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2008年5月21日 (水)

【読書】悩みのコントロール術(東山紘久、岩波アクティブ新書)

来月に、四天王寺で、著者の講演を聞く機会があるので、改めて本を一冊読んでみた。

著者は、京都大学副学長で、臨床心理士。「プロカウンセラーの聞く技術」「プロカウンセラーの夢分析」などが、ベストセラーになった。

悩んでいる人は、悩みを取ってほしいと思って、カウンセラーを来訪する。だが、カウンセラーは、悩みを深めるのが仕事である。なぜなら、悩みを深めることをしないと、同じ悩みを繰り返すことになるからだという。

これは、自己破産によって借金を棒引きにされた債務者が、凝りもせず、借金を繰り返すことに似ているという。

悩みの多くは、自分の現実と理想の乖離から生じる。当人の知識不足が悩みの原因なら、知識を与えればよいが、知識を持っているがどうすることもできない場合は、助言がどのように立派なものであっても、無力である。

周りの人の助言が、あまり効果がなく、かえって当人を怒らせることがある。このようなときの助言の大部分は、当人が実行できないような助言である。悩んでいる人に、できないことを要求するのは、その人の無力さを指摘することになる。

たとえば、国語はよくできるが算数はできない子供に、「国語はよくできるから、算数をもっとがんばれ」というと、多くのこどもは、国語まで駄目になる。

著者は、思い込みを防ぐ方法についても、書いている。

思い込みを防ぐ一番有効な手段は、自分の意見や見方に相手が反論してきたときに、さらなる反論をしないことだという。むきになって反論したくなるときは、どちらかに思い込みが大きいときで、相手の思い込みが大きいときに反論しても、相手は聞く耳を持っていない。

助言の有効性は限定的だし、自他の見方の乖離をなくすのも難しいとなれば、いったいどうすればよいのだろうか。それは、相手の鏡になることだ。(鑑ではない)鏡になって接すれば、当人の思い込みはやがてなおっていくという。

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