒的自立の社会学(畠中宗一著、世界思想社)

タイトルが斬新だったので、買ってみたのだが、稀に見るハズレの本である。
著者が、社会学者として何を主張したいのか、全く理解できなかった。

自立の反対概念とされている甘え、情緒といったものが、人間の発展過程で欠かせない、ということが言いたいらしいが。印象としては、この本は論文ではなく、限りなくエッセイに近い。

社会の進展に伴って、家事を社会化することができるようになってきた。そうなると、家族の共同体意識が低下することは避けられない事実であると考える。

著者は、「だから家族を見直そう」という論のようだが、言っているだけで処方せんを示さなければ、評論家の論にすぎない。

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2007年3月23日 (金)

【読書】世界がわかる宗教社会学入門(橋爪大三郎、ちくま文庫)

最近、わたしが興味を持っている社会学は、社会現象を科学的に解明する学問である。

大勢の人間によって構成される複雑怪奇な「社会」なるものを説明するため、社会のなかの相対的に安定した部分に注目して、社会現象を説明しようとする学問のようだ。

社会学では、法律、制度、役割、文化、組織、慣習などの社会構造が研究の対象となり、宗教も社会構造のひとつとして、研究の対象となっている。

宗教は、ヨーロッパにおいては、キリスト教が掲げる自由、平等、政教分離が、近代合理主義を花開かせる基礎となった。また、キリスト教は、新天地であるアメリカにおいて、国家と個人との契約関係を色濃く反映した国家理念として、結実した。

日本においては、江戸時代に、幕府が支配の正統性を補強するために朱子学が推奨されるとともに、仏教は、檀家制度によって法事以外の布教活動を禁じることで、堕落させることに成功した。一方で、江戸期に下級武士や農民を中心に学ばれた儒教が、明治維新という革命を成し遂げる精神的支柱となった。

このように、宗教は、個人の心のよりどころであるとともに、時代背景によっては、権力機構と結託して統治の正当性を補強したり、社会の矛盾をおおいかくす社会構造としても機能しているもののようである。

近代合理主義の矛盾に対する対立軸として、家族、社会、国家、宗教、共産主義・社会主義など、様々なものが登場してきたが、いまの時代に即して考えたときに、良い対立軸は少ないような気がする。

ある本で「カウンセリングは現代の宗教」というくだりを読んだ。合理主義を徹底していくと、他の共同体やイデオロギーに依存することは、ことごとく否定されてしまうのではないか、と思ったりもする。

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2007年3月22日 (木)

【読書】新平等社会-希望格差を超えて-(山田昌弘、文藝春秋)

もう一冊、山田氏の本を読んだ。

希望格差社会に続いて、格差是正のための処方せんを示した本である。
去年に著した、比較的新しい本である。

いま問題となっている格差は、以前のような社会的不平等によるものではなく、
近代的な合理主義、平等主義を徹底していった結果であり、非常に根が深い。

格差の拡大を防ぐため、教育、子育て支援、失業者支援、介護の各点において、
社会的負担をするべきだ、というような主張をされている。

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2007年3月21日 (水)

【読書】希望格差社会-負け組の絶望感が日本を引き裂く-(山田昌弘、筑摩書房)

先月に社会学者の話しを聞いてから、社会学の本をよく読んでいる。
著者については、前著も非常によかったので、もう一冊買って読んでみた。

高度成長に伴う右肩上がりの成長モデルは、会社制度、家族制度、教育制度、すべてを上手く廻していた。しかしながら、高度成長の終わりによって、終身雇用という会社本位制度が崩れ、男女雇用機会均等法の施行に伴い、女性が家庭内の無償労働に従事する枠組みが崩れ、会社本位制度の崩壊は、学歴による将来の安定を保証しなくなった。

その結果、各ライフステージにおける「希望」が失われ、社会の不安定感が増している。

前近代的な差別は、不合理なものであったが、「分相応に諦める」という利点もあった。
しかしながら、近代においては、機会均等による自由と引き換えに、将来の安定が失われている。何と皮肉なことか。

さらに、大量生産から個別単品生産に産業構造が変わる時期にあって、高給を得る専門職と、低給の非熟練労働者との「二極化」が進み、その二極化が、結婚、教育を経て「次の世代に継承される」構造についても述べられている。

そうだからといって、いまさら近代主義を捨てることはできない。
こわした後の新秩序を、いかに構築するか。難しい問題である。

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2007年3月17日 (土)

神戸三宮・ジュンク堂書店 新装開店

先日まで改装していたジュンク堂書店が、きょうから新装開店した。

1階から4階までだったフロアが、5階までとなり、増床したようである。

わたしは、この書店を愛用している。わたしの行動に便利な場所にあることもあるが、最も気に入っているのは、棚の配列である。棚ごとに担当者が決められており、担当者のこだわりで陳列されている。そうなので、本を買う気にさせてくれる。

もうひとつのお気に入りは、蔵書検索端末である。キーワードを複数入力してクロス検索をかけることもできる。そうなので、書名を特定できてなくても、テーマに沿った本を端末上で複数選択して印字することで、広い店内での棚の位置を絞り込むことができる。調べものに、大変重宝である。

このところ、読書にいそしんでいるので、新装開店なったジュンク堂に、これまで以上に足繁く通うことになるだろう。

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2007年3月16日 (金)

【読書】家族と住まない家―血縁からくらし縁へ―(春秋社)

住まいから家族問題にアプローチする本を読んだ。

血縁、婚姻でつながる人がひとつの住まいで暮らす「常識」は、たかだか戦後50年ほどのものなのだそうだ。本書では、「常識」に挑戦する人たちが登場する。住居のある部分を複数人でシェアするコレクティブハウス、部屋ごとに分かれて住むルームシェアなどが実践されている。

家族と住まない家を成立させるためには、自立した個人が相互に交流して、くらしに係わる問題を解決していく必要がある。このようなライフスタイルの素地があって、素地を実現するための家のかたちとして、交流スペースのある間取りが有効になってくる。

たとえば、一般に、障害者の自立を支援するため、地域にグループホームを作ることが推奨されるが、グループホームが地域に閉じた空間となってしまえば、自立支援の目的を達しない。

地域ごとに小さな入れものを作るというハコもの的発想から脱却して、地域で1人でも住まうことができ、個人で不足する機能は、人的ネットワークや事業者によって補完して完全なものにすることができれば、ハコは要らなくなるのではないか、という趣旨のことが述べてある。

障害者の自立に限らず、高齢者の自立支援についても同じことが応用できる。つまり、加齢によって身体が不自由になったら老人ホームに移すのではなく、地域にいるままで、ボランティアや介護保険事業者の支援を受けながら看取る、といった試みも紹介されている。

家というハコが人を囲いこまないような仕組みがあれば、人というソフトとあいまって、施設介護ではない住まい方が可能になるのではないか、ということらしい。

そのときの介護や家事労働の主体は、家族という血縁だけに頼るべきではないと書く。様々なくらし縁を構築して危険分散をせよ、ということが趣旨のようだ。地域福祉を実践することは、住まいのありかたも変える可能性がある。

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2007年3月12日 (月)

【読書】アメリカの小学生が学ぶ歴史教科書(ジャパンブック)

アメリカの歴史を英語で読んだ。いい勉強になった。

200年間、ずっと戦争をやっている国だな、という印象だ。

みずからの理想を貫徹するためには武力も辞さない、という態度は、今にはじまったことではないことが、よくわかった。

まあ、矛盾をかかえながらも、人工的な国家を200年維持してきたことだけでも、偉大なことではあるが。

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【読書】家族のリストラクチャリング(山田昌弘、新曜社)

家族論に関する別の著者の本を読んだ。また別の切り口があって面白かった。

わが国における近代の家族制度は、明治維新にあわせて誕生した戸籍制度、家制度に由来する。明治から今まで、日本型資本主義を支えてきた。

高度成長期においては、家族制度がもっとも円滑に機能した。つまり、年功序列型賃金によって、男は会社、女は家庭、子どもは勉強という、家庭内の役割分担が、経済的な豊かさを得るために最良の方法であった。女性の立場から言えば、将来に昇給の可能性のあるサラリーマンに嫁ぐことにより、実家の経済水準からステップアップする「キャリアチェンジ」が実現できた。

