【読書】ニッポン・サバイバル(姜尚中著、集英社新書)
著者は、1950年生まれの56才。「在日」の政治学者だ。「朝まで生テレビ」の出演者として見かけたことがある。
この国で、しなやかに、したたかに、そして「まとも」に生き残っていくためにはどうしたらいいのか、という点についての問題提起の本である。手立てとなるヒントとして、仕事や友人、恋愛やお金、国際政治のトピックなども取り上げた。著書を読むのは、はじめてだったが、面白く読めた。
いろいろ印象に残った言葉があるが、その中から、2つだけを挙げる。
ひとつは、自由と安全についてである。
自由を守るために安全を強化すること自体が、自由を否定するという自己矛盾に陥る。
さらには、自由を否定することは、社会の免疫力を無くすことでもある。本来、自由な社会というのは、絶えず社会の中に予測不可能なノイズが入ってくるものであり、それを内側に取り込むことによって、社会が強くしなやかになっていく。不安のない自由はない。
もうひとつは、仕事についてである。
かつて仕事は何か神聖なものだという思いがあったけれど、その感覚はもはや幻想にすぎない。人生とはもっとさまざまな側面を持っているし、もっと広がりもあるし、深みもある。仕事はその中のひとつの要素にすぎないと考えるべきだ。
非常に感じるところがあった著者だったので、他の著書も読んでみたいと思った。
| 固定リンク

コメント