【読書】「婚活」時代(山田昌弘・白河桃子、ディスカバー新書)
きょうの朝刊の書評欄を見ていて面白そうだったので、三宮の本屋でさっそく買ってきた。
「婚活」は、著者が、結婚活動の略語として造った。「就活」のアナロジーである。
本の出来は、書き手の資質によってほとんど決まってしまう。よい著者の本には、ハズレが少ない。山田さんの「パラサイトシングルの時代」や「希望格差社会」は名著だ。
山田さんの専門は家族社会学である。学者である以上、感覚論ではなく、社会現象を統計にもとづく分析によって、整理していくのであるが、平易な言葉で著書を著し、一般向けに啓蒙することも心がけておられるのが、わたしが氏のファンである理由だ。
就職が自由化されて、就職活動なるものが必要になったように、職場での斡旋や見合というシステムが崩れて、結婚が自由化されると、格差が拡がって、今や「結婚活動」なるものが必要になっている。
社会経済状況か変わっても、男女の意識は変化していない。女性は、男性に経済的な依存を求め、男性は、ワークライフバランスの「ワーク」だけやってりゃいいや、という意識。男は、「男の沽券」を容易には捨てられないという。男女共同参画は絵に描いた餅だ。
未婚女性の40%が年収600万以上の男性を望むが、実際には3.5%しかいない。30代男性の25%は、週60時間以上働いている。男性に経済力を求めると、裕福なパートナーと過ごす時間が、実際にはないという現実。相手にコミュニケーション能力を望むなら、年収が少なく時間のたっぷりある男性になるし、難しいところだ。
最後に、社会学者として山田氏は、「個として独立していても、支えのない人が多い社会は、とても弱い社会になるのではないか」と懸念している。日本では、家族に代わるコミュニティーがまだない。外国では、個人主義が確立しているが、日本では個人主義が脆弱なので、家族がなくなると、基礎的なコミュニティがガタガタになるおそれがある。
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