現在においては、高度成長期の前提が崩れつつある。

①低成長により、年功序列型賃金体系が崩壊しつつあること

②実家の父親は、年功序列で高給取りになってしまったので、「キャリアチェンジ」を実現できる、高年収の男性がいなくなってしまったこと

③実家にパラサイト(寄生)すれば、生活に困らないこと

④女性の高学歴化によって、独身の自由を犠牲にしてまで嫁ぐ必然性が薄れていること

などが挙げられる。

旧来の家族制度は、女性に見向きされなくなってしまっている。男性も女性も、経済的に自活し、自分のことは自分でやることが必要になっている。家族制度は、個人の現状にあわせてリストラされる宿命にあるといえよう。著者は、一般職と専業主婦は滅びる、と予言している。

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2007年3月11日 (日)

【読書】シングル単位の恋愛・家族論 (伊田広行、世界思想社)

氏の前著では、「家族は幻想である」ということがメインテーマであったが、本著ではは、シングル単位の社会制度を恋愛論に拡げて論じている。

要点は、「恋愛も幻想である」という一言に尽きる。

良い結婚、社会に貢献する家庭づくりがゴールとするならば、恋愛は、その過程としてゴールに結びつく性質のものである。つまり、「恋愛という神話」をお互いに信じ、その神話が将来にわたっても崩れないならば、それはそれで幸せなこと。

しかしながら、「神話」を共有できないときはどうするか。自らの価値観を押し付けない、人の価値観を押し付けられない、という前提のもとに、「模範解答のない関係性」を自立のもとに創っていかなければならなくなる。厳しい道である。

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2007年3月 9日 (金)

【読書】やまない雨はない(倉嶋 厚著、文春文庫)

先月、神戸に来た倉嶋さんのお話を聞く機会があった。お話に力があって、感動をもらった。そこで、著書を買ってみた。

倉嶋さんは、気象庁を退官されてNHKの気象キャスターとなり、一般の人に広くなじみとなった。

気象台で知り合った奥さんと円満に、夫婦の2人生活を営んでこられたが、その奥さんを、ガンの告知からわずか3週間という短時間で喪った。この喪失体験から「うつ」にかかり自殺を図った。4か月もの間、入院生活を送る。どん底を体験された方である。

氏の話しを直接聞いて印象に残った言葉に、本のなかでも出会った。
 「人生の宿題は、縦にならべるとひとつ」(事の優先順位を考えよ)

「長期予報は、当たらないものだ」

「人生は、かならず転回する」(悪いこともあれば、よいこともある)

さらに、本の中に、新しい言葉を見つけた。
 『「ねばならぬ」より「である」を』
あしたは、あるかどうか分からないのだから、役割に縛られずに、自分のやりたいことを追及してみろ、ということらしい。

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2007年3月 8日 (木)

【読書】ネオ家事入門(朝日新聞社)

朝日新聞に連載があったものを、単行本にしたものである。
家事にズボラしたい人向けへのアドバイスが満載だ。

基本的なポリシーとして、お金で買えるものは買うという考え方。

たとえば、兼業主婦が洗濯の労力を最小限にするための、最大のお奨め道具は、ガス式の衣類乾燥機。

洗濯って、洗濯機がやってくれると思うのは甘くて、干す、取込むが天気に左右されるので、「なかなか、手離れしない」。乾燥機を入れると、「干す」ための手待ちがなくなるので、作業が読めるようになるが最大のメリットだそうな。

説得力があったので、わたしも同意。

たいていの「家事本」は、事細かに書いてありすぎて、読むのが嫌になる。
時間が豊富にある方向けなんだろうなぁ。

ズボラ主婦(主夫)向けのこのような本が増えれば、大いに助かる。


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2007年3月 7日 (水)

続:【読書】日本現代史

英語で「日本現代史」を読んだ。著者は、早稲田大学で30年近く教える、アメリカ人である。よく調べて書いている。内容は比較的易しく、指摘は鋭い。著者は、日本の現代史を国際的状況に置いて、特に日本とは異なる海外の見方を説明するように努められたとのことである。

とりわけ「現代日本の論点と事件」としてまとめられたコラムが、とりわけ鋭い。天皇と戦争責任、女性の社会的地位の低さ、急速な少子高齢化。

天皇は、占領軍の民心安定の目的のために地位を温存され、戦争の真実を語ることなく世を去った。戦争の最高指導者が過去を十分に清算しなかったことが、日本が真の近代国家に脱皮できない大きな要因であると思う。


著者は書く。「軍部が悪かったというが、国民が総動員で戦争を支援したではないか。日本は、原爆の被害に遭っているが、戦争の加害者であることも忘れてはならない」
さらに、「年功序列の弊害により、実質的な男女平等の雇用条件が達成できていないので、女性は、未婚・少子を選択する」

非常にいい本だったので、同じ著者による「アメリカの小学生が学ぶ歴史教科書」(ジャパンタイムズ)も買ってきた。

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2007年3月 6日 (火)

【読書】英日対訳 日本現代史(IBCパブリッシング)

英語の読書をするべく、本を買ってきた。

先日は、神戸に新しく来た外国人向けのガイドブックを読み、よい成功体験になった。「日本語で知っていることを英語で読むと、推測読みができて楽しい」という成功体験を得たので、別の本にもチャレンジすることにした。

わたしは、政治と経済が好きなので、こんどは、日本政治の本に挑戦してみた。外国人から見た、終戦から現在までの政治史を書いた本で、対訳で250ページほど。英語は半分なので、分量は知れている。

前回と同様に「推測読み」で、いい加減に読んでいる。単語がわからなくても、だいたいの筋はわかるので、おもしろい。

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2007年3月 5日 (月)

【読書】過労自殺(川人 博著)

わが国の労働時間は、対外的には年1900時間前後ということになっている。これは、労働産業省の統計が、企業に対する調査であるため、「サービス残業」が数値に表れないためである。

もうひとつの統計として、総務庁が行う統計調査がある。これは、勤労者個人に対する調査であり、年2300時間前後である。つまり、400時間はサービス残業と考えてよいと書いてある。

諸外国からの「アンフェア・レイバー」との批判をかわすため、ダブルスタンダードを維持していると批判されても、致し方がないのではないか。

過労自殺は、わが国に特徴的である。外国では、労働を強化したら、「勤労者がサボってしまう」ので、自殺するところまでに至らない。日本においては、労働は美徳と言われてきた。しかしながら、働きすぎは美徳ではない。

著者は、過労自殺にかかわる弁護人として、数多くの現場を踏んできた。過労死事件の多くでは、会社側は「個人が悪く、会社は悪くない」といい、本人にも遺族にも冷淡な態度を取る。下手に同情すれば、雇用者責任を認めさせられ、「会社が負ける」と認識しているからだ。

わが国は、もう十分に金持ちだ。かつてのイギリスのように、資産の利子だけで食えるようになっているのではないか。このような先進国で、過労が常態化していることは、恥ずべき事態だと思う。

労働時間には、社会的規制が不可欠だと著者は説く。終身雇用制度によって滅私奉公を強いることによる競争原理を是正しない限り、ワークライフバランスなど、絵に描いた餅だ。

この時代に、ホワイトカラーエグゼンプションなど、逆行することをやろうとしている。本当にどうかしていると思う。もっとゆとりのある社会が必要だ。

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2007年2月25日 (日)

【読書】シングル単位の社会論(伊田広行、世界思想社)

今週は、あるセミナーで臨床社会学者の話しを聴く機会があった。臨床社会学とは、社会学を「現場で検証する」学問のようだ。具体的には、ドメスティック・バイオレンスの加害者である男性に心理的ケアを行うことをフィールドワーク(現場作業)とし、研究の対象としているようだ。

本屋でそのあたりの棚を探してみたら、この本が読みやすくて、楽しそうだったので、買ってみた次第である。

氏の論調は強烈だ。家族は、日本型資本主義の産物。家族は、国が、男性に企業への「忠誠心」を求め、女性に家事、育児、介護を負担させるためのシステム。「家族があることを前提」「結婚することを前提」として組み立てられていた既存の諸制度をすべて撤廃し、すべてシングル単位で再編すべし、といったもの。

