わたしは、データ及び文書を扱う仕事をしている。「入力するだけ」の形づくりは容易だが、「ミスをゼロ」にすることは、容易ではない。普段から心がけているチェックポイントについて紹介する。
【1】点検していない目的物は、不良品と認識すること。
電子データは、外から見分けがつかない。紙で見れば明らかな錯誤でも、データとして流通してしまう危険性があることを認識するべきだ。
【2】作成時に、点検ルールを定めておくこと。
目的物によっては、点検しやすい形式で作成することも考えるべきである。
【3】作成及び点検の時間を確保し、当初に予定しておくこと。
当然のことであるが、できていない場合が多いのではないか。
【4】点検については、複数回行い、時間間隔(インターバル)を確保すること。
複数回の点検は当然として、連続作業に伴う思い込みを排することが重要であるので、時間間隔を確保する。「前回の自分」と「今回の自分」では、視点がおのずと変わる。
【5】意識的に点検の視点を変えること。
同じように点検していては、マンネリに陥る。人を代えるのもよい。
【6】点検は、原則として紙で行うこと。
一覧性、類似項目との比較などにおいて、点検作業において紙に代替できる有力な媒体は現存しない。ペーパレスには反するが、データの精度を確保するために必要な資源の消費と割り切ること。
【7】類似項目の突合せを行うこと。
数字であれば、オーダーの不自然な差がないか。文字であれば、表記のぶれや項目の不自然な差がないかなど点検できる。不良品摘出の有力な手段である。
【8】ソフトウェアの機能を活用すること。
とくに、Excelのソートと抽出は有効に活用できる。【5】で述べた「点検の視点」の変更が自然にできるからだ。
作業のコツとしては、原データの並びに対応する「連番」(のようなもの)を付けておき、特定のキーで再整列すれば原データの並びに復元するようにしておく。そうすれば、別ファイルとして管理せずに済むので、管理手間を増やさずに様々な条件で点検できる。
文書入力において、世代間比較を行うために、Wordの比較ツールも使ったことがあるが、利用価値は「ものによりけり」といったところか。(ないよりは良いが、完全には依存できない)
【9】世代管理を確実にすること。
(特に、複数回校正のような作業において)世代管理の錯誤は膨大な手戻りとなる。以前、それで手痛い教訓を得たので、複数回にわたる校正を依頼する際には、「世代管理」の方法を決めておくことにした。とくに、作業の各過程で使用する「フォルダの構成」は、「世代管理の錯誤」を防止するため、極めて重要である。
【10】同一ファイルに上書きを繰り返すときは、前後の「差」を確認すること。
わたしの担当した業務での「教訓」をふまえ、その後は、前後の「差」を確認しない限り受領しない、というルールを決めた。とくに校正作業は、たいてい「ドタバタ」になるので、【2】で述べたように、点検ルールを事前に定めておくほうがよい。
以上、普段の実務で得られた「手痛い」教訓をもとに10項目を作ってみた。ご参考にしていただければ、ありがたい。