介護を例にとってみれば、介護義務を家族から国に移す。手当を本人に給付し、介護サービスを本人に選択させる。本人と家族の同意により、家族が介護する場合であっても、労働基準法による労働時間に編入し、フルタイムワーカーと同水準で処遇する、という感じである。育児、教育についても同様に、家族の義務を無くす。

このように、結婚に付随する労働を社会化すれば、「結婚という枠組み」「家族という枠組み」の中での無償奉仕がなくなる。

これは、究極の少子化対策である。同時に、結婚制度を無力化するものである。「結婚して一人前」という価値観を根底から覆す主張に、驚きを覚えた。

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2007年1月 3日 (水)

良い睡眠は、睡眠前3時間の過ごし方で決まる

今年は、正月早々、本に学ぶことが多い。
きょうは、睡眠に関する本を読んだら、かなり参考になった。

人間の体内時計は、日に当たることによって起床時にリセットされる。眠気を催すタイミングは、起床時から14~16時間したときである。すなわち、人間の自律神経系は、昼間の活動時は「交感神経」が稼動し、起床後14~16時間が近づくと「副交感神経系」が段階的に稼動する仕組みになっている。

良い睡眠は、ほとんどが入眠時の質によって決まる。「副交感神経系」を適切に稼動させるためには、寝る前に刺激を与えないこと、すなわち、寝る前3時間は、「PCを見ない、TVを見ない、珈琲やアルコールなどの刺激物を飲まない、食べない」ことが重要だそうだ。
 (もっとも、これを守るのは相当に厳しいような気もするが)

さらに睡眠の効果を上げようとすれば、運動は、「寝る前3時間前」までに終えることが重要と書いてある。

 (寝る直前の運動は、「副交換神経系」の稼動を阻害し、睡眠に害を及ぼす)

寝る前の「すきま時間」にやりたいことを詰め込む私には、耳が痛かった。

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2006年12月11日 (月)

【読書】【英語】AERA English1月号

朝日新聞社の、英語学習者用雑誌。(月刊誌)

本屋でよく並べられているが、手に取ってみたのは、きょうが初めてだった。

以下の点を評価して買った。
 1.値段が500円以下。普通の雑誌の値段。
 2.4段組みで、日本語と英語が横並びで書かれている。
    (新聞社らしいと思いませんか?)
 3.1つの記事の分量が少ない。(読みきれる)

Readingは苦手で避けてきたが、このくらいの雑誌なら、1か月あれば、cover to coverで読めそうな気がするので、チャレンジしてみよう。

読んでみて、面白いことに気付いたら追加して報告する。

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【読書】県民ひょうご12月号に、佐渡裕氏登場

きょう配達された、県政広報誌「ひょうご」12月号。

わたしは、講演会を聞きに行くのが好きなので、県・市の広報誌は基本的にチェックしている。たいてい無料で、結構「掘り出しもの」がある。(でも、一番のお奨めは、朝日新聞。大阪に歴史がある新聞であるせいか、大阪でのイベントの数が非常に多く、けっこう恩恵を受けている。喫茶店でタダ読みしているのが申し訳ないくらいだ)

表紙を1枚繰ると、みなれた顔写真が。そう、「一万人の第九」を指揮した佐渡裕さんのインタビュー記事だった。

佐渡氏は、地元生まれで、このあいだ西宮に完成した「兵庫県立文化センター」の芸術監督でもある。ひょうごに縁が深い人である。多忙な中、「兵庫県立文化センター」をベースにした地域活動も活発にしている。オーケストラ教室を監修したり、学校に出前して演奏会を催したりするなど精力的だ。

あのエネルギーは、いったいどこから湧いてくるのだろう、と思う。

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2006年12月 9日 (土)

落ちる中間層【週間東洋経済12/9号】

インターネットの発達は、情報に関する国境の壁をなくしてしまった。

定型業務のみをしているホワイトカラーは、国外へのアウトソーシングによって淘汰され、「中間層から没落する」というのが、今週の雑誌の趣旨である。

少子化によって大学が閉鎖され、全員クビになっている事例。
非常勤公務員の低賃金、「市場化テスト」により職場がなくなり分限免職される事例。
 (公務員法では、人員整理による解雇は、正当事由にあたる)
事務作業やプログラム作業が、アメリカからインドに大量に流出している実態。

まだ、日本は言語の壁で何とか守られているが、今後ホワイトカラーは、インド人と戦わなければならない宿命に立たされる。

「アウトソーシングされない独自の仕事」が出来ないと、ホワイトカラーとして存在し続けられない。なんとも厳しい話だが、アメリカでは現に起こっている。

わたしは、インド人を相手に仕事をしたことがある。仕事はきちんとし、日本語も完璧にこなす。競争相手としてみた場合に、ひじょうに手ごわい存在だと思う。

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【読書】マガジンアルク(2007年1月号)

アルクの通信教育を受けているので、毎月、この雑誌が送られてくる。

TOEICテストのコツについて、1つ面白い記載を見つけた。

このたびの試験制度の改正で、(最終)Part7の読解問題が、40問から48問に増え、従来よりも重要性が増した。

Part5とPart6は文法・語彙の知識を問う問題なので、「解けないものは、いくら考えても解けない」のに対し、Part7は、「答えは基本的に問題の中にある」
 ⇒ Part7に最後55分を使うことを先に決めることがポイント
    (Part5とPart6が未了でも切り上げる)

次回受けるTOEICで、その点を実践してみることにしよう。何点かは上がるかな?

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【読書】「ピアノ力」をつける!(角 聖子著)

「第九」を期に、「ピアノも良いなあ」と思った。
そこで、ピアノに関する本を一冊読んでみた。

著者は、これまで数多くの「お父さん」「お母さん」ピアニストを指導してきた。NHK教育「趣味悠々」でも講師を務め、「お父さんのためのピアノ・レッスン」で、レコード大賞企画賞を受賞した経歴の持ち主だ。

おとなのピアノについては、2つの大きな誤解があると言う。
①感動させるためには、テクニックが必要
   ⇒テクニックを要さない、かんたんな曲でも、きれいに響く
②「手元を見て弾いていても仕方ない」という諦めが講師、生徒の双方にある
   ⇒鍵盤に対する幅感覚を身に付け、ブラインドタッチすることが、上達の近道

そのほか、
●高齢でも、ピアノは始められる
●やさしい曲でこそ、技術的に学べることがある
●ピアノの上達には、聴く耳をつくれ
●楽典を手に入れ、楽譜をたくさん見れば、読めるようになってくる
●レッスンに通うチャンスがなくても、CDでの独習でもできる
●独習の人は、意識的に、コンサートなど気付きの機会を増やそう

などなど。この本一冊で、ずいぶんとピアノに対する考えが変わった。

「聴く耳が重要」というのは、「英会話するためにヒヤリングを重視する」ことと似ている。

「こどもたちがピアノを習っているが、大人になって生きた経験として活かせているの?」と最後に著者は問うている。わたし自身に向けられた問いのような気がした。

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2006年12月 8日 (金)

【読書】全日本「第九を歌う会」連合会会報 第18号

「第九」と「ラン」の両方で縁あった人から、送っていただいた。

今回、日本での「第九」のはじまりは、鳴門であることを知った。

戦時捕虜として、中国大陸から鳴門に移送されたドイツ兵が歌ったのが、日本の「第九」のはじまりだそうだ。捕虜が「第九」のコンサートを開けることは、わが国が、捕虜を戦時国際法に則って正当に取り扱ってきたという証拠であろう。シベリアに抑留された日本兵が、強制労働のうえ多数亡くなられたことと対比するとよい。

(ただ、日本軍は、自国の兵士には、戦時国際法を教えず、「生きて虜囚の辱めを受けず」と教え、多数の自決を招いたことは、戦争責任として問われるべきだ)

日本での発祥の地である鳴門でも、毎年「第九」コンサートが開かれているそうだ。その縁あった人から、(鬼が大笑いしそうだが)さ来年のコンサートにお誘いいただいたので、是非とも出場したいと思っている。

今年の映画「バルトの楽園(がくえん)」によって鳴門が盛り上がっているらしい。上映館での上映は終わったが、レンタルDVDなどで見ることができる。今週末にはテレビ放映もあるそうだ。「第九」の起源を映像で知るために、この作品を見てみよう。

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2006年12月 7日 (木)

【読書】復興計画(越澤 明著、中公新書1808)

ようやく越澤著作を読み終えた。素晴らしい著作で、著者の「伝えたい」情熱の賜物だ。

越澤氏は、「東京の都市計画」(1991年)が代表作である都市計画研究者である。その本では、東京の街が、明治以降の近代都市計画によって、どのように形作られてきたかが克明に明かされている。専門家ではなく一般向けを対象にしており、きちんと読めば理解できる文章になっている。

特に、各時代で大きな役割を果たしたキーパーソンに光を当てている。関東大震災の直後に、「遷都せず、復旧ではなく復興させる」ことを強いリーダーシップで実現した後藤新平の人物像をはじめ、様々な人物が描かれる。都市計画は、無機的な「法律」「図面」ではなく、先見ある都市計画家の「情念」の集大成であることが、その本では分かる。

今回の著作は、「東京の都市計画」の研究成果を、地域的には全国に発展させ、時間軸としては江戸から阪神大震災後に発展させたものである。

「町家」と呼ばれる江戸以前の木造建築と狭い道路から成る密集市街地を、近代的な街に改造することは、土地所有意識の高いわが国では難しく、たいていは災害を機に復旧ではなく「復興」させることで実現させてきた。

「伝統的なまち」と呼ばれる多くの地域が、実は、災害や戦災で、都市基盤が改造されたことが契機となって形作られたことが、数々の事例で紹介されている。(同時に、「都市改造されたこと」は、世間からは、忘れ去られてしまっていることも)

阪神大震災では、震災直後の「建築制限→都市計画決定」の過程が強権的であるとしてマスコミから強い批判を受けたが、歴史的経過として、「今までと同じことをしている」だけだと著者はいう。ただ、民主主義の現代において、説明責任を充分に尽くしていない点は責められるべきだとも付記している。

震災10年経って、区画整理などが終わった街なみは、まだ人が定着していない場所もあるが、時間が経てば、本書で挙げられた他の街とはまた違う形で、新たな伝統が根付いていくのであろう。

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【読書】できる社員は「やり過ごす」(日経ビジネス人文庫)

上司の指示を「やり過ごす」ことは、後ろめたいように思っていた。しかし、この本によると、上司の指示は「打ち上げ花火」なので、上手く「やり過ごす」ことは、「優先順位のつけかた」のひとつであると言いたいらしい。

私は、できる社員になりたいので、今後は、今以上に勇気をもって、やり過ごすことにしたい。(笑)

「尻拭いで組織は回る」とも書いている。「係長」は、「尻拭い」の役割を担う労苦の多いポジションなので、体力・気力が充実している30代にさせる仕組みになっている(30代の若さでしかできない)。上級管理職への将来の昇格をニンジンに、尻拭いをさせているという実態が、具体例をもって書かれている。

例えば、教育のために「部屋の鍵をかけて退社しろ」と、不出来な部下に指示したために、「やったのを確認しないと帰れない」という事例。

(いるんだなあ。こういう不出来なのが・・・他人事としては面白いが、こんな奴の上司にはなりたくない)

会社人間としての「常識論」を、学者として整理して書いてくれたのが面白かった。組織の実態なんて「隙だらけ」だもんなあ。

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2006年11月28日 (火)

【読書】「超」英語法(野口悠紀雄、講談社文庫)

野口氏の別の著作を探しにジュンク堂に行ったところ、英語の本にめぐりあえた。

ジュンク堂には、著者、書名などをキーに「本の在りか」を探してくれる端末が備えてあり、利用者が自由に操作できる。野口氏の著作一覧に表題の本を見つけ、気に入って買ってきた。英語に関する本は最近よく見ているが、今まで気付かなかったのは、「英語の棚になかった」からだ。(文庫・新書の棚に分類されている)

この本は、英語専門家が書いた類書とは一線を画す。

【1】英語利用者の立場で書かれたこと。
 筆者は、東大工学部を卒業後、「経済職の試験を受けて」大蔵省に入った。官費留学を契機に、経済学者への転向を決め、退職して再留学した経歴の持ち主だ。今や、スタンフォード大学で講義をする立場になっている。
 英語専門家は、精緻に教えようとするが、英語利用者の立場で書かれた当書は、「8割できればよしとせよ」という観点から、完璧にする部分と手抜きする部分とを教える。ノン・ネイティブズには自ずから限界があるのだ。

【2】英会話教室の「否定」と具体的ノウハウの披瀝
 これは、わたしが読んだ別の本と路線を同一とする。聴けなければ話せないし、聴ければ話せるようになる。具体的ノウハウについては、類書と少し違う点もあるが、基本的方向は同じで、個人の「好み」が出ている。筆者は、今後「Eメールにて書く場面が増えるので、ライティング力がますます問われる」という見解である。

【3】「英語をやっていてよかったこと」の披瀝
 英語を「やる」楽しみを教えてくれる。ケネディ就任時の演説など、スピーチライターが練り上げ、歴代の政治家が用いてきた「美しい」英語を聞くこと。正統的な英語として聞きやすいニュースが聴けるようになれば幅が広がること、などを奨めている。

【4】ピンチの乗り切り方
 演説と違い、会話では、言葉のキャッチボールができる。「わからない」ときの時間稼ぎ、ピンチの乗り切り方を教えてくれる。

【5】ネット環境の活用
 リスニングの豊富な音源が無料で手に入るインターネット環境を活用しない手はない、という主張である。リーディングにおいても、グーグルでは、既に過去200年分(!)の欧米の新聞が電子化されて無料で検索・閲覧できるそうだ。驚いた。日露戦争や日米開戦時の英字新聞をネット経由で読めることになる。(一度試してみようと思う)

 この本の中で、一番心を動かされたのは、ノウハウなどもさることながら、英語にまつわる筆者の個人体験だ。「5章の2(250~259ページ)」だけでも本屋で見てみてほしい。

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介護の心(読売新聞 連載)

新聞社のHP上の連載コラムについては、良いものが多い。ブログのような無償の媒体と違って、「売りたい」がためのコマーシャリズムが良い方向に作用していると思う。

読売新聞のHPに立ち寄って偶然見つけた(↓)のコラム「介護の心」は中身がよかった。http://www.yomiuri.co.jp/iryou/kaigo/kokoro/

筆者三好氏は、理学療法士(PT)だ。特別養護老人ホームを経て、現在は講演・執筆活動などもこなす、50代男性である。読みやすい文章を書ける人だとも思った。

HPに載っている連載分はすべて目を通させてもらった。たとえば、施設整備に走りがちな行政当局を批判し、機械によらない入浴を進めている。機械浴は本人の尊厳を損ねるものだとのポリシーによる。

浴槽で入浴することは、「浴槽の工夫で可能である」という。一般に、特別養護老人ホームなどの施設は、大人数・機械での入浴を前提に、「水面」を広くつくる。そうすると、つかまれない。自立した入浴の前提は「狭くて深い」風呂だと筆者はいう。「バリアフリー設計は、建築家だけでは可能にならない」典型例だな、と私は思った。バリアフリー設計は、使用者の真の必要性から発想して行わなれければならないが、現実はそうではないらしい。

同様の例がベッドにも言える(詳細は連載参照)

機械と金に安易に頼るなかれ。「寝たきりにしない介護は、現場の工夫でできるんだよ」ということをこの連載は教えてくれた。

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神戸の東遊園地は、なぜ「東」と付くのか

いま、越沢明氏の「復興計画」を読んでいる。文章は平易だが、「東京の都市計画」と比べて、範囲が全国に及び、対象とする期間も幅広い。いま、じっくり集中して読書に取り組んでいるところである。そのなかで、地元神戸の「居留地」に関する記述を見つけた。

「居留地」の範囲は、東はフラワーロードで、西は大丸がある筋である。これには地理的な理由があった。東端であるフラワーロードは、昔は生田川があった(いまは付替えられ、JR新神戸駅のそばを流れている)。西端である大丸がある筋は、鯉川(いまは、地下に巨大河川がある)があった。今では、地表から覗いしれないが、「居留地」は、2つの川に挟まれた地域に設定されていた。

計画的な都市整備のひとつとして、居留地の「東端」に公園として「東遊園地」を設けた。その名前は、現在に至っても引き継がれている。

なお、「東遊園地」のあたりは、加納町の名前が付けられているが、これは、しばしば氾濫して外国人に不評だった生田川を、3か月の短期間で付け替えた「加納さん」にちなんで名づけられた。東遊園地には、功績を顕彰するため加納さんの銅像があるとのことだ。地元に長くいながら、この本を読んで、はじめて知った。

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2006年11月26日 (日)

「超英語法」(野口 悠紀雄)を買ってきた

野口悠紀雄さんが、現在の景気回復に異論を唱える本を書いていたのを、某書店で見て、(その時は買わずに見過ごしたのだが)どうしても欲しくなって購入した。

神戸のジュンク堂書店には、「検索機」がある。目的の本の場所をレシート状の紙に打ち出して探しやすいようにしてくれている。また、担当者ごとに専門分野を明記した名札を掲げていて、自らの専門分野の本については、あっというまに在りかを探し出してくれるのが、購買意欲を著しくそそる。

今回も、その検索機のお世話になった。すると、同一著者の「超英語法」の著書を見つけた。わたしは、「超整理法」以来、この著者に高い信頼性を与えているので、目次だけを一読して「買い」の決断をした。

よって、昨日の越沢論文とあわせて3冊が「積読」状態になっている。越沢論文は、今日読みかけたが、平易な文章であるが、内容は精緻で読むのに集中力を要するので、一気に読むと疲れる。ぼちぼち自分のなかで消化して、ここに要約を上げたいと思う。

越沢氏は、新進気鋭の学者だが、都市計画史に内容の精度が非常に高く、かならず、「歴史が正当に評価する」文書になると思っている。むずかしい文体で書かれていないので、一般の教養書としても充分耐えうる。このレベルの類書は、おそらくないのではないか。膨大な調査に裏付けられた、著者の都市整備に対する真摯さと情熱がよく伝わってくる。機会があったら、是非とも手にとっていただきたく、強く推奨する。

「超英語法」については、英語の棚ではなく、文庫・新書の棚にあったので気づくのが遅れた。検索一覧で、たまたま題名を見つけたので、本にたどりつけた次第だ。まだ途中までしか読んでいないが、「英会話信仰の否定」をはじめとして、従来の常識にまっこうから対立した「勉強法」を示している。

(わたしは、まったく違和感なく受け入れることができるが、テレビCMの「宣伝」により、供給者側の論理に染まっている方々には、抵抗感があるかもしれない)

いままで、4分の1ほど読んだ限りでは、英語論として充分耐えうるレベルのものだと思うが、この本も読了した段階で、レポートを上げたいと思っている。

ついでに、氏の最新作として「景気回復を否定する」別冊も購入したので、それについても後日に詳細に報告する。

(それにしても、積読が多くなってきていますねえ。消化せねば。)

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新聞「大紀元」

きょうは、喫茶店で、めったに、おめにかかることのない新聞を見つけた。新聞「大紀元」である。このような新聞が、神戸の喫茶店にあるとは驚きであった。
 (別の喫茶店で、「聖教新聞」を見たこともあるが、驚きの程度は比較にならない)

発行母体である「大紀元」については、WikiPediaに項目がある。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E7%B4%80%E5%85%83

中国の反体制メディアとして、北京当局に対する痛烈な批判を展開しつづけている。日本語版は月2回刊行のようである。今回見た記事では、中国当局によるチベット人虐殺事件を厳しく批判していた。

(日本では、あまり報じられていないが、中国軍が無抵抗の一般人を銃殺する場面が、偶然に欧米のテレビクルーによって撮影された。マスコミ報道及びインターネットでその映像が全世界に広まり、北京当局は批判されている。)

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復興計画(越沢 明著)を買う

昨日、都市計画に関係して、越沢明さんの著作を取り上げたが、その後、ネットで検索してみたら、「東京の都市計画」よりも幅広いテーマで取り上げている別著を見つけた。「復興計画」と題して、全国で実施されてきた復興計画について論評されている本である。

すなわち、明治時代のみならず、江戸時代の大火に遡り、現代は阪神大震災にいたる時代にいたるまでの復興の歴史を俯瞰する。さらに、地域についても、東京に限定せず、全国の災害や戦災で、どのような都市復興が為されてきたかを検証する。このあたりが、著書の目的であるように思う。

都市計画によって大規模な都市再整備を営々と実現してきた先人の努力は、並み大抵のものではない。しかしながら、現代では、当然のこととして、意外に知られていない。越沢作品を読み直すことによって、あらためて認識を改めたいと思っている。

阪神大震災、そして明治以前の都市計画史をあらためて扱う今回の作品は、(文章が難しいわけではないが)研究論文としての完成度が高いので、集中力を高めていっきに読みたい。そこで、きょうのところは、とりあえず「積ん読」にとどめた。早いうちにいっきに読了して報告したい。これまでの作品と同様、膨大な資料の蓄積に基づく論評は、期待を裏切らないと思う。

ちなみに、先日書いた「満州国における越沢作品」については、海外ゆえ、(内地生まれの私には)土地勘に乏しいので、立ち読みの段階で買うのをやめた。著者は満州出身なので、満州になじみが深く、思い入れがあるようで、満州に対するバックボーンが異なるように思えた。

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2006年11月24日 (金)

東京の都市計画

交通工学・都市計画を専攻したので、都市計画について、一般のひとよりは関心がある

わが国の都市計画史については、越沢 明氏の著作が読みやすくて、面白い。「東京の都市計画」(岩波書店)、「東京都市計画物語」が代表作である。

都市計画は、土地所有者と必ず対立する。東京の都市計画は、明治、大正大震災、戦災復興など、何度かの区画整理のチャンスがありながら、常に挫折し、土地所有者の意を受けた政治勢力との闘いに常に敗れる歴史を繰り返してきた。その結果、東京都心において、いずれの面的整備事業も実施できなかった地域が、相当に残された。

戦後の高度経済成長期に、首都高速道路などの新たな都市施設が必要になった。しかし、必要な用地は、既存の公園や河川などを喰いつぶして、なんとか「一時しのぎ」ができてしまった。その結果、現在においても防災上の問題地域が相当あり、解決のめどなく放置され続けている。

(都市部において、区画整理以外の手法で、道路、公園などを個別に整備することは、天文学的な費用を要し、事実上不可能に近い)

東京とは対照的に、成功したのは「満州の都市計画」だそうである。これも、越沢氏の著作があるので、機会があれば勉強してみたいと思っている。

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2006年11月23日 (木)

わたしの文章修業

ホワイトカラーには、文書作成が必ず付いてまわる。

学生時代には国語が苦手だったので、社会人になって文章作成には難渋した。作成した起案が直属の上司まで行かず、教育係である先輩のところで、ことごとく「真っ赤」にされて返される。当時、ペーパーとして全く使いものにならなかったのだろう。

わたしは奮起して文章を修業した。いろいろな本を読んだ結果、決めたメニューは、「新聞の社説の書き写し」だった。これは、かなりの効果があった。写経のように、良い文章を書くことで、書くことに対する「リズム感」のようなものが身に付いたような気がする。

当時、教育係であった先輩、そして先輩を教育係に配してくれた上司に、非常に感謝している。

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【読書】薬でうつは治るのか?(洋泉社)

「うつは心の風邪ひき」に例えられるが、タイトルが気になって買ってみた。「薬でうつが治る」ことは、現在ひろく流布されている「常識」なのに何故?と思ったからだ。

「うつ」には、①内因性、②外因性、③身体因性の3パターンに分別され、「抗うつ薬」は、①だけに有効のようだ。(②、③のパターンでも効果があるが、あくまでも対象療法的)

私が別の例でたとえる。熱が出ているときに、風邪薬を飲んで休養する。その後に回復したとする。風邪薬は、風邪に対する薬ではなく、「風邪に伴う諸症状の緩和」をする薬である。つまり、対象療法として熱を下げ、一時的に楽になって休養しているうちに、身体の抵抗力が付いて回復した、というのが正しい解釈であろう。(現在のところ風邪の特効薬はない)

著者は、「うつ」について、因果関係を解明せずに「抗うつ薬」を安易に投与することは、発熱に対する熱さましと同レベルのことであると警鐘を鳴らしている。

近年、副作用の非常に少ない「抗うつ薬」が開発されている。1987年にアメリカで開発されたプロザックは、製薬会社の大規模な宣伝もあって爆発的に売れた。ニューズウィーク誌は、患者が、プロザックの「気分を楽しくする薬」としての効用を求めて医師に殺到する現状を特集した。

(ずっと熱さましを飲み続けていれば、あしき生活習慣を見直さなくても、平熱のまま過ごせるわけだ)

「精神的な代償を支払わずに人生の難局を乗り越えられる」ことも可能になろうとしている薬理学の進歩が倫理的に許される範囲なのか、健全な一般人を単に「薬漬け」にしているだけではないか、という重い課題を、著書は突きつけている。

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【読書】日本警察 裏のウラと深い闇(大和書房)

通常の警察暴露本と異質な感じがしたので、買ってみたところ、けっこう面白かった。

著者である北芝氏は、早稲田大学卒業後、貿易会社勤務を経て、一般の警視庁警察官採用試験に合格し、刑事及び公安畑を経験。現在は現職を離れて「学者」である。

かなり個性的なキャリアをたどっている。
 1.著名大学の卒業なのに、民間企業をわざわざ退職し、
 2.キャリア試験ではなく、通常の警察官として勤務し、
 3.刑事と公安の両方の分野を経験し、
 4.さらに、退職して自由に発言できる立場にある
以上の4点である。

粗雑な内容の警察本が多いなか、練られた文章で記述されており、好感が持てる。著者に文才もあるのだろう。完全には本音は語ってはいないと思われるが、淡々とした記述の中に、ちらほらと「面白い」暴露があって、引き込まれる。

批判一辺倒の警察本が数多いなかで、すこし変わった存在感を示していると思った。

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【読書】腐食生保(高杉 良、講談社)

最新刊の高杉作品を読んだ。今回は巨大生保が舞台である。

高杉作品は、愚直な「一選抜」を主役に、サラリーマン社会にありがちな、様々なキャラクター(良い上司、悪い上司、良い同僚、悪い同僚、良い部下、悪い部下)が登場し、様々なイベント(家族関係、男女関係などなど)を組み合わさり、長編作品を構成していく。細かなディテールを書き込んで作品を構成するためには、膨大な下資料が必要であり、その構成力には、毎回敬服している。

生保会社の特殊性は、相互会社であることにある。株式会社の総会に相当する「総代会」はあるのだが、過去に提案が否決されたことがなく、チェック機能を果たしていない。権力が集中する会長及び周辺人物の独裁の結果として、現場が疲弊してゆく。作品では、その状況に危機感を持つ「愚直な一選抜」が抵抗する姿が描かれている。

今回は、「愚直な一選抜」が暗愚の会長と刺し違えて作品を終わったが、おそらく続編があるのだろうと期待する。

高杉作品にこめられたメッセージは、過程において不条理なことが多くあっても、「愚直な一選抜」の努力は報いられるということだと、わたしなりに理解している。だから、今回は、「愚直な一選抜」が暗愚の会長と刺し違えて作品を終わったが、おそらく終わりにならない、(金融腐食列島のときと同様の)続編があるものと期待したい。

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2006年11月19日 (日)

よい文章の条件

よい文章の条件は、「。」と「、」が多い文章だと思う。

本屋めぐりをして本をさがすが、上記の条件の本を買って外れたことは、まずない。単純な文章で表現された本は、論旨も明快で、内容も良い。

(わたしは、翻訳本をほとんど読まないが、その理由は、翻訳することのみに努力して、単純で読みやすい日本語にする努力に欠けていると思うからだ。)

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2006年11月18日 (土)

【読書】数年後に起きていること(日下公人著、PHP)

昨日予告したとおり、上記の本を読んだ。

著者は、わが国は他国に比べて「既に独走している」という。

伝統的に築き上げられた、勤勉性、国民レベルの高さなどが、他国に真似できない「高度な生産品」を作り出し、消費するマーケットを形成している。さらには、そのような生産品を他国が「勝手に買ってくれる」。つまり、売ろうと意図してなくても普及するし、他国を追い越そうとしなくても、既に「最先端国家になっている」という論旨。

格差社会どうこうと言われるが、毎朝、新聞を読んでいるホームレスなど、他国の基準からすれば下流にならない。(せいぜい、中の下)と言う。少々格差が拡大したとしても、「1億総中流」であることが、わが国の強みなのである。

国民全体が勤勉に努力してきた結果、もはや、しゃかりきに働かなくても、膨大な蓄積資産の「あがり」だけで国民生活を維持できるレベルにすら達しつついると説く。そのような状況において、個人はどのように進み、わが国は世界に対して国力をどのように行使するのか。悲観的にならずに、積極的に進め、と強く説いている。

わたしの認識では、著者は、過去より一貫して、日本及び国民の潜在的パワーを一貫して信じて主張してきた識者であり、まったく軸がぶれていない。また、概ね、予測どおりに現実が追従してきていると思っている。

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2006年11月17日 (金)

本屋めぐりの成果

このところ読書にはまっている。本屋によく立ち寄る。本屋は、店によって陳列のしかたがみな違うので面白いし、違う店にいけば「掘り出しもの」に当たる可能性が高まる。

きょうは、2冊の本を買った。日下公人「数年後に起きていること」(PHP)、高杉良「腐食生保」(上)

日下氏の著作は、日本の将来について徹底的に前向きで、読んだ後に希望と明るさが残るので好きだ。(見かけたらたいてい買っている)高杉氏の著作は、第一線のエリートサラリーマンを主役に、ビジネスの現場を描くものが多く、緻密な取材にもとづくリアリティの精密さが好きだ。

2作とも、出来栄えに期待している。可能であれば、週末に読了して、感想をここに報告したいと思っている。

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2006年11月16日 (木)

【AERA2006.11.20号】「うつ病という人材」

最新号の雑誌AERAに載っている、見出しの記事を読んだ。

記事の要旨は、「組織がわかる心理専門家が不足している」ということのようだ。

記事では、うつ病が社会問題化している現代にあっても、患者との1対1対応を基本とする「臨床心理士」は、企業の組織特性を見渡したコーディネートができず、一方で、その分野が得意な経営コンサルタント等は、カウンセリングができないという現実の矛盾を書いている。

今まさにふりかかっているテーマなので、身につまされた。

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英語の書棚

最近、英語にハマっていて、本屋に立ち寄ると、必ず英語のコーナーに立ち寄る。

アルクの通信教育教材(TOEIC470点マラソン)が、まだ1月半残っているので、他の教材にチャレンジする余裕がないのだが、気になっている本がいくつかある。

もっとも気になる本は、「話すための英文法」(研究者、市橋敬三)である。多彩な文法要素を含んだ短文を多数音読することで、英語の基礎力を向上させるというポリシーのもとに編集されており、本屋で見るたびに、買いたくなるのだが、「やる余裕がないので、買わずに我慢」と言い聞かせている。6冊シリーズで各CD付き。

著者の「はしがき」を立ち読みするだけでも面白い。

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2006年11月13日 (月)

【読書】人間力の磨き方(講談社、鳥越俊太郎)

鳥越氏は、わたしの好きなキャスターである。

「ニュースの職人」を標榜し、一貫して現場に立脚したジャーナリズムを追及してきた。テレビ朝日「ザ・スクープ」を基点に活動してきた。「桶川女子大生ストーカー殺人事件」に関する報道では、有名である。

この本は、著者が報道の世界に身に置いての半生記である。毎日新聞社に入社してからの「長い下積み」の時代。週刊誌、そしてテレビへの転進。生命の危険を賭してのイラク突撃取材。桶川事件。テレビでの誤報。

それぞれの場面で、ジャーナリストとして真摯に立ち向かい、愚直に経験を積み上げてきたことが、他の追従を許さない「実力」として現われていると思った。

この本を読んで、氏がますます好きになった。

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【読書】あの戦争は何だったのか(新潮新書、保坂正康)

太平洋戦争についての解説書を読んだ。文章が平明でわかりやすく、おすすめする。

この手の本は、戦術の解説書であったり、○○海戦の解説書だったりする例が多く、予備知識がない者に、とっつきづらいものが多いように思うが、この本は、文章が簡明でわかりやすいので、買ってみた。

第1章は、旧日本軍の組織体系である。職業軍人と一般軍人。機構。太平洋戦争を知るうえでの基礎部分が簡単にまとめてある。基礎的なことばかりだが、実際には、読者が当然知っているものとして書かれていない本が多いと思う。今回改めて知ったことも多かった。

第2章から第4章では、2.26事件から終戦にいたるまでの「変化点」が判るように書かれている。太平洋戦争の各々の重大局面において、旧軍及びわが国政府がどのような過ちを犯し、その結果としての課題として何を抽出すべきか、という視点にたって書かれている。そうなので、個別作戦の枝葉末節の部分は捨ててあり、非常に理解がしやすかったことを強調し、この本を強く奨める。

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2006年11月12日 (日)

【読書】頭のいい人の時間術(斉藤茂太)

時は金なり。人生に与えられた、限られた時間を効率的に使うことは、大変に重要だ。きわめて多忙な著者は、ことし90才にもなるのに、まだまだ現役とは恐れ入る。

「短い時間はゆっくりと、長い時間はテキパキ使う」のが著者の提案である。時間が潤沢にあるときは浪費し、時間がないときはバタバタしてしまうのが凡人の常であるが、そうならないように、有効に使いたいものだ。

(私の場合は、コマ切れ時間は、ポータブルプレイヤーをつかって英語の勉強をすることに決めている)

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2006年11月10日 (金)

【読書】ひとりで悩まずに・・・いのちの電話(ほんの森出版)

「いのちの電話」に興味があるので、それについての本を取り寄せて読んだ。

「いのちの電話」は、いつでも、匿名で、「なやみごと」の電話相談を受け付けている。国などからの補助金は得ているが、運営は民間のボランティア団体が行っている。

電話を受ける電話相談員は、2年間の研修を経て認定された者に限られ、認定後も継続的な研修が義務付けられる厳しいボランティアだ。それゆえ、脱退も多く、電話相談を維持するために、毎年毎年新たな相談員を募集しつづけている。

東京、大阪、神戸など、約50局のセンターがあり、古い局は、30年以上の歴史を有する。阪神大震災のときには、近畿各局が相互に連結されて、フリーダイヤルによる相談を受け、多くの深刻な相談が寄せられた。

電話相談員は、受けた電話の機密保持は当然のことながら、外部で「わたしは、電話相談員をやっている」ということすら表明できない厳しさ。本当に地味なボランティアである。

この本を読んで、「ほんとうに大変な活動だなあ」と思った。わたしは、プロ意識の高いボランティア活動に興味があり、「いのちの電話」もそのひとつである。時間があれば、2年間の研修を受けてみたいとも思っていたのだが、あまりもの厳しさに、二の足を踏んでいる。

厳しいけれども続けたい、何らかの魅力があるんだろうなあ、きっと。

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2006年11月 7日 (火)

【読書】スローキャリア(PHP文庫)

PHP文庫の新刊であるこの本に、私は高い評価を与える。「上昇志向を持たなくても幸せになれるんだよ」という強いメッセージが伝わってくる本だった。

著者の高橋俊介氏は、大学で航空工学を専攻したにもかかわらず国鉄に入社し、その後コンサルタントに転進した異色の経歴を持つ人物である。

何の関連もないように見える前歴が、キャリア形成に役立つと強調する。氏は、国鉄という超巨大組織の病弊を体験した前歴があり、これが基になって、コンサルタントとしてクライアント側に立った提案が可能になった、新卒で現職についても適切なキャリアパスにはならなかっただろう、という。

すなわち、過去からのキャリアの延長に未来があるのではなく、一見関係のない前歴が将来に活かされるものである。だから今の仕事を真面目に創造的にやり、自己啓発も怠らずにキャリアアップせよ、と解く。(とはいっても条件があるので、それについては本に書いてある) そして、チャンスがあれば、前歴にこだわらず活かせ、と言う。

題名に共鳴を覚える向きは、ぜひともよんでいただきたい一冊である。わたしは、かなり感化された。

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2006年11月 5日 (日)

【Web】Yahoo!「みんなの政治」

面白いページを見つけた。政治雑誌の記事を拾い読みできる。

文芸春秋などの月間総合誌、週間ポストなどの週間誌、などの主要記事が掲載されている。雑誌記事には、新聞社説などと違う面白さがあるが、いかんせん全て目を通せないことが欠点で、最近はごぶさたしていた。このページの登場で、効率よく拾い読みすることが可能になり、欠点を克服できた。有用な情報源になると思う。

http://seiji.yahoo.co.jp/

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2006年11月 3日 (金)

【読書】ドキュメント安倍晋三(講談社刊)

新首相に関する本を一冊読んでみたかったので、買って来た。

首をかしげる閣僚人事、早々の訪中と靖国対応の疑問、そして郵政民営化反対議員の復党への動き。わたしの新首相に対する視線は、かなり厳しい。首相になった途端に変節したと思っている。

この本で、新首相の係累と経歴がけっこうわかった。党改革で見せた実務的な側面。(言い古されているが)「拉致」でぶれない姿勢。「首相になるまでは」信念の人だったんだなあ、という感想を持った。

その後、何があったのかしら。

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2006年10月29日 (日)

【読書】中谷巌の「プロになるならこれをやれ」(日経ビジネス人文庫)

わたしの大きな情報源に新聞がある。

新聞は、今やジャーナリスト的としての価値は失われ、プレスリリースの宣伝機関に堕したと思うが、「情報紙」としての価値は、いまだに大きい。(わが国におけるジャーナリスト的な役割は、ネット上のメディアに交代してしまった感がある)

大変にありがたいのは、無料の講演会。喫茶店で各紙を読み比べているが、朝日新聞がもっとも多い。次に注目しているのは、識者の投稿である。限定された字数での投稿は、作者の力量が自ずから現れる。

中谷巌さんは、新聞での投稿文が大変切れ味がよかったので、是非とも著書を読んでみたいと思っていたが、書店でたまたま著書をみかけたので一冊買ってみた。

この本の要諦は、「1万時間をかけて、ある分野のプロになれ。そうすれば、特定分野の鉱脈に行き着くので、無限の発展がある」というもの。期待どおりの良い本だった。詳細は、著書にあたっていただきたいと思う。

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2006年7月26日 (水)

【読書】救命センター当直日誌

本屋で何気なく手にとってみたところ、文章が軽妙だったので買ってみた。
東京都立の救命救急センターに勤める救急医の著書である。

救命救急センターは、その性質上、最も重症の傷病者や他の病院で面倒を見られない傷病者を受け入れる宿命にある。

心肺停止による救命率は、「停止1分ごとに1割低下する」と言われているが、運良く命を取りとめたとしても、清明な意識回復に至るのは厳しい。脳には大量の酸素が必要なので、数分の心停止でも、重篤な意識障害、植物状態になってしまうことがあるからだ。

救急医はプロなので、予後の悪い傷病者は予想が付く。「ただ単に、植物状態で延命させるだけではないのか」という苦悩。最善を尽くすことが、最良の結果につながらない現実。ここに、医療に当たる立場での深い悩みを見た。

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2006年6月12日 (月)

【読書】寂聴 般若心経

瀬戸内寂聴さんについては、法話をNHKテレビで見て以来、言葉の力強さに感動し、京都の嵯峨野にあるお寺(寂庵)に直接聞きに行ったりしたいきさつがある。

今回、ひさしぶりに、好きな寂聴さんの本を読んだ。般若心経の解説本であるが、平易に書いてある。

寂聴さんの導入は、やさしいたとえ話しから入る。いつになったら法話になるのか? と思うほど導入が長い。講演会と間違うほどだ。

しかし、後半は核心を衝いてくる。鋭い。生で聞いたときも、いつのまにか説法に引き込まれていた。

(中公文庫 せ16)

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2006年5月 9日 (火)

【読書】遠き落日

小泉首相がアフリカ訪問に行った折りに、野口英世博士の基金を作ることを表明したが、その記事が載っていた新聞に、野口英世の伝記が紹介されていた。そこで、ふと読んでみる気になり購入してみた。 ※「遠き落日」(上下各1巻、渡辺淳一著、角川文庫刊)

渡辺淳一は、「失楽園」などの恋愛小説で有名だが、医師だった経験を活かした小説も書いている。渡辺氏は、野口英世の伝記作家として、アメリカ、南米と、博士が生きた現地にて取材して、伝記文学として作り上げた。(文庫本の初版は、昭和57年)

博士は、細菌学の権威にのぼりつめるまで、アル中の父と生活を支えるのに苦労する母に育てられ、火傷から来た手の障害を背負い、相当に屈折した人生を送る。それが、並外れたバイタリティの原動力ともなってきた。(いまの制度では出来ないが)医学部を卒えずに医師国家試験にパスするなど、並みの努力では成らないことだ。

学閥の因習の残る日本を避け、中国やアメリカで、「日本を見返す」ため、外国人差別とも闘いながら、屈折した感情で努力を続けた。その結果、ついには頂点に上り詰める。しかし、研究の反論に立証するために、50才をすぎて渡ったアフリカで、黄熱病の犠牲となり倒れた。たった52才であった。

偉人の伝記は偶像化して書かれることが多いが、この本には、博士の「人間臭さ」がいかんなく表現されていた。

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2006年5月 4日 (木)

【読書】他人と深く関わらずに生きるには(新潮文庫)

わたしは、日本人の大勢に似ず、個人主義的な人間だと確信してきた。でも、この本を読んでその確信が揺らいだ。

著書では、「君子の交わりは淡きこと水の如し」という、荘子のコトバが引き合いに出される。濃厚な人付き合いはなるべくしないことが、付き合いの要諦だと筆者は強調する。人と人が支配し、支配される関係から脱し「対称」の関係を結ぶために、自分も他人に甘えてはいけないという。ただ、現実には、干渉を嫌い人には甘えたい人が多いのではないか。

個人主義を徹底していくと、難しいのは男女の関係だ。恋愛や結婚は相互依存関係であり、個人主義と対立関係にある。この矛盾した概念を調整する答えは、この本からは得られなかったと思う。個人主義を実践することの難しさを、この本は教えてくれた。

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2005年11月 2日 (水)

「わからない」という答え

さきごろブログに書いた「プロカウンセラーの聞く技術」という本を読み返していた。
すると身につまされる記述があった。この本は含蓄が深い。

この本に、不登校の子供と相談に来た母親の例が出てくる。
 母親:「いつになったら学校に行くの?」
 子供:「わからない」
 母親:「先生、いつもこうです。この子は答えてくれないのです」
 著者:「答えてくれましたよ。『わからない』と」
 母親:「そのような答えは答えになっていません」
さらに、著者は母親に尋ねる。
 著者:「お母さんが娘さんだったときに『いつ結婚するのか』と
     お父さんに聞かれて、『わからない』と答えたら、それが
     答えではないのでしょうか?」
 母親:「そうですね。それは、答えですね。
      私があせっているのですね」
母親は、そのときに正解がなんであるかに気付いた。

母親をわたしに置きかえ、子供を「彼女」に置きかえ、そして求めることを「交際」に置きかえる。そうすれば、今の状況は、上のやりとりと寸分も違わないことに気付いた。性急に答えを求めることは愚かなことだ。こちらを見てくれているだけでいいではないか。じっくり取り組もうと気分を新たにした。

きょうメールがあって、来週は、彼女が食事につきあってくれるらしい。さて、どこに行こうかな~♪

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2005年10月20日 (木)

読書:プロカウンセラーの聞く技術(創元社)

わたしは読書が好きだ。目的もなく本を探す本屋めぐりは楽しい。

著者は、何十年もカウンセラーを務める「聞くこと」のプロである。相手の話しを聞くことで信頼のできる人間関係を築きたい、という人のためにこの本を著した。言葉は易しいが、内容は深い。経験に根ざした含蓄がある。「相手を理解するために聞く」ことの何と難しいことか。わたしは、何度も読み返し、考えさせられた。

この本のエッセンスを2点紹介する。

<他人のことはできない>
人間は自分中心でものごとを考えています。そのくせに、あるいはその罪滅ぼしのゆえに、他人に何かをしたくなります。しかし、相手がしてほしいと思っている肝心のことはなかなかできないのです。相手のタイミングで話しを聞いてあげることが、相手に対してできる最大のことなのです。それ以外は、他の人のことはできないのです。

<情報以外の助言は無効>
カウンセラーやあなた自身に、聖者のかわりは務まりません。われわれは聞き手として、じっくり相手の話しを聞き、人格と乖離した助言を避け、話し手が自分自身で自分の人生の知恵を見いだすことを促進する以外に有効な方法がないのです。

人は、自ら「立つ」以外に問題解決の方法はない。著者は「他人」の限界をよくわかっている。自らを合理化するために、人を助けたり助言したりすることの安易さを厳しく戒め、「聞く」ことに徹せよと書いている。

この本は非常に良い。機会があればぜひ読んでいただきたいと思う。

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2005年9月30日 (金)

読書:平成維新(大前研一)

時をさかのぼること15年。平成のはじめに、わたしはこの本を読んだ。入社する4月までに与えられた「課題図書」としてである。

このひとの良いところは、情実を排して、経済合理性の視点で物事を斬ってしまうところだ。健全な競争原理にもとづく自然な淘汰こそが最適である、というポリシーが見てとれる。経済の教科書流にいうと「神のみえざる手」ということになるか。

たとえば、日本では公立小学校は、必ず定められた学区の学校に行く必要があり、各学校には多大な税金が投下されている。さらに、学校の授業に不満な生徒は、塾という違う「学校」に二重の投資を強いられる。氏は、生徒にチケットを渡して自由に学校を選ばせれば経済的競争により安上りとなり、悪い学校は自然に淘汰されて消えるというのだ。

さらに、氏はシステムを美しく簡素にすることを強調する。その例は、所得税である。いくら徴税を強化しても、闇にもぐった所得は捕捉しきれるものではなく、税務署職員の人件費ばかりがかかる。そうであれば、所得税をゼロにして、すべて消費税に変えれば、「税務署は要らなくなるよ」というのだ。

わたしは、この本の影響を相当に受けた。ホリエモンには頑張ってほしいし、小泉構造改革には、もろ手をあげて「賛成」している。

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2005年9月19日 (月)

読書:新・この人事に異議あり

わたしは、経済小説が好きである。なかでも、高杉良の著作はよく読む。

経済小説は、「ドキュメンタリー」では追求しきれない限界を、小説的表現によって超越できることが魅力だろうと思う。なかでも、氏の著作は、緻密な取材にもとづいて事実を再構成し、さらには男女の愛憎も交えて迫力を加えていることが特徴で、長編であっても読者の興味をそらさず、様々な業界の内幕を暴露しつつ、一気に読ませるだけのパワーにあふれている。

今回の作の舞台はファッション産業。離婚経験のある30台女性の広報ウーマンが主役である。ふとしたきっかけから、社の幹部と不倫関係に陥る。はじめは蜜月関係を維持するが、社業のゴタゴタの極限状況で、相手男性は違った本性を見せる。主人公は男性を見限り、違う男性に心移りする、という筋書きである。

組織人であり会社員である男性は、理屈では図れない社内の力学に翻弄されて思うにまかせない。主人公である女性も、ふと見せる男性の「弱さ」に幻滅を覚える。氏のどの作品を読んでも、組織とは何だろう、男女関係とは何だろう、とその脆さ、はかなさに、いつも考えさせられることが多い。

発行:講談社